非常勤講師の三重苦＝奨学金ローン地獄・高学歴ワーキングプア・人間破壊と生命の危機｜松村比奈子氏

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日本の奨学金は授業料しか出ませんから生活費は自分でやってね、ということが当たり前になっている。そして親がサポートできなければ自分で稼ぐしかないので、アルバイトをして疲れ果てて、授業が思うように進まないということになっていく http://t.co/gQEhHHBkOp

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日本の奨学金制度は、たとえ借金であっても、その理念ですら不十分なわけです。もし本当に学業を身につけさせたいなら、生活費込みで奨学金を考えるべきです。それくらい国が責務を感じてくれないと、国民教育はできないのではないか。 http://t.co/gQEhHHBkOp

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形だけ日の丸とか君が代で国民化しようとしてもダメです。国が教育や生活の面倒を見てくれて初めて人は「我が国はすばらしい」と思う。別に日の丸や君が代を強要されなくても「日本のために貢献しよう」と思うものなのです。 http://t.co/gQEhHHBkOp

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教える側もワーキングプアの国というのは北欧では考えられない。私達は非常勤だからというだけではなく教員として教えることが好きだから学生には喜んで教えています。そうすると学生に「将来は先生のようになりたい」と言われることがある http://t.co/gQEhHHBkOp

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だけど当の私たちがワーキングプアなわけです。学生に「私たちみたいに優秀なワーキングプアになりなさい」とはとても言えません。学生が尊敬する相手がワーキングプアでしかないというこの国の矛盾を国家はもっと考えるべきだと思います http://t.co/gQEhHHBkOp

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自分の足下に不安を抱えながら必死に教えている先生を見本に育つ学生、その将来も結局ワーキングプアでしかないわけですからね。それは日本という国の大きな問題だと思いますね。 http://t.co/gQEhHHBkOp

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今、若者全体に非正規雇用が広がっていますが、非常勤講師の抱える問題と同じで、いつまでもキャリアを積ませないと、「どうせ俺なんか」という人間が増えていきます。 http://t.co/gQEhHHBkOp

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「どうせ俺なんか」という人は自分を大切にできないと同時に他人も大切にできないので、他人が落ちたら「ざまあみろ」というような人が増えることになる。そうすると誰かが困っていても誰も助けない。 http://t.co/gQEhHHBkOp

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犯罪がまん延し、社会全体の連帯が壊れていくと思います。だから、どんな業界であっても非正規雇用を増やすことは良くないと思います。非正規雇用は人間自体を破壊していくのです。 http://t.co/gQEhHHBkOp

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正規と非正規が連帯する必要がある。その時に初めて共通の敵が見えてくるはずです。差別構造をつくって漁父の利を得ているのは誰のなのか？　という共通認識が必要です。 http://t.co/gQEhHHBkOp

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「ＡさんがＢさんを差別するのは良くない」という分かりやすい構図ではなく、２つの階級に対して、別の第三者が「Ａは優遇するけどＢは差別する」ということによって差別構造が維持される。 http://t.co/gQEhHHBkOp

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第三者に優遇された場合、優遇されている側は嬉しいので文句を言わず、逆に積極的にＢをいじめるようになります。するとＢは差別されているからＡに憎しみを持つけど、第三者に対する憎しみはＡへの憎しみに吸収されてしまう。 http://t.co/gQEhHHBkOp

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経営者が正規と非正規を作り分断することによって正規と非正規がいがみ合い経営者が漁夫の利を得るという構図。このことが差別が固定化する原因になる。これを取っ払うためには専任教員と非常勤講師が、正規と非正規が連帯する必要がある http://t.co/gQEhHHBkOp

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たとえば、今、ますます広がっている奨学金ローン地獄の問題もいちばんの大元は国がカネを出さないことが原因です。先ほど紹介したＯＥＣＤ30カ国の中で４年連続最下位の教育への異常に低い公的支出に根本問題があるわけです。 http://t.co/gQEhHHBkOp

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学生と教員はもちろん大学関係者全員で「国はもっとカネを出せ！」と一致団結すべき時です。「そもそもの根源はカネを出さない国が悪い！」というところで一致していけば、みんなで連帯して改善要求を進めることができる http://t.co/gQEhHHBkOp

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◆家族のセーフティーネットもなく生命の危機にさらされる非常勤講師◆非常勤講師は実は何十年も前から悲惨だったのですが、なぜそれが大きな問題にならなかったかというと、昔の非常勤講師はほとんどが女性だったからです。 http://t.co/gQEhHHBkOp

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日本社会には「女性の経済問題は結婚で解消しろ」という暗黙の強要があった。だけど男性の経済問題は就職でしか解決できない。だから昔は非常勤の男性と女性がいたら男性から専任教員にするということで男性が先に採用されることが多かった http://t.co/gQEhHHBkOp

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そして女性が非常勤に残されて女性は不満ですけれど結婚すれば生命の危機までは追い込まれないので、長い間温存されてきたわけです。ところが男性がそのような状況に置かれると、結婚もできませんし家族のセーフティーネットもありません。 http://t.co/gQEhHHBkOp

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そこにきて給料が異常に低い。そうなると生命の危機にさらされる。それがここ数年深刻になってきたので非常勤講師問題をメディアが取り上げるようになった。男性の非常勤講師の増加で事態の深刻さが分かりやすくなっているということです。 http://t.co/gQEhHHBkOp

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自分が病気で働けなくなったら、もう明日はのたれ死にという人たちが増えてきています。非常勤講師で家族がいなくて病気になってしまったら現実の問題として生存が危うくなる。これはやはり何とかしなければいけないと思います。 http://t.co/gQEhHHBkOp

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これは政治の問題なので、政治を動かさないといけない。民主主義社会においては政治はどうしても「数」ですから、数をまとめるしかありません。だからこそ今、専任教員と非常勤講師が一緒に連帯してたたかうべきです。 http://t.co/gQEhHHBkOp

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そして学生も巻き込んで、貧困の再生産を止めていかなければなりません。大学こそ知性のある人たちの集団なのだから、大学人こそが情報発信し、正義を発信し、連帯を広げていかなければと思います。 http://t.co/gQEhHHBkOp

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松村比奈子氏インタビューの全文は、『国公労調査調査時報』８月号（608号）に掲載 しています。 http://t.co/oHDi9H4Cck ネット動画は▼早稲田大学を刑事告発！非常勤講師と驚愕の「偽装選挙」：松村比奈子インタビュー① http://t.co/TwZbfozckq

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▼平均年収306万円！非常勤講師の耐えられない格差：松村比奈子インタビュー② http://t.co/45gGq9Y1Pl ▼非常勤講師問題から見えるもの 自立した国民をつくる教育とは：松村比奈子インタビュー③ http://t.co/ewTxO4xzAM

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