藤咲藍:ゾンビサバイバル日記帳
「わたし、結局誰かの役に立てたの?」 わたしのせいで死んだひともいた。わたしのせいで心配するひともいた。みんなやさしかった。わたしはどうだった? 武器も使えなくて、いつも足手まといで、誰かに助けられて、それなのに帰ろうとしてて、どこか納得し切れてなかったんだと思う。
2013-09-06 00:31:53こんなことを考えてもキリがないこともわかっているのに。 ふがいなくて、なさけなくて、力が欲しかった。みんな、わたしに帰れって言うけれど、帰りたくない。……時間がゆるしてくれないけれど。 「わたしは本当の朝を迎えられるの?」 白い部屋じゃない。無感動な街じゃない。ウソのない朝。
2013-09-06 00:35:37「起きようとすればいいだろ、簡単なこった」 「……!?」 後ろには、いつかとなりにいたあのおじいさんの声がした。……誰もいなかったけど。 「行けよ。お前さんは望まれた。……神さんに、人々に、俺に。」 力強い、わたしの好きなおじいさんだった。あの日の姿がうめき声がウソみたいだった。
2013-09-06 00:37:24それからいくら後ろを見ても誰もいなかったから、あきらめて上から来たヘリコプターを見上げる。お迎えだ。 「……さようなら、」 地獄のような世界で、今日も誰かがさまよっている。帰る道をさがしてる。明日は誰かが帰れるだろうか。 「……おやすみなさい」 朝が来て、わたしの前に訪れるまで。
2013-09-06 00:38:31あとがきとかあれそれ。お祝いリプありがとうございました!
当PC「藤咲藍」、これにてゾンビサバイバルより脱出します。色々と助けてくださった皆様、RPにお借りさせて頂いた皆様、本当にありがとうございました!o(^▽^)o楽しかった! 彼女はまた本編の世界に戻って、夢を彷徨います。本当の朝を探しに行くのです。その話はまたいつか!
2013-09-06 00:45:28@asn_ssk こんばんは。脱出おめでとうございます! こちらはまだまだ脱出はまだですが、新しいPCでプレイされるならばその時は改めてどうぞよろしくお願い致します!!
2013-09-06 00:47:45@lain5046 ありがとうございます!長い戦いでした。 キャラクターはまだ決めかねてますが、新しいPCでプレイする予定はありますので引き続き宜しくお願いします!
2013-09-06 00:51:27@Wak_pi ありがとうございますー!ただしまさん及びただしまさんのPCの方々には一番お世話になったと思います…! 頑張って本編を完結させます……遅筆だけれど……
2013-09-06 00:53:31藤咲藍というPCはとかくまわりのためになるように動くようにしてたんだけど、果たしてちゃんと機能してたかは不明である。 次回はもう少し自己中なPCにしたいね!
2013-09-06 01:02:46目が覚めたら、そこは窓も机もない白い部屋。ダイが「随分うなされてたな」って頭をなでる。もとの夢に、帰ってきたんだ。
「あのね、ダイ」
「ん?」
「とてもね、すてきな夢だった」
「……そっか」
ダイはうれしそうに笑った。それから、あのバタバタした毎日がウソのようにわたしは朝をさがしに無感動な街を歩く、歩く。何ごともなかったかのように、笑う。
本当の朝、目覚めた後は誰かの笑顔がいい、な。
藤咲藍:ゾンビサバイバル日記帳
--日記はここで途切れている--
おまけ:おじいさんのその後
彼はずっと一人で、杭に縛られたまま。
次PC「プラム・サリチナ」と遭遇。杭に打ち付けられたままライフルで殺害される。
ただただあるのは空腹感。基地に戻ったら仲間達は既に生ける屍と成り果てており、それに噛まれてこの有様だ。ああ、最後に食らったのは誰の肉だろう。あんなに嫌悪していた血を、今は欲しているのだ。皮肉な話だ。 名前も知らないあの優しい少女が今の俺の前に現れたあの日から俺は絶食していた。
2013-09-14 01:02:10本能でさえも戒める為に自らに打った杭は、しっかりと食いついて剥がれない。これでいいんだ。あの時少女にあんなに悲痛な顔をさせてしまった俺は、死ぬことも生きることも食らうことでさえも許されなくていい。 (ああ、でも) 死んでしまいたいと切に思わない訳ではなかった。むしろよく思った。
2013-09-14 01:05:15やはり苦しいものは苦しいのだ。少女がまだ隣に居られたことを思い出しては、苦しさは増すばかり。 だから、来訪者はちょうど良かったのだ。 「……」 見下ろす双峰は鋭く、体躯は俺よりもがっしりしている。男は怪訝な様子で俺を見下ろしていた。苦しさにもがいていた身体を止めて、その目を見る。
2013-09-14 01:09:00「……ころし、て、くれ」 振り絞って出した声は、あまりにもか細く弱々しい。男はぴくりと身動きをし、その目を俺一点に集中する。 漸くここまで来る人間が現れた。死ねるかもしれない。罪の意識くらいからは解放されるかもしれない。 「まもれ、なかっ……た、んだ」 少女を守れなかった罪の。
2013-09-14 01:13:35「くろ…い、ワンピース」 「まもっ……て、くれ」 少女が今どうしているのかは分からない。だけれどあれ程優しい子をどうして見殺しにできようか。あれ程優しく脆い子を。 「わかった」 男は頷いて、横に立て掛けてあったライフルを手に取る。最後の弾丸一発、俺の脳天を貫いて、落ちた。
2013-09-14 01:16:22「おじいさん、ごめんね。わたしのせいだよね」 聞こえる声は少女の贖罪。その罪が無実であろうと、少女は贖罪し続けていた。 「わたしはちゃんと帰れたよ」 祈るような声。しかし既に俺も少女も救われていたのだ。 「おやすみなさい」 あたたかく、あやされる。深い眠りに、落ちて。
2013-09-14 01:21:30