隠世（かくりよ）

小泉怪奇＠怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

ネットで不思議な話は無いかと、聞いていたところ。 交流のあるしじゅさんという方から、 「幼い頃に不思議な体験ならした事がありますよ。でも、もしかしたら子供の妄想だったのかも知れませんが……。」 こうメッセージがきたので、是非にと聞かせてもらった。

小泉怪奇＠怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

しじゅさんのお父さんはマタギで林業や猟などを生業としている。 時々、夜中に山奥の沢へとイワナを獲りに行く事もあり、しじゅさんもよく連れてもらっていた。

小泉怪奇＠怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

「釣るのではなく懐中電灯でイワナを探して、眠っているイワナを銛で突き刺して捕まえるんですよ。私も一緒に水に浸かって捕まえてましたね。」 「時には真っ暗闇を、何時間も車の中でポツンと待つこともありましたね。」 子供ながらに夜の山を怖いとは思わなかったそうだ。

小泉怪奇＠怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

「そんな中、奥深い森林をサニートラックの荷台に乗って流れる風景を眺めていると、ざわざわと揺れている暗い茂みの間を、ナニかが平行して走っていたり、急にナニかが伸びてきて顔かすめたり、エンジン音に混じってナニかの話声が聞こえたりもしたんですよね。」

小泉怪奇＠怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

子供の頃、そういう感覚がよくあったのだそうだ。

小泉怪奇＠怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

「一度、父にその事を話したのですが、『熊だべか？』と言われた位ですね。仕留めた獲物と一緒にトラックの荷台に乗って帰る時に天候が一瞬荒れ。何時もよりもナニかの声が騒がしくなって、その時になにか問われた気がしたのですが、どんな事を訊かれたのか記憶に無いんですよね。」

小泉怪奇＠怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

「後、光る巨大な魚の目みたいなのにも遭遇したりも……。もしかしたら子供の妄想だったかもしれないですが、怖いとかはそういうのは無くて、不思議な感じだったんですよね。」 しじゅさんは懐かしそうに子供の頃に体験した話を終えた。

小泉怪奇＠怪談を蒐めるヒト @kaikinotane

子供の感覚というのは大人には見ることが事が出来ない、不思議なモノ達がいる別の世界を感じることが出来るのではないのであろうか。 幼い頃、しじゅさんが体験したのもそういった類だったのではないのだろうか。