天水周一郎さん(@AmamizuQED)による「舞茸家殺人事件」
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今日は舞茸家の事件について語ろう。まるで某子供向け忍者漫画に登場しそうな、名前だが、アレは今年の五月。初夏の暑さが早々とやってきたかの様な日だった。和歌山県は雌敷市の山奥に立つ舞茸城。地元民からは「悪霊が出る城」と噂されるそこで事件は起こった。
2013-07-14 02:02:54舞茸家の一族が一人、また一人とキノコの見立てで殺されていったのだ。キノコというと、前に語った、獅子神の殺人事件があったが、今回は違った。死体自体が変形させられキノコの「形」と還元されたのである。即ち頭は鉄鎚で何度も打ちくだされ、体は鋭利な刃物で細く切り裂かれていた。
2013-07-14 02:07:07死体はまるで人間のパロディであった。犯人の目的は何か? 事件は混乱を極めた。しかしある少女の一言で僕は気づいたのだ。そう、「茸」という漢字だ、と。草冠に耳で「茸」。耳の上に髪が垂れた人間……。犯人は舞茸家の令嬢、レイコ嬢だと。
2013-07-14 02:10:57玲子が犯人であると指摘したが、その動機は恐るべきものであった。彼女はなんと舞茸家の頭首、舞茸秀雄の隠し子だったのだ。キノコの見立て……頭を割ったのは秀雄の顔が思い浮かぶのでという前例が無い動機であった。体を刃物で切ったのは秀雄に体を触られた手を切断するためだった。
2013-07-14 02:16:44最後に僕は舞茸家の時期頭首、橋介君に聞いた。彼女を愛していたのかと……。彼は舞茸城の屋上で「えぇ、愛していましたよ……」と答えた。切ない、あまりにも切なすぎる幕切れであった……。 Basileusは東ローマ帝国の統治者。彼もまた、舞茸家を統治しようと考えていたのかもしれない。
2013-07-14 02:20:41ちなみにこの事件は光田君が今執筆している。今年の冬に講談社ノベルスで発売される事が決まったらしい。 また、今まで黙っていたが、僕がかかわった事件の容疑者たちは全て仮名でつけられている。当たり前が如く、被害者、加害者、両方に配慮した結果だ。
2013-07-14 02:23:49