海猫沢めろん先生の返金挑戦記
筒井康隆『残像に口紅を』の単行本は最後が袋とじになってて、開けずに出版社にもっていくと返金してくれるシステムだった。 ある日ぼくは古本屋の100円カートで未開封のそれを発見した。 10年以上前の本なのにすごいな…と思って購入したあと、電車の中でふと思った。
2013-07-13 13:26:29「…今から出版社に持って行ったら返金してくれるかな…」 気づいたら中央公論のある八重洲にいた。 ビルに入って受け付けの人に本を見せた。 「すいません」 「こんにちは」 「あのー、この本なんですけど、返金してくれるって書いてあるから持ってきたんですけど、お願いできますか」
2013-07-13 13:38:12海猫沢めろんさんの筒井康隆「残像に口紅を」の袋とじあいてないやつ返金挑戦記ツイッターが凄く面白い あの袋とじ、さあこれから濃厚なラブシーンが!てところで始まるようになってた覚えが(私は当時、連載時に読んでいたので単行本買ってないんだけど手に取った)
2013-07-13 15:39:42もし返金してくれたら…全国の『残像に口紅を』を集めて小金を稼ぐような不貞の輩が蔓延るかもしれぬ…先に俺が集めよう。善意で。善意だよ?
2013-07-13 13:38:38受付嬢がいぶかしげな顔を見せた。 「…少々お待ちください」 奥の方で、上司に相談しているのが見えた。 しばらく待つ。 奥をみると数人で相談しているのが見えた。 さらに待つ
2013-07-13 13:42:27やがて白髪の綺麗な女性がやってきた。 「おまたせしました。よくこんな古い本を大事にしてらっしゃいましたね」 「あ…はい」 …古本屋で買ったとは言いづらい空気になってきた。 「確かに返金してくれると書いてございますね」 「ええそうなんです」 金をくれるのか!?
2013-07-13 13:47:37「中央公論社としては返金しなくてはならないのかも知れません」 「ええ…そうですよね」 来るぞ! 「しかしですね、残念なことがございまして…」 来ないのか!? 「実はですね…弊社は中央公論新社なんです」 ??? ×中央公論社 ○中央公論新社
2013-07-13 13:52:56そうなのだ! 中央公論社は経営難で99年に中央公論新社になっていたのだ! そんなわけで、結局は返金されなかったのである。本の方はもったいなかったので袋とじをあけずに置いてある。 なのでいまだに結末を知らない。 中央公論新社のみなさん、ご迷惑おかけしました…。
2013-07-13 14:00:09@uminekozawa @yuukikuroda23 真面目にいうと新社は旧社(?)の権利と同時に義務も引き継いでいるハズですが、返金よりも貴重な経験と交流が出来て良かったですね!
2013-07-13 17:25:42