140文字SSSまとめ（6/21）

ふちさき @huchi_k

↓緑黄じゃないよ緑←黄だよってなった百合？ @ktskxxx

ふちさき @huchi_k

肌理の細かい肌にすっと通った鼻筋、長い睫毛に縁取られた瞳は深緑。テーピングの剥がされた指先が、褪せた象牙の鍵盤の上で軽やかに跳ねる。それを、黄瀬はぼんやりと眺めていた。クラシックなど聴かない黄瀬には、緑間が何を弾いているのかわからない。わからないけれど、その光景を美しいと思った。

ふちさき @huchi_k

↓火氷というか氷室と火神。理屈の氷室と感性の火神。火神は「きれいだ」としか思わないけど、氷室さんは「ここの土壌はアルカリ性か」とか思っちゃう。そんな自分が好きじゃない氷室さん。 @mochi_k

ふちさき @huchi_k

ここの土壌はアルカリ性なんだねと呟くと隣で歩いていた火神が不思議そうに首を傾げた。雨に濡れて瑞々しい紫陽花の萼を指差して、赤色だからと氷室は続ける。酸性ならば青、アルカリ性ならば赤、紫陽花の特性だ。それを火神は知らなかったのだろう。へぇと驚いた様子の火神に、氷室は曖昧に微笑んだ。

ふちさき @huchi_k

↓降赤？ @oranginatakao

ふちさき @huchi_k

ふにゃりと降旗は笑う。気が抜けるような降旗のその笑い方を赤司は存外好いていた。ぎこちなくではなく、ごく自然に笑い掛けてくれるようになるまでずいぶんと時間が掛かったけれど、慣れてしまえば降旗はよく笑った。視線の高さが近いから、表情がよくわかる。征くん。名を呼んで、降旗がまた笑った。

ふちさき @huchi_k

↓高緑。 @peperoncino_k

ふちさき @huchi_k

泣く。喚く。叫ぶ。壊す。蹴る。殴る。罵る。蔑む。縋る。追う。醜い、醜いその感情の発露を、冷やかな深緑の瞳はじっと見詰めているだけだ。詰りもしなければ、宥めもしない。泣いて喚いて、当り散らして。それでも緑間はびくともしない。それが悔しくて、また高尾は泣く。緑間は高尾では揺るがない。

ふちさき @huchi_k

↓紫原と黄瀬。むっくんは黄瀬のこと「バカ」だと思ってると思うよ！ @mameshiba13

ふちさき @huchi_k

黄瀬は「バカ」だと常々紫原は思う。決して要領が悪いわけではないはずのに、どうして要点がまとめられないのだろう。動きを真似することは得意でも、考えるということがおそらく苦手なのだ。黄瀬が苦戦し続ける課題のプリントに視線を落とす。こんなの、公式を覚えれば一発なのに、何故できないのか。

ふちさき @huchi_k

↓岩ちゃんと及川さんと影山と。この3人は140文字じゃ無理だ。 @ktskxxx

ふちさき @huchi_k

岩泉は及川が「天才」ではないことを知っている。影山が「天才」と類される存在だということも知っている。影山は及川を同類だと認識していたようだけれど、それはとんでもない勘違いだ。影山が及川の背を追えば追うほどに、及川は追い詰められていく。それに影山は気付かない。気付かないその傲慢さ。

ふちさき @huchi_k

↓エレリ♀＋ちびちゃんというか、リヴァイさん♀とちびちゃん。ホットケーキ食べたい… @isaya_a

ふちさき @huchi_k

今日のおやつはホットケーキだった。エレンがおもしろがって作った某ねずみのシルエットのそれはぺろりと平らげられて、子どもの皿は空っぽだ。空になった皿を恨めし気に見詰める子どもにリヴァイは笑って、もうひとくち！とねだるその小さな口に、ナイフで切り分けたホットケーキを放り込んでやった。

ふちさき @huchi_k

↓エレリ♀＋ちびちゃんでちびちゃん（装備：雨蛙傘）とリヴァイさん♀のお迎えに行くエレンくんat玄関 @tamako_pre

ふちさき @huchi_k

ぱたぱたと雨が降っている。冬のそれとは違う肌寒さに眉を顰めて、玄関で長靴を履いている子どもに薄手のパーカーを羽織らせた。子どもの手には、黄緑色の蛙を模した傘が既に開かれた状態でスタンバっている。その気の早さに笑って、エレンも濃紺の傘を手に取った。蛇の目でお迎え、ならぬ、雨蛙の目。

ふちさき @huchi_k

↓ジャンマルってかジャンとマルコとエレンとアルミン。なんでこいつら友だちなの的凸凹コンビ×２ @oui_

ふちさき @huchi_k

ジャンは、エレンとアルミンの二人を凸凹だと称すけれど、マルコとジャンだって十分に凸凹だろうとマルコは思っている。今日も食堂では日課みたいになっているジャンとエレンの喧嘩が勃発して、マルコはアルミンと揃って溜息を吐いた。二人して苦笑する。喧嘩っ早い人間には、ストッパーが必要なのだ。

ふちさき @huchi_k

↓レンマサ＋トキヤと言い張る。

ふちさき @huchi_k

キッチンで、聖川と一ノ瀬の二人が何かやっているのをソファから眺めて、神宮寺は一人溜息を吐いた。最近、この二人が揃うと放っておかれることが多い。何時の間にそんなに仲良くなったのと問い掛けても、不思議そうに揃って首を傾げられるだけだ。並んだ二人の背中を眺めて、何度目かの溜息を吐いた。