仏陀のことば 第3章 大いなる章 <6 サビヤ>
あなたは光輝あり、理解あり、智慧ゆたかな方です。苦しみを滅ぼした方よ。あなたはわたくしを救ってくださいました。 あなたはわたくしに疑惑のあるのを知って、わたくしの疑いをはらしてくださいました。 わたくしはあなたに敬礼します。聖者の道の奥をきわめた人よ。
2013-07-10 19:04:50心に荒みなき、太陽の末裔よ。あなたはやさしい方です。 わたくしが昔いだいていた疑問をあなたははっきりと説き明してくださいました。眼ある方よ。聖者よ。まことにあなたは<さとりを開いた人>です。あなたには、妨げの覆いがありません。
2013-07-10 19:05:23象の中の象王であり偉大な英雄であるあなたが説くときには、すべての神々は、ナーラダ、パッバタの両[神群]とともに随喜します。 尊い方よ。あなたに敬礼します。最上の人よ。あなたに敬礼します。神々を含めた全世界のうちで、あなたに比べられる人はおりません。
2013-07-10 19:06:16あなたは覚った人です。あなたは師です。あなたは悪魔の征服者です、賢者です。 あなたは煩悩の潜在的な可能力を断って、みずから[彼岸に]渡りおわり、またこの人々を渡すのです。
2013-07-10 19:06:30あなたは生存の要因を超越し、諸々の煩悩の汚れを滅ぼしておられます、あなたは獅子です。 何ものにもとらわれず、恐れおののきを捨てておられます。
2013-07-10 19:06:49そこで、遍歴の行者サビヤは尊き師(ブッダ)の両足に頭をつけて礼して、言った、 ──「すばらしいことです、譬えば倒れた者を起こすように、覆われたものを開くように、方角に迷った者に道を示すように、あるいは『眼ある人々は色やかたちを見るであろう』といって暗闇の中で灯火をかかげるように、
2013-07-10 19:08:06ゴータマさまは種々のしかたで真理を明らかにされました。 ここでわたくしはゴータマ(ブッダ)さまに帰依したてまつる。また真理と修行僧のつどいとに帰依したてまつる。わたくしは師のもとで出家したいのです。完全な戒律を受けたいのです。」
2013-07-10 19:08:30(師はいわれた)、「サビヤよ。かつて異説の徒であった者が、この教えと戒律とにおいて出家しようと望み、完全な戒律を受けようと望むならば、かれは四カ月の間別に住む。
2013-07-10 19:08:51四カ月たってから、もういいな、と思ったならば、諸々の修行僧はかれを出家させ、完全な戒律を受けさせて、修行僧となるようにさせる。しかしこの場合は、人によって(期間の)差異のあることが認められる。」
2013-07-10 19:09:07「尊いお方さま。もしもかつて異説の徒であった者が、この教えと戒律とにおいて出家しようと望み、完全な戒律を受けようと望むならば、かれは四カ月の間別に住み、四カ月たってから、もういいな、と思ったならば、諸々の修行僧がかれを出家させ、
2013-07-10 19:09:59完全な戒律を受けさせて、修行僧となるようにさせるのであるならば、わたくしは(四カ月ではなくて)、四年間別に住みましょう。 そうして四年たってから、もういいな、と思ったならば、諸々の修行僧はわたくしを出家させて、完全な戒律を受けさせて、修行僧となるようにさせてください。」
2013-07-10 19:10:22さて遍歴の行者サビヤは(直ちに)師のもとで出家し、完全な戒律を受けた。 それからまもなく、この長者サビヤは独りで他人から遠ざかり、怠ることなく精励し専心していたが、
2013-07-10 19:10:59やがて無上の清らかな行いの究極──諸々の立派な人々はそれを得るために正しく家を出て家なき状態に赴いたのであるが──を現世においてみずからさとり、証し、具現して日を送った。
2013-07-10 19:11:11「生まれることは尽きた。清らかな行いはすでに完成した。 なすべきことをなしおえた。もはや再びこのような生存を受けることはない」とさとった。 そうしてサビヤ長老は聖者の一人となった。 スッタニパータ 第3章 大いなる章 <6 サビヤ>
2013-07-10 19:12:01