カオス4

Lamentoと紅天を咎狗世界はトシマへ飛ばしてみたリレー
0
要(鈴木志薫) @kaname218

31.外は曇っていた。瓦礫となったコンクリートのマンション群が崩れ落ち、藍丸たちはどうやらその一角に飛ばされたらしいとわかった。「しっかし、こりゃ何て言やいいんだ…?」。人がいない。気配もない。動きもなければ、世界は二人だけしかいないような気さえする… #caos_juutai

2010-09-20 22:20:20
要(鈴木志薫) @kaname218

32.ふと、雷王が目を見はる。視界の隅で何かが蠢いたようで。「誰だ」。威嚇に低く這う声に返事はない。だが藍丸の「誰かいんなら顔見せてくれ。近くに川がねえか探してんだ」という邪気ない声に、気配が揺らいだ。もう一押しだと、藍丸が続ける。「飲み水が必要でよ」 #caos_juutai

2010-09-20 22:20:33
要(鈴木志薫) @kaname218

33.心底から紡がれる願いは人の心を動かすものらしい。建物の影から現れたのは少年の面差しが残る、青灰色の髪をした男だった。「…ここには川なんてない」、飲み水が欲しいならタグと交換すればいい。無表情で告げる彼に、藍丸はいいやつ発見とばかりに屈託なく笑んだ。 #caos_juutai

2010-09-20 22:20:40
あたる @mmokoo

34.飛び出したケイスケをナノと二人して探していたアキラは、見知らぬヤツに全開の笑顔を向けられて、反射的に一歩後ろへ身を引いた。「…川、なんてない」こんな会話。前にもしたことある。猫耳と尻尾が生えた自称猫と角と尖った尻尾のついた、自称悪魔たち… #caos_juutai

2010-09-20 14:39:30
あたる @mmokoo

35.アルビトロがすっごい喜んで捕獲しようとして、返り討ちにあっていた。 その連中もアキラに同じことを尋ねてきてた。目線が思わず二人の男たちの頭の上にいき、ヘンなオプションがないことに安堵だけはした。が、この言葉遣いやら服装は油断できない。 #caos_juutai

2010-09-20 14:40:42
あたる @mmokoo

36.目の前にいる二人の男は、どちらもが奇妙な格好をしている。 半月前、いきなり出没してきた猫と悪魔は、イグラの順位争いを根底から覆しやがった凶暴な集団は、一度みたら忘れられない格好をしている。 #caos_juutai

2010-09-20 14:42:33
あたる @mmokoo

37.しかも、その連中ときたら言動の全てが時代遅れすぎて、逆に斬新な発言をしまくってた。 ちょうど、いま目の前にいる連中のような感じだ。 格好がヘンで、発言もヘン。 #caos_juutai

2010-09-20 14:43:40
あたる @mmokoo

38.「飲み水が欲しいなら、タグと交換しろ」 じりじり距離を取りながら、努めて平静に教えはしておいた。 なにしろ、こいつ等は格好も言動も奇抜すぎる…。こんなのに構ってる暇は無い。ここで足止めを喰っている間にも、ケイスケが悪魔の手に落ちているかもしれない。 #caos_juutai

2010-09-20 14:46:25
あたる @mmokoo

39.一刻も早く見つけ出し、助けてやらなければいけない。 それなのに… 「タグ?」 な ぜ く う き を 読 ま な い !!! 首を傾げ、尋ねる仕草を見せる男にぶちっとイキそうになった。 #caos_juutai

2010-09-20 14:49:13
あたる @mmokoo

40.アキラは当初の目的だった、免罪を晴らすことも忘れ、トシマで暮らして5年が経過している。 血縁関係はないが、それよりもっと濃い血の関係がある二人を交えた三人での同居生活で、は昔よりもずっと感情は豊かになった反面、爆発するのも早くなっている。 #caos_juutai

2010-09-20 14:50:22