どふ鰐リレー  ( ゚+++゚ )(▼д▼)ミンゴさんのプロポーズ大作戦!

※for only 腐女子  でもRにはしないつもり! 舞台は頂上戦争〜2年後の間あたり。 クレハ→霜月→つるかめ→乃夜→百旗→わにタン 続きを読む
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つるかめ @turukame__

@noyoru 目を開き墓標を見る。石に刻まれた名は白ひげのものだ。堅い殻で覆った筈の胸の奥が痛む。兎も時計も、幻のように消えてしまった。喪失感に塗り込められた脳裏に声が響く。「喪ったものに囚われてるなんざらしくねぇぞ」強く握り締めていた鎖は、気が付くと細い糸に変わっていた。

2013-07-05 10:13:05
の夜 @noyoru

@Dogsclock 糸は風に煽られ長く長く伸びていく。すると後ろを黙ってついてきた獣達が、一匹、また一匹とクロコダイルから離れ糸の先へと向かって去って行く。兎耳男は鈎爪にキスを贈り、帽子男は深い一礼を残して。五月蠅かった鴉は肩で2度3度足踏みし羽ばたいていった。残るは首の紅い猫

2013-07-08 21:28:30
ももまた @Dogsclock

静かな波の音だけが繰り返し聞こえている。いつの間にか獣達も辺りも光に包まれて見えなくなっていた。残された糸の道標は細くて頼りなくて心許ない。「フフッ、心配すんな、大丈夫だ」紅い猫が腕を伝いひょいと糸の上に立ち、音もなく先へ歩いて行く。糸は後から後からピンク色に染まっていった。

2013-07-09 02:28:27
わにタン@時々ふぁぼり人 @wantanop12

@KurehaKureha23 一瞬、戸惑ったものの、頼りない糸の上を緋色の猫に続きクロコダイルも進んでいく。一歩ずつ、ゆっくりと確かな歩調で。ピンク色に染まる糸はやがてふっつりと消えてなくなり、前から暖かな風が吹いてきた。視界がぼやけたかと思うと、微かに声が聴こえてくる。

2013-07-10 01:59:26
クレハ@ @KurehaKureha23

@simotuki_1109 温かな風は潮風。潮の香りを振り撒いてクロコダイルを包んでいた。ぼやけた視界は鮮明となり視覚から様々な情報が男の脳内へと飛び込んできた。「?」見るとあの男の墓標が無い。それ所か緑もなければあんなに煩かった猫もいない。(白昼夢か…?)男は右手を見つめた。

2013-07-12 10:25:16
霜月@金組受付嬢 @simotuki_1109

@turukame__ 強くかぶりを振り視線を落とせば夢ではない。右手の小指にごちゃりと絡みつく糸。徐々に近づく大きな声に呼応をし、それは濃い桃色へと急激に色を変えていく。目線を上げた先に待ち受ける者を容易に連想させ、クロコダイルは安堵を覚えた精神を悟られないよう深く頭をおとした

2013-07-17 20:34:06
つるかめ @turukame__

@noyoru 指の根元に巻き付く糸は細い。幾重にも絡みつくそれは指輪の様に見える。クロコダイルは俯いたまま途切れた糸の端を掴んでいるだろう男に言った。「何なんだ?」鎖ですらない、頼りなく途切れた細い糸。その蟠る指元を男は掴んだ。「俺にはちゃんと、お前と繋がってるのが見えるぜ?」

2013-07-30 01:02:07
の夜 @noyoru

@Dogsclock 自分に残っているもの、今の自分に必要なもの。顔を上げると目の前には想像通り、手に切れた糸を垂らした男。立ち止まり迷いながら近づくも、最終的にはヤケクソ気味に、奪うかの如く糸の端を右手で掴めば、男は目元を隠していてもわかるくらい、大輪の花のような笑顔を浮かべた

2013-07-30 01:58:16
ももまた @Dogsclock

(……何だ?)目の前には天井。寝ていたのか。自覚した途端後頭部に轟々と酷い痛みを感じてクロコダイルは呻いた。近くで誰かが同じ様に呻いている。全身が強張って動くのさえ億劫だが起きねばと無意識に右手を動かした。動かない。というより、指に何か巻き付いて何かと繋がっている手応えだ。

2013-07-30 21:15:53
わにタン@時々ふぁぼり人 @wantanop12

@KurehaKureha23 糸のようなものが絡んでいると思っていたのだが…それは同じように呻いていた男の指だった。男がはめた薬指のピンクダイヤを覆うかのように自分の右手を掴んでいる。重なる指から伝わるその熱に、長いような短いような夢から覚めた不安定な気持ちが落ち着いてくる。

2013-08-02 22:48:01
クレハ@ @KurehaKureha23

@simotuki_1109大きな手だ。自分よりもゴツゴツとしているにもかかわらず、しなやかな長い指先。先程の夢の中での男の声が再生される。てめぇが離さないだけじゃねぇか。どこまでもしつこい野郎だ。指先から伝わる温もりを振り払うこともなく、クロコダイルは笑った。

2013-08-14 19:35:05
霜月@金組受付嬢 @simotuki_1109

@turukame__常ならば瞬時に解く指先を見つめると、手を握りしめる指先にかすかに力が込められた「なんだ、目ェ覚めてんのか?」天井を真っ直ぐ見つめたままぽつりと放った言葉に、いつになく柔らかな笑みを浮かべた男が顔を覗き込んできた。その居心地の悪い空気を誤魔化すように舌打ちする

2013-09-02 11:25:02
つるかめ @turukame__

@noyoru 「妙な夢を見た」ドフラミンゴが言う。「お前が消えたんだ。探しても何処にもいない。いやな夢だった。その上バナナワニまでお前の声で喋ってた」身に覚えのある状況だが出演者だけは自分よりマシだとクロコダイルは思った。「不安だった。このまま会えなくなるんじゃねぇかって」

2013-09-09 16:38:30
の夜 @noyoru

@Dogsclock 右手を掴んでいたドフラミンゴの手はスルリと互いの指を絡ませる形に変わり、もう片方の手で頬を撫でられる。「サー・クロコダイルは居なくて当たり前の世界だったんだぜ。…本当に堪えた」それを聞いてクロコダイルは、安堵と愛しさを隠さない男に意地悪く眉を上げてみせる。

2013-09-12 05:34:00
ももまた @Dogsclock

「もし本当に消えたらどうする?」冗談めかした言葉にビクリと驚く頬包む掌。伏せた目元を慰めに擦り付けると懐深くに強く引き込まれた。「俺は本当に欲しいもの程叶わずに失ってきた。だから今更大事なものを作ってそれを失うのがもう辛ェ、テメェは頭がいいから何が言いたいか判るだろう?」

2013-09-14 17:32:40
わにタン@時々ふぁぼり人 @wantanop12

@KurehaKureha23 「…俺のことを大事だと…そう言ってンの?」掌は髪を梳くようにして背中に廻り、強く抱き締められる。絡ませた指は二度と離さないかのように痺れる程の強さで掴まれた。「お前より先に死にはしねェよ。生きてるお前を俺の死んだ後に残しもしねェ」「……上等だ!」

2013-09-14 19:09:49
クレハ@ @KurehaKureha23

@simotuki_1109 先程までの思いつめた表情は消え去り、にへらと締まりのない顔を覗かせる男に「何だ気持ち悪ぃ」と言えば、幸せに満ちた声で明朗と「これってクロコちゃんからのプロポーズってことだよな?やべぇ俺すっげー幸せ!」少し違うのだが彼から否定する事も無かった。

2013-09-15 08:30:18
霜月@金組受付嬢 @simotuki_1109

@turukame__ 頬を手挟み啄むように何度も降り注ぐ柔らかなキスは酷く甘く、蕩けそうに満ち足りたドフラミンゴの顔を見ると、あまりのくすぐったさに瞳には薄い膜が張ってくる「なァ、ハネムーンとかって何処に行きてェ?」緩んだ顔と呑気な声で問いかける男の唇に噛みつくようにキスをした

2013-09-18 15:50:46
つるかめ @turukame__

@noyoru きつい抱擁。口を開くのも面倒なほど微睡んだ体温の中、ふと指を見る。きらめく大粒のピンクダイヤは濁ったグレーへと色を変えていた。素早く視線を転じると、懐中時計のガラスは割れ秒針もその動きを止めている。鮮やかなまま今クロコダイルの腕にあるのは、この惚けた男だけだ。

2013-09-18 16:06:28
の夜 @noyoru

@Dogsclock 「…おれの世界で、お前が極彩色に見える呪いにかかっちまった」胸につかえていたものが取れたせいか、高鳴りが隠せない。身体の内側を甘く締め付けられる心地に少しだけ後悔した。だが、もう決めたこと。クロコダイルはおずおずと抱きしめている男の背に両手を回した。

2013-09-21 10:45:17
ももまた @Dogsclock

首筋から耳元に啄むキスが昇ってきて額同士が温度を分け合う。抱き絞める力が緩み、ドフラミンゴは突然不服そうに唇を尖らせ「俺が先にしたのになァ、プロポーズ」と一言。テメェのは趣きが足りねぇンだバカ、と、眉上げて茶化すと鼻筋に皺寄せて毒づいた。まるで子供が拗ねる様なその表情が可笑しい。

2013-09-26 02:15:06
わにタン@時々ふぁぼり人 @wantanop12

@KurehaKureha23 失うかもしれないという怖れは自分を幾重もの擁護のヴェールで覆い、はずされた今も少しの怖れは消えはしない。だが、それ以上の想いが胸が充たしている。共に生きていくということは命を賭けるより覚悟のいることなのか。遠くで笑うあの男の声がしたような気がした。

2013-09-26 02:49:22
クレハ@ @KurehaKureha23

(今なら、お前の言う”家族”とやらも悪かねぇ……そう思えるぜ白ひげ)確かに感じる男の鼓動と体温。馬鹿みたいに甘くて下品な香水と一緒に香る海と太陽の匂い。五感で感じ、それらを噛み締めるとクロコダイルは目を閉じ願わくばこれが永く続く現実であるようにと静かに祈った。   END 

2013-10-06 22:43:16