『朝日新聞』「プロメテウスの罠」第33シリーズ「原発城下町」第1回 「先生、逃げろ!」より
- karitoshi2011
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0『朝日新聞』「プロメテウスの罠」第33シリーズ「原発城下町」第1回 「先生、逃げろ!」より (前略 引用文の前で、塾教師の木幡ますみと、その夫で大熊町議会議員だった木幡仁のことが書かれている。) 午後3時半ごろだった。 役場近くのコンビニに行くと、異様な光景に出くわした。
2013-07-19 23:43:121『朝日新聞』「プロメテウスの罠」第33シリーズ「原発城下町」第1回 「先生、逃げろ!」より (呟き人註 大熊町のコンビニは国道6号沿いとその西側にある。役場近くというと、セブンイレブンとファミリーマートのどちらかだが、どちらも原発からは2キロ以上離れている。)
2013-07-19 23:43:582『朝日新聞』「プロメテウスの罠」「原発城下町」第1回 「先生、逃げろ!」より 第一原発の方向からざわざわと、作業員の制服を着た人たちが早足で歩いてくる。制服の色は企業ごとにまちまちだったが、頭髪のせいか全体的に黒っぽく見えた。 「アリの大群のようだ。」ますみはそう思った。
2013-07-19 23:44:543『朝日新聞』「プロメテウスの罠」「原発城下町」第1回 「先生、逃げろ!」より その大群が、続々とコンビニに入っていく。停電してレジが使えず、店員が電卓で計算していた。それを尻目に、商品をてんでに持ち去っていく。
2013-07-19 23:45:494『朝日新聞』「プロメテウスの罠」「原発城下町」第1回 「先生、逃げろ!」より 「あれ、お父さん、みんな勝手に持って行っちゃうよ!」 ますみは仁に叫んだ。 作業員の中にますみの塾の教え子が何人かいた。 「どうしたの?何があったの?」
2013-07-19 23:46:445『朝日新聞』「プロメテウスの罠」「原発城下町」第1回 「先生、逃げろ!」より 一人が叫んだ。 「先生、逃げろ!ここはもう駄目だ。配管がムチャクチャだ」 まだ津波が来る前だ。それでも彼らは原発から逃げはじめていた。
2013-07-19 23:47:516『朝日新聞』「プロメテウスの罠」「原発城下町」第1回 「先生、逃げろ!」より 当時、第一原発で働く大熊町民は、人口の1割。約1100人いた。(渡部周)以上、引用終了。
2013-07-19 23:48:417 呟き主による感想と考察 原発から、作業員が押し寄せたコンビニまでは、2キロ以上、早足で歩いても10分以上はかかる。地震発生直後に移動を開始しないと、コンビニに到達できない。 したがって、この記事によると、作業員たちは地震直後に避難を開始しないと、辻褄が合わないことになる。
2013-07-19 23:52:038 作業員の避難に関するこれまでの情報だと、原発作業員たちは最初、通常通りの手順を踏んで構外に出ようとしたが、次第に何のチェックも無しに構外に出て行ったという。放射性物質に関する最低限の教育を受けている彼らが、汚染に注意を払わずに外にでたとすれば、相当の事が起きていたのだ。
2013-07-19 23:55:509 これまで、原発作業員が、原発建屋の外に出た後、いつ、どのようにして避難行動を開始したのか、報告も報道も為されてこなかった。不思議なことに、福島県も国も、その部分を省略して「調査」してきた。
2013-07-19 23:58:3010 一方、私のところには直接間接に、「原発作業員とその家族は、かなり早い時間、11日15時頃に避難を開始していた」という情報が入ってきていた。津波の到達時刻と避難開始時刻がかみ合わず、私はずっと疑問に思ってきた。
2013-07-20 00:00:2311 もし、地震で原発配管に深刻なダメージが発生し、それを作業員たちが目撃していたとしたら、疑問は解ける。作業員の誰の眼にも明らかな深刻なダメージが、地震によって原発のシステムに発生していたと考えれば、15時頃の避難開始が自然なのだ。
2013-07-20 00:02:5612 では、東電福島第一原発の当事者は、配管の破局を隠していたのか、というと、私は違うと思う。配管が破断しようが無事であろうが、炉心を冷却するのが最優先である事は間違いないのだ。問題があるとすれば、「周辺の住民の避難を最優先に考えなければならない担当者」がそもそも存在しない事だ。
2013-07-20 00:06:1713 東電の現場にしてみれば、目前の破局を何とか収める事で精一杯。 東電本社は、自社の経営と資産を守る事で精一杯。 監督官庁は、住民の安全ではなくプラントの保全を考える事で精一杯なのだ。 政府中枢や防衛省は、地震と津波への対応で、阪神淡路大震災の失態も記憶にあっただろう。
2013-07-20 00:11:3014 もし、炉心のコントロールを失敗し、チェルノブイリ原発事故のような水蒸気爆発が起きてしまえば、配管の破損を修復できても役に立たなかったのだ。その意味で、炉心の制御に全力を注いだことは、部分的には正しい。しかし、周辺住民への配慮が、全くないのだ。
2013-07-20 00:14:3915 既に確認する方法もないのだが、原発事故発生からしばらくして、原発敷地外の状況を知った吉田所長(当時)が、半径50キロ以内の住民が全員避難したのではないと知ったときに、驚いた、という報道があった。事故が、津波よりも先に、地震による配管の破損から始まったとすると、うなずける。
2013-07-20 00:17:5316 今日の記事で、明らかになったことは、「原発事故の原因調査」も「事故からの避難の状況の確認」も、まだまだ始まってさえもいない、ということだ。事故の状況がわからないのに、事故の再発防止ができるはずがない。「これで再発防止ができます」という話は、ありえないのだ。
2013-07-20 00:20:18