【鈴の福音、神の収穫】

大層なタイトルが以下略 狸シリーズ第3弾。何も話がすすんどりゃーせんがね!
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だいけ @daike0000

【鈴の福音、神の収穫】

2010-09-23 01:37:07
だいけ @daike0000

この街には、神の遣いも存在する。

2010-09-23 01:38:12
だいけ @daike0000

いわゆる天使、と呼ばれる類の存在だと思って貰えば分かり易いだろう。

2010-09-23 01:38:37
だいけ @daike0000

そして同時に、死神という存在もまた肯定されている。

2010-09-23 01:38:57
だいけ @daike0000

彼らの行為は、その源泉は違えど、行為としては同じモノであろう。

2010-09-23 01:39:50
だいけ @daike0000

だから、その鎌を持つ少女のその姿を目にした瞬間、ベルマークは硬直した。

2010-09-23 01:41:33
だいけ @daike0000

「何だアレ、ランクが違い過ぎる…!」

2010-09-23 01:41:55
だいけ @daike0000

それだけを呟いて、唇を噛み締めた。目の前、今にも天に召されようというケモノが1匹。ベルマークには見覚えがあった。名前は確か、

2010-09-23 01:43:34
だいけ @daike0000

「えっと、『芥山の褌狸』とかっていう、奇抜極まりない、」

2010-09-23 01:44:28
だいけ @daike0000

そんな字名で呼ばれるケモノに対して、呆然を通り越して最早哀れという感情すらも浮かばない。

2010-09-23 01:45:59
だいけ @daike0000

その時、足元を黄色い何かが走り抜けた。良く見れば、ウサギである。なおりセンセーが『黄色いウサギさん』と呼んでいたのを、ベルマークは思い出していた。

2010-09-23 01:47:16
だいけ @daike0000

そのウサギが、緑のチャイナ服を身に纏った死神に体当たりをする光景と、『褌なんとか』が青白い炎に包まれる様子を、次に見た。

2010-09-23 01:50:00
だいけ @daike0000

その瞬間、ベルマークの肩を叩くモノが在った。

2010-09-23 01:54:38
だいけ @daike0000

振り向くと、最近『児ポ』などという字名で呼ばれている笑顔が、

2010-09-23 01:56:48
だいけ @daike0000

「おぅ、2枚羽の妖精さん……じゃなくって、君、ホントは天使さんでしょ? あの狸の魂、その手で救わなくて良いの?」

2010-09-23 01:59:12
だいけ @daike0000

だから、ベルマークは心底驚いた。『総じて⑨』だなどと不当な扱いを受けたり、妖精で見えないんですよ扱いされたり、とにかく、皆の認識は氷の妖精であった筈なのだ。

2010-09-23 02:01:32
だいけ @daike0000

この街では、『自身の在り方』を他人の観測に依存するモノも多い。ベルマークもまた、そういう存在であったのだ。だから、『児ポ』の笑顔に、その言葉に、

2010-09-23 02:04:42
だいけ @daike0000

「そうか、天使だったんだ…」

2010-09-23 02:04:59
だいけ @daike0000

簡単に、乗せられた。

2010-09-23 02:05:08
だいけ @daike0000

…いや、その記述は礼を失している。故に訂正しよう。

2010-09-23 02:06:01
だいけ @daike0000

簡単に、自己の在り方を書き換えた。

2010-09-23 02:06:27
だいけ @daike0000

青の2枚翼を羽ばたかせて、ベルマークは駆ける。

2010-09-23 02:08:08
だいけ @daike0000

「その狸の命、……じゃなくって、魂、貰い受ける……っ!」

2010-09-23 02:08:28
だいけ @daike0000

――そうして、この街に1人の天使が現れた。

2010-09-23 02:11:32