『朝日新聞』「プロメテウスの罠」第33シリーズ「原発城下町」第2回 「まるで作業員狩り」より

2013年7月20日『朝日新聞』朝刊の記事を引用して、感想と考察を加えました。 原発地元の皆さん。次の災害があなたの住む地域で起きたら。これがあなた方の家族、親族の未来の姿かも知れません。
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宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

0『朝日新聞』「プロメテウスの罠」第33シリーズ「原発城下町」 第2回 「まるで作業員狩り」より (前回に引き続き、大熊町で塾講師をしていて被災した、木幡ますみさんの体験として書かれている。前略)

2013-07-20 19:53:23
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

1 3月14日、ますみは家族と共に、30キロ離れた田村市の総合体育館に避難した。2千人くらいがひしめいていた。ほとんどが大熊町民だった。原発作業員も多かった。

2013-07-20 19:54:03
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

2  体育館での避難にいらだつ人が多かった。赤ちゃんの泣き声に、誰かが「黙らせろ!」と怒鳴る。  近くにいた年配の女性が、戦争中とおんなじだ、とつぶやいた。  「あん時も防空壕で怒鳴る人がいた。泣く赤子の口を塞いだんだあ」

2013-07-20 19:54:38
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

3 体育館に避難して間もなく、作業服を着た中年男の3人連れがやってきた。 作業服の色は濃いベージュ。そのうちの1人が、体育館の1階にいたますみに尋ねた。  「○○という男はいますか」 知らない名前だった。  「体育館の入り口に掲示板があります。そこに貼ったらどうですか」と答えた。

2013-07-20 19:55:32
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

4  男たちはますみを無視し、体育館の2階にずんずん上っていった。不審に思ったますみは、後をついていった。  2階では原発から逃げてきた若い作業員たちが隠れるようにして毛布をかぶっていた。その毛布を男たちが一人ひとりめくっていく。

2013-07-20 19:56:03
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

5  ますみは思わず「荒いことすんなよう!」と声をあげた。しかし彼らはやめない。  逃げ出した作業員を見つけると、男たちは現場に戻るよう説得した。男たちが去った後、作業員の妻が「行っちゃだめだ」と夫に泣きながら訴えていた。

2013-07-20 19:57:01
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

6  「まるで作業員狩りだな」。周りからそんな声がもれた。(渡辺周) 以上引用終了。

2013-07-20 19:57:22
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

7 つぶやき主の感想と考察 これが「福島50」と呼ばれた人たちの実像なのか・・・。せっかく避難したのに、避難所の体育館で無理やりに捜索されて、妻の懇願もむなしく、作業に入っていく。「軍隊がないから」とか、「他にできる人がいないから」とかいう理由で、納得できるものではない。

2013-07-20 20:01:02
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

8 私は「作業員狩り」と言うより、軍隊の徴用を想起した。原発作業にどんな強制力が働いているのかは、具体的に表現しづらいが。あえて言葉にするなら「恐怖」なんだろうか。断ったら、何をされるかわからない恐怖。避難先まで探しに来て、毛布を引き剥がす行為をする人たちへの、恐怖。

2013-07-20 20:05:01
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

9 ところで、今回の話の舞台となっている、田村市総合体育館といえば、2011年3月13日に「NHKのど自慢」の生中継が行われる予定で、ある程度の装飾を残したまま避難所になった場所として、NHKでも何度か画面に出している。

2013-07-20 20:08:40
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

10 その後、体育館から避難民を追い出して、のど自慢が開催されました。 歌おう!東北のど自慢 「第1回 ~福島県 田村市~」 http://t.co/p0LYLysbhj  出場者の中には、この体育館に避難していた本人はいません。親戚がここに避難していた人はいますが。

2013-07-20 20:13:12
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

11 2011年6月の段階で、出場者が「はやく復興して」と言っていますが、それがこの時期も通して一貫している福島県内の「空気」です。

2013-07-20 20:19:09
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

12 昨日の記事の、原発作業員の具体的状況もこれまでよくわかっていなかったことでした。今日の記事の、事故発生後の原発作業員の確保の状況も、初めて描かれたことだと思います。こうして集められた作業員のおかげで、事故はこの程度で済んでいる事も、悲しいけれど事実です。

2013-07-20 20:26:17
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

13 では、避難先で「発見」されて、現場に引き戻された作業員は、「英雄」なのでしょうか?私は、作業員もまた、被害者であると考えています。放射性物質の害を、一般の人よりも詳しく知っていて、一度は避難したのに、「収束作業」に引き戻されてしまった人たち。この人たちは「被害者」でしょう。

2013-07-20 20:28:41
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

14 原発がもし、事故を起こしたら。現状の日本では、こうなってしまうのです。作業員でもある地元住民には、被曝を避けるための避難さえも困難になるのです。再稼動の準備に入った今でも、「過酷事故時に誰が被曝作業をするのか」という点は明文化されていません。

2013-07-20 20:31:23
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

15 事故が起きたときには、誰が責任を取るのか?誰が被曝覚悟で事故に対応するのか?それがわからない「事故対応」の基準など、東電原発事故前と何も変わらない机上の空論、安全神話の延長戦に過ぎません。

2013-07-20 20:33:06