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くろいつみ†ちゃんねる🧸 @kuroitumi
「全てのセックスは強姦です。 」 ――アンドレア・ドウォーキン(『インターコース』) ドゥオーキンを反ポルノ運動の教祖とすれば、マッキノンは聖パウロの位置。 ドゥオーキンがアジテートを得意とするのに対し、マッキノンは理論的に反ポルノ運動を支えた人物。
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なんでポルノが女性差別なのかは、アンドレア・ドゥオーキンが提唱した「性的モノ化(sexual objectification)」という概念を理解する必要がある。
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性的モノ化について、ネットで読める論文。 江口聡「性的モノ化と性の倫理学」(PDF) repo.kyoto-wu.ac.jp/dspace/bitstre…
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性的モノ化とは、女性を性的な欲望を満たすためのモノ(object)として扱うということを意味する。
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ポルノや美人コンテストは、女性を性的な対象・客体としてのみ扱うため、社会的にそれがやり取りされる結果、女性が人格としてでなく、性的なモノとしてとらえられるようになり、女性の社会的差別が拡大・再生産されてしまうというのが、ラディカル・フェミニストの主張。
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しかし、ラディカル・フェミニストのポルノ観はあまりにもステロタイプであり、ポルノ作品に対する正確な評価とは言いがたい。 例えば、アメリカのフェミニストで日本アニメの研究者であるネイピア女史は、次のように論じている。
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「女は単なるセックスの道具であるというステレオタイプな見方を正すように、日本のポルノグラフィー・アニメにおける女性の身体は、相反する様々な形で表現されることが多い。」
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「女性の身体は確かに、干渉されたり、暴力を加えられたり、拷問の対象として描かれることも多いが、この上なくパワフルで、本能の赴くままに描かれるシーンも存在する。」
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「最も暴力的な作品でさえ、女性の身体が能動的で、脅威的な変容を遂げる可能性を秘めたものとして表現されることが多い。」 ――スーザン・J・ネイピア(『現代日本のアニメ』)
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ネイピア女史は『淫獣学園』『聖獣伝』などの一昔前の過激なポルノ・アニメ作品を念頭において、このような評価を下している。
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最近の純愛要素の入ったエロアニメであれば、よりいっそう、モノ化とは無縁になるだろうね。
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もっといえば、江口聡の「性的モノ化と性の倫理学」の論文の中で触れられている「ワンダフルな性的モノ化」、つまり、女性を性的に対象化することによってしか描かれないが、表現としてきわめて価値の高い題材(D・H・ロレンスのような)をも禁止するべきなのか?
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もう一つは、そもそもモノ化は悪なのか、という問題がある。 例えば、ヤオイのように、女性が男性を性的客体と見るBL作品のもとでは、女性はむしろ性的な主体として、男性を自らの欲望のためにかしずかせている。 これは逆向きの性的モノ化であるといえる。
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ネイピア女史は、日本の伝統的な触手(葛飾北斎の大蛸)や仏教の終末思想の影響を指摘しながら、「変身」という日本アニメに独自のガジェットに注目し、女性の身体が解放と隷従の間を揺れ動く様を見出す。
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ナディーン・ストロッセン氏や宮台真司氏が指摘したように、ポルノを通して自己を表現するポルノ女優や女流作家もいるわけで、ポルノ=悪という構図は、あまりにも単純化が過ぎる。
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呉智英氏は「女性開放(性の開放含む)」の立場で「性表現の規制」を求めることの矛盾を指摘していたけど。
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「ポルノグラフィはポルノグラフィの製作とその使用により、世界をポルノグラフィ的世界に作り上げている。そして『女性とはどうあるべきか』『女性はどのように身らら得るべきか』『どのように扱われるべきか』についての社会的現実を作りあげる」(キャサリン・マッキノン『ポルノグラフィ』)
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しかし、前述のキャサリン・マッキノンの議論は現在、フェミニストの内部でも多くの批判を生み、ほとんど相手にされていない。 若林翼氏の『フェミニストの法』から引用しよう。
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「女性を単に性的対象としてのみ取り扱うことがあらゆるところで自明のこととして行われていれば、表現そのものを押さえつけたとしても効果がない。それは差別的表現という言葉の暴力を、新たな法という言葉の暴力で有無を言わさず押さえつけることにすぎない。」(『フェミニストの法』p.111)
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「フェミニズムは、理論の外部にある法という公権力を背景とする言葉を実践の手段とすることによって、結局は自らが批判していた表現の暴力に別の暴力を行使してしまうことになった。」(若林翼『フェミニストの法』p113)
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反ポルノ運動は、表現に対して表現で対抗せずに、国家権力に頼ったために、言語行為論に軸足を持つフェミニズムの言説を骨抜きにしてしまった。
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『ポルノグラフィ防衛論』のナディン・ストロッセンは、マッキノンに対し、権力は男性によって動かされていると主張しながら、他方で、その権力に表現規制の力を与えようとしている、と批判した。
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ナディン・ストロッセン『ポルノグラフィ防衛論』 http://t.co/YEg9P6o7au ACLUのナディン・ストロッセンはフェミニストでかつ、ポルノ擁護論者なんだよね。
くろいつみ†ちゃんねる🧸 @kuroitumi
『ポルノグラフィ防衛論』でナディン・ストロッセン女史が言うには、女性にも陵辱、レイプを妄想する性癖を持つ者は意外と多いそうだ。 (もちろん実際にはされたくない。これはマゾヒズム的視点からポルノを楽しむ男性と同じ)
くろいつみ†ちゃんねる🧸 @kuroitumi
1975年に「流されて・・・」という映画が公開されて、内容は、普段男性労働者を虐げていた女性が無人島に流されて、その労働者に主導権を握られ、殴り、犯し、暴言を吐くが、彼女はやがて欲望に溺れ、彼に愛情すら覚えるという、色々とアレな作品。
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コメント

くろいつみ†ちゃんねる🧸 @kuroitumi 2013年6月16日
ストロッセンの『ポルノグラフィ防衛論』はポルノ論争の基本文献と言って差し支えない本です。 ストロッセンは米国最大の人権団体ACLUの会長で、ポルノ擁護論の急先鋒に立っている人です。
くろいつみ†ちゃんねる🧸 @kuroitumi 2013年6月16日
アメリカのACLU(米国自由人権協会)は表現の自由を守ることを目的とする組織で、会員50万人、米国最大の人権擁護団体といわれており、いまだに会員数が増え続けています。
くろいつみ†ちゃんねる🧸 @kuroitumi 2013年6月16日
ストロッセン女史は根はフェミニストで、反ポルノ系のフェミニストは、フェミニズムにとって邪魔、というスタンス。 日本だと、上野千鶴子が『マンガ論争勃発』の中で、規制派フェミニストは少数派で、ぶっちゃけ邪魔、みたいなことを書いてる。
くろいつみ†ちゃんねる🧸 @kuroitumi 2013年6月16日
ストロッセンやACLUが調査し、『ポルノグラフィ防衛論』で書いたように、実際に、そうした職業に携わる女性からの生の声があるわけで、それを当事者でもないフェミニストがどう否定するのかという話。
くろいつみ†ちゃんねる🧸 @kuroitumi 2013年6月17日
ポルノ・アニメ作品やポルノに従事する人間の意思決定を否定するのは、意思決定主体としての人間性を否定している。
渚稜 @nagisaryou 2015年9月30日
あまりこういう動きは日本じゃ知られてませんね。「フェミニスト=表現規制派」みたいな見られ方が一般的。
moheji @mohejinosuke 2016年7月21日
読み物としてなかなか面白かったです。