130623 【愛媛】片山恭一講演会「原発をやめ、愛ある日々と未来を」

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ほんのこ @shbttsy74

片山氏「そういう双方向性を持っている、とハイデガーは言っている。水力発電や火力発電に代わって原子力発電が登場する、それは技術の歴史的に見れば進歩・進化となるが、一歩間違えれば取り返しのつかない事故となる、ストレスフルな社会となる」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 14:37:52
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「仮に今の原発推進の人達が言うように、人間に害を与えないようマネジメントできるようになったとしても、そこに破壊性が待ち受けているのは、技術の本質からして逃れられない。原子力発電を選択するということは、技術的な未来、技術に拘束されるということ」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 14:39:01
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「核エネルギーを容認するとは、人間として本来持つ自由を限定・歪曲するということ。自由や主体性を奪い、縛り付けること。意見陳述で、核エネルギー容認が自分の文学性を否定すると申し上げたのは、そういうこと」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 14:40:08
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「ぼくの話を少し。宇和島の出身で、高校までいた。大学は九州に。以後ずっと福岡に住んでいる。農学部だった。理系なので、数学や理科の方が得意だった。高校までは文学とは無縁だった。大学の教養課程で国文学をとった。その先生が夏目漱石の研究者」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 14:41:45
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「それで漱石を読み始めた。次に違う人を、と。たとえば森鴎外を読むと、古い感じを受けた。『舞姫』など文語体で古風だが、『雁』は現代小説といってもいいが、古めかしい感じ。漱石の『門』『それから』に比べて前の時代の作品という感じだった」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 14:43:22
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「『雁』は明治13年の話。学生の岡田と、高利貸しの妾・お玉の恋愛話。鴎外の世界は、そういう遊女などの世界をうまく書いている。谷崎潤一郎や永井荷風もそう。たぶん実生活でもそういう世界、吉原や柳橋など、江戸時代の名残を残した世界を知っていた」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 14:45:45
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「そこで描かれるのは、既婚男性と遊女の色恋が多い。商家の旦那が遊女に惚れて…というような。近松門左衛門は、実際にあったゴシップをうまく取り入れて浄瑠璃にしていた。当時は自由な恋愛はなく、家どうしの結びつきが強い時代」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 14:47:28
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「比べて、漱石の作品の恋愛はモダン。教養のある中産階級の男女の恋愛、対等な恋愛を書いている。漱石は堅物で、そういうプロの女性の世界を知らなかったのだろう。道後温泉に入るほうが性に合っていたと思う。漱石のいう『高等遊民』の恋愛」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 14:48:40
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「そうした恋愛を、漱石はニュートラルに描こうとしている。一種の不倫関係、というのを何度も取り上げている。実際の不倫は、世間的に爪弾き、バッシングされていた。そういう関係になってしまった男女が、どう生きていくか。特に男が女をどう扱うか、の話」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 14:50:08
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「鴎外などの女性の描き方は、非常に古風。お金で仲良くなったり、お金で関係を精算したり。当時はそれが普通だったのだろう。鴎外だけがヒドいわけじゃなく、漱石のほうが先進的、モダンな問題意識を持っていたということ」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 14:51:06
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「同時代に、北村透谷がいる。20歳半ばで自殺した詩人、思想家。恋愛至上主義のはしりとされる。短い人生のわりにいろいろやっている。早稲田大学の学生。自由民権運動に参加、挫折してキリスト教の洗礼を受け、結婚」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 14:52:18
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「透谷の代表作に『厭世詩家と女性』がある。書き出しは『恋愛は人生の秘鑰なり』とある。学生時代に自由民権運動に参加し、現実的に自由や理想を追い求めた。しかし現実に敗北し、絶望した時、自分の生きる意味を改めて考え、それが女性との関係だと」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 14:54:39
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「現実の近代化の運動には失敗した。その時、自分という意識・自我の近代化を考えた。それを女性との恋愛に求めたのが、透谷の独創的なところ。漱石の影響を受けた芥川龍之介にもつながること。近代と恋愛を結びつけたのが特徴的だった」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 14:56:04
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「近代とは何か、を自己意識のレベルで考え、恋愛という答えを出した。そこには日本の特殊な事情があったろう。彼らはリスト教の影響を受けている。博愛・隣人愛という考え方が、他社との新しい関係を示してくれるものとして、惹きつけられたと思われる」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 14:57:21
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「近代とは何か、を自己意識のレベルで考え、恋愛という答えを出した。そこには日本の特殊な事情があったろう。彼らはリスト教の影響を受けている。博愛・隣人愛という考え方が、他者との新しい関係を示してくれるものとして、惹きつけられたと思われる」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 14:57:41
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「彼らはそれを『他者を公正に扱え』というメッセージとして受け取ったと思う。当時の日本では、一般的に、自由や平等が社会的に実現する可能性はほとんどなかった。そこで敗北して、唯一の活路を見出したのが、女性との恋愛だった。いかに女性を対等に扱うか」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 14:59:01
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「後発の近代国家である日本において、近代的な自我とは何かと問うた時に、黎明期の文学者はそれを女性との対等な恋愛に求めたと思う。江戸時代の因習的・制度的な男女関係と断絶したところで、純正で自然な愛情による関係が成立するかどうか」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 15:00:31
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「そういう意志はどこから来るのか。明治時代の女性の位置は、想像できないくらい弱いものだった。女性に対して強権的に振舞わず公正に扱う、ということをなぜ彼らがしたのか。義務的にではない。そうしたかったから、という以外に理由がないと思う」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 15:01:46
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「快不快で言うと、快と感じられた。それが主体的・自由であると感じられた。それは自分ひとりだけのものでなく、他者との関係の中で成り立つもの。他者を自由な存在として認めなければ、自分も自由な存在として実感できない、と」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 15:03:03
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「自分の欲望を抑制して、他者の欲望を優先させる、ということ。なぜそんなことをするのか。それによる喜び、満足度のほうが大きいから。そこが人間と動物の大きな違い。動物にとっての快不快は、餌を食べられるのが快で、飢えるのが不快、はっきりしている」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 15:04:24
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「対して人間の場合は、自分の空腹を代償にして相手の食欲を満たす。それを心地良いと感じる。人間が持つ非常に大きな可能性だと思う。『おいしい』という感覚は、関係の中で生まれる。食べた相手がニコッと笑った時に『おいしい』というのが生まれたのでは」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 15:06:08
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「未来の人達に安全な環境をプレゼントして、それでニコッと笑ってもらえることを、自分たちの快だと考えればいいのではないか。文学者たちが追求したテーマを現代に応用したら、それが言えるのではないか。ちょっと『愛ある日々』に近づきました?(笑)」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 15:08:06
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「経済成長のスローガンを掲げる人が相変わらずいるが、それで幸せになれるのだろうか。経済的に豊かになることでは、ぼくらは幸せになれない、飽き飽きしている、疲れているのではないか」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 15:10:25
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「目指しているものが間違っていないか。いま何がリアルか。たとえば原発を稼働しないと日本経済が行き詰まって…とうが、それが本当にリアルなのか。国防軍を作らないと他国が侵略する…がリアルなのか。そこにリアリティなんてない」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 15:11:25
ほんのこ @shbttsy74

片山氏「見えない所で誰かが虐げられているんじゃないか、自然や環境を損なっていないか、自分が不正・不当なことに関わっているんじゃないか、そのことの不快感・嫌悪感のほうが、ぼくらにとってのリアリティ。幸せや豊かさを実感できないのはそこが原因ではないか」 #IWJ_EHIME2

2013-06-23 15:12:27