無謀な挑戦「貴音の犬になりたい」
きっかけは無謀な思い付き
馬鹿丸出し
翌日、見切り発車
「今から、あなた様のことを何と呼ぶべきでしょうか」 貴音は思案顔で顎を撫でた。少し俯き加減に、ぶつぶつと繰り返し僕の呼び名について考えを絞る。暫くしてから顔を上げ、満足そうに僕を見据えた。 その異様なまでに整った美しい顔に圧倒され、僕は思わず息をのむ。
2013-07-05 20:50:23事務所の窓から差し込む町明かり。人工の光。俗世のともしびがゆらゆらと、貴音の頬を青白く浮かばせた。 「……犬、服を脱ぎなさい」 数瞬間の後、彼女の言葉に恐る恐るだが僕は従い、ワイシャツのボタンに手をかけた。彼女の声には僕を極度に麻痺させる響きが含まれていた。
2013-07-05 20:53:30横槍
しょんぼり
何事もなかったかのごとく再開
プチプチとボタンを外して、肌着と一緒に脱ぐ。ズボンのベルトに手をかけたところで、躊躇する。 視線だけを動かして、貴音の顔を盗み見た。彼女は相変わらず綺麗な顔で僕をじっと見ていた。 「手が止まってます」 「……分かってるよ」
2013-07-05 21:10:32僕は覚悟を決め、ベルトを外した。かちゃかちゃという金具の音が、妙に劣情を煽る。 ズボンをゆっくりと下ろし、下着一枚だけが残った。一つ、深く溜息をついてから、最後の一枚も脱いだ。 生まれたままの姿。身体中が火照って、特に顔と、下腹部の辺りが熱くて仕方が無い。
2013-07-05 21:12:30「犬なのだから、二足で立っているのは少し……違和感があると思いませんか?」 貴音は嘲るような口調で言った。僕は苦い気分で膝をつき、四つん這いになる。 「そう、そうですよね。犬なのだから、四足で歩かなければ」 犬―― 何という言葉だろう。
2013-07-05 21:20:28自身の奥で逆らい難い力がゆっくりと根をおろし、服従することへの渇望が湧き出してくる。 「さて、私の犬。ご主人様からのプレゼントですよ」 見ると、貴音は首輪を手に持っていた。彼女は屈んで、その首輪を僕の目の前でゆらゆらと振った。
2013-07-05 21:29:40「嬉しいですか?嬉しいですよね?ご主人様に首輪を貰えるのだから、ね?」 返事をしろ、と強要されている気がした。 「…………はい」 「犬は『はい』と言いますか?」 「……ワン」 「よろしい。ほら、顔を上げて……」 貴音の指が触れる度、ぞくぞくと身体が震えた。
2013-07-05 21:33:24そして頸に纏う革の感触。手でそっと触れてみる。 「ふふっ、可愛らしいですよ。ワンちゃん」 貴音の声が耳をくすぐった。軽い嬌声が漏れる。彼女はそれを見逃さなかった。 「あらあら、声だけでよがってしまうなんて、仕方の無い犬ですね」
2013-07-05 21:41:01耳をすませばTLの中で独り、エロSS書いてて寂しくなった
励まされ、再開