第一回大罪大戦《負-2の狭間》【戦闘フェーズ02】

紅(ルージュ)は怠惰、スロウス[ @siroeda_sin ] 黒(ノワール)は憤怒、イラ[ @Fiteenl_sin ] 黒は旧紅強欲、グリード[ @HeNotShe_sin ] 虚(ゼロ)は傲慢、モデスト[ @pannda_sin ]
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スロウス @siroeda_sin

足元が揺らぐ、錯覚。イレギュラーが、まさかごそっと持っていくとはな。 アーチェディアは、さぞ怒っただろう。目に浮かぶ。あいつを目の敵にしていたラースは……そして、プライドは。どんな顔をするだろうか。 「……そうか」 それじゃあ、この戦いは……モデスト。 「手前ェが俺の、敵か」

2013-06-28 23:24:29
LiljaのIra @Fiteenl_sin

聞こえた名には、女は、ゆっくりと眼を伏せた。ならそうか、彼は、『強欲』は、やはり。 ——誇り高かったか。ならいい。 ——強欲は強かったか。なら、いい。 ——黒の『強欲』は、だからこそ黒なのだから、それで、いい。 ——そう思わずに、どうすればいい。『割に合わない』のは… →

2013-06-28 23:24:40
LiljaのIra @Fiteenl_sin

眼を開く。金目銀目が『敵』を見据えた。握った手は、一番に近くに居る少女には見えただろうか。 「……『小さいの』」 呼び掛ける。視線は向けず、声だけをそちらに向けた。 「紅に戻るなら向こうに行きなさい」 短く、言い切る。声の震えは押さえつけた。 ——怒りすら見えない、ただ。只管。

2013-06-28 23:24:43
虚の陣営 傲慢 モデスト @pannda_sin

その名がどれ程旧き世界を揺るがすものなのか私は知らない。 知る必要は無い。 旧き世界は消え去るのだから。 残るとすれば、私の胸に残るのみ。 向けられた明確な殺意さえ、私の胸に残る。 「とても怠惰とは思えんな。その好戦的な所は」 それにしてもいきなり紅に宣言されるとはと苦笑1つ。

2013-06-28 23:31:22
紅の強欲にしてIraのLilja @HeNotShe_sin

「……」 その名に強く敵意を燃やした二人に圧され、私の声は堰き止められた。私には、その人が大戦の発端であり、同じ座を分つものであった、という知識しかない。 紅に戻るなら、とイラは言った。戻れる。今ならその道が示されている。私は……躊躇した。 「イラ様」 握りしめられた手を見る。

2013-06-28 23:38:57
紅の強欲にしてIraのLilja @HeNotShe_sin

「在っては、いただけないのですね」 詰まる息で、そう続ける。

2013-06-28 23:47:49
LiljaのIra @Fiteenl_sin

気配が動かない。呼び掛けには、声には、眼も向けずに。 否、向けられなかっただけだ。瞬きもできないまま声だけを、返した。 「……あなたの言う『在る』が、何処にあるのか、あたしには分からない」 だが、ただ一つ、理解っている事はある。直感、確信、それは叛逆を許さない己の『罪科』が、 →

2013-06-28 23:56:41
LiljaのIra @Fiteenl_sin

「肉体なら幾らでもあげるわ。空っぽの抜け殻で良いのならね」 ——背負った罪が、 「ただ……あたしは『無我』でなければ、世界には『在』れない。それが、『座』だから」 ——囁く。嗤う。脳裏に響く。冷たい、声。 ——『強欲』を殺した大罪ならば、『無(わたし)』を満たしてくれるだろう?

2013-06-28 23:56:43
スロウス @siroeda_sin

「その原因は手前ェ等だ、クソ面倒な事を増やしやがって」 あの男が特大のイレギュラーであることは気に入らないが、それ以上に。 コイツに持っていかせる訳にはいかない。一個人としても、『座』としても。 「――お前だけは、帰さない」 手袋を破り捨てる。不退転の決意を以て、地を蹴った。

2013-06-28 23:58:00
虚の陣営 傲慢 モデスト @pannda_sin

@siroeda_sin 「面倒事か。それはすまなかったな。 怠惰と呼ばれるものが気に掛けるものがあるとは知らなくてな」 あれは確か黒の陣営だった筈だが、それだけ心を掴む男だったのだろうと納得して。 「結局3人で共闘するのだろう? 結構。判りやすくて良い」→

2013-06-29 00:03:29
虚の陣営 傲慢 モデスト @pannda_sin

@siroeda_sin 敵意はもう1人。 鋭い視線を飛ばす黒の憤怒と紅の女を視界の端に収めたまま、 地を蹴り強い意志を見せた紅の怠惰に手招きをする。 「来い」

2013-06-29 00:05:05
紅の強欲にしてIraのLilja @HeNotShe_sin

抜け殻がほしいのではない。私が欲しいものは、そんなものではない。 「……わかりました」 私には何もできない、ということが。 翼を広げ、イラの側から離れる。スロウスへと寄るわけでもなく、ただ、邪魔をせぬように。今、この場でもっとも弱く、もっとも役に立たないものが私だ。 →

2013-06-29 00:12:44
紅の強欲にしてIraのLilja @HeNotShe_sin

→「……『願いましょう』」 『念願』の力ある言葉を紡ぐ。 「『紅の勝利』を」 それは未だ運命の手中。 「『虚の敗北』を」 それは未だ運命の手中。 「『復讐の果て』を」 それは未だ運命の手中。 「叶えるための『力』を」 願いは私に力を与える。空を駆る体が幼さをなくしていく。

2013-06-29 00:13:37
スロウス @siroeda_sin

「手前ェの物差しで測ってんじゃねえぞッ!!」 その目には、もうモデストしか入っていない。敵の敵は味方、とは行くまいが、分かりやすい話だろう。 手招き、上等だ。右手を振るうのに躊躇は要らない。距離がある、関係ない。『流れ』を作り、操り、不可視の圧を以って『殴り付ける』ッ!!

2013-06-29 00:24:29
虚の陣営 傲慢 モデスト @pannda_sin

@siroeda_sin 私の記憶の中にある怠惰と比べて新鮮な驚きに包まれていた。 「同じ者は存在しないという事か。覚えておこう」 怒声を浴びせる彼に冷静に言葉を投げながら、彼の動向を窺う。 動いた右手。→

2013-06-29 00:49:58
虚の陣営 傲慢 モデスト @pannda_sin

@siroeda_sin 来い、とは言ったが、受けるとは言ってはいない。 感じる圧。だがその圧は『私』と言う手応えを感じさせないだろう。 変わる私の重力は、私を花弁の様に軽やかに変えて、ふわり。 圧に押される様に宙を体が舞った。

2013-06-29 00:50:10
LiljaのIra @Fiteenl_sin

幾つもの首飾りを引き千切るように外す。そのまま宙へ、同じく大気に巻かれて重さを失った『それ』へと、手を伸ばした。 「もう、事情がどうのとか言ってられないわね」 刹那縄へと変じた金がモデストを追う。四方八方から繭を形作るように展開し、標的を閉じ込め捕縛する為に、迫って。

2013-06-29 00:59:04
スロウス @siroeda_sin

「――あン?」 確実に捉えた、にも関わらず手応えはない。まるで、ひどく薄っぺらい何かのよう。 次の行動は、早かった。振るった右手を開き、返す。『圧』が解け、カタチを変える。……モデストへと迫る縄が、見えた。手を握る。先の拳とは違い、まるで刃のようにその首へと飛んでいく。

2013-06-29 01:04:23
虚の陣営 傲慢 モデスト @pannda_sin

@siroeda_sin 「順応が早くて小気味良い」 黒が放つ金の縄が私の周りを取り囲む。 紅の右手が形を変える。 大人しく囚われるのも楽しそうだと、絡む縄には抵抗しなかった。→

2013-06-29 01:22:58
虚の陣営 傲慢 モデスト @pannda_sin

@siroeda_sin ただし、このままのつもりは無く、一気に自重を変化させる。 突然重力を持った私の体は刃を喰らう前に地上へと落ちる。 着地と共に形を朧気に留めていた廃墟は 周囲を吹き飛ばす衝撃波と共に砕け散り、 残るのは大きな皿状の地形。→

2013-06-29 01:23:27
虚の陣営 傲慢 モデスト @pannda_sin

@siroeda_sin 金の縄に身を委ねながら、一歩引いたままの紅が無傷なら笑みのまま誘う。 「見ているだけか? 戦いたいと言う欲も、自分の手で殺したいという欲も無いのか? その罪は飾りか?」 笑みは葡萄酒の芳香の様に変わらない。

2013-06-29 01:25:51
LiljaのIra @Fiteenl_sin

——違う、風ではない、重力(おもさ)だ。 女の思考が吐き出す。仮説は観測結果に塗り替えられる。吹き飛んだ石柱、飛び交う残骸のうち向かってくるものは全て両断し足許には金を走らせ足場を作る。そのまま、幾つかの腕輪を放った。 軽い音、指を鳴らした瞬間に虚を捕らえた縄が刃を形成した。 →

2013-06-29 01:37:47
LiljaのIra @Fiteenl_sin

同時に腕輪が融けて分裂して空中に無数に浮かぶ。一人を誘う声は耳を掠めるだけ。 ——締めよ。思考すれば縄は男の身を斬り裂くはずだ。 ——突き刺せ。思考すれば浮かんだ矢に槍に剣が男の総てを貫くはずだ。 ——殺せ。その衝動に従って、刃は動くはずだ。 旋律を指揮するように、指を向けた。

2013-06-29 01:37:48
紅の強欲にしてIraのLilja @HeNotShe_sin

私は離れた石柱に降り立ち、眺めるに徹する。心がひどく冷えている。すぐ目の前で殺し合いが始まっているのに、失う恐怖も覚えない。いや、恐怖なら既に満ちきって、これ以上がないのだ。表情を失ったまま三者をじっと見守り――突然、モデストが墜ちた。常軌を逸した衝撃が私の足元までもを崩した。→

2013-06-29 01:45:05
紅の強欲にしてIraのLilja @HeNotShe_sin

→私の体は翼に風を受けながら、土煙をあげる更地にゆっくりと降下していく。一対多の状況で笑みさえ浮かべるか。 「……戦うことと、獣のように襲うことは異なりましょう」 「武器を」望めば、手の中に砲が現れる。片腕の半分ほどの大きさのそれは、先の戦いで無我を借りて作ったものに似ている。

2013-06-29 01:45:14
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