悪夢の病院

とある静岡の精神病棟でのお話。貴方は生き残れるか。
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😺 @kanibarizumu893

@grigio_yuki721 】善人:悠祈 子供をあやしていたお姉さん。淡い水色の目をしている。心優しき病棟の患者。日の光にあたれない病気にかかってるらしく夜に散歩をしていたところ凜風を保護。泣きじゃくる凜風をあやしていたところ二人と出会う。

2013-08-03 19:51:27
😺 @kanibarizumu893

@rogijya 】その他:凜風 二卵性双子の女の子の片割れ。病院の患者。入れ替わりごっこをして大人たちを騙していたらどちらが自分達でさえもどちらがどちらなのか分からなくなってしまった患者。夜に眠れず歩いていると、はぐれてしまったところを悠祈に保護されていたらしい。

2013-08-03 19:51:35
😺 @kanibarizumu893

右鬼と翠凜は安全な人と分かり声をかけた「あの…大丈夫ですか?」悠祈は一瞬驚いた顔をしたものの直ぐに柔らかく微笑み返す「えぇ…その…この子がお姉さんとはぐれてしまったらしく…」そう言うと双子の片割れはよりいっそう大きな声で泣く。「そんなに泣いたら死んでしまいますよ!」

2013-08-03 19:51:50
😺 @kanibarizumu893

悠祈が問う「死んでしまう?どういう事ですか?」右鬼は事の経緯を話す。悠祈は黙って聞いてくれた。その間に翠凜が凜風をあやす。凜風は翠凜が気に入ったのか離れようとしない。ちらりと双子の片割れを見る。まだ幼く小さい女の子だ。お姉さんを探してあげたいのは山々だが、今は命がかかっているのだ

2013-08-03 19:51:59
😺 @kanibarizumu893

ここは悠祈に頼んで双子を会わせて貰おうと思ったのだが、双子が居る病棟と悠祈の居る病棟は別らしく行けないと言う。右鬼がどうしようかと試案しているとふいに後ろからガサガサっと足音が聞こえた。はっとして振り向く。するとそこにはスキンヘッドの学生が立っていたのだ。

2013-08-03 19:52:08
😺 @kanibarizumu893

善人:望月和宏 バスケットボール部所属。バスケ部員と共に胆試しに来ていたのだが迷ってしまいこの場所にたどり着いた。高校生らしいが何故かスキンヘッドだ。

2013-08-03 19:52:26
😺 @kanibarizumu893

「あっと…その…ここの病院の方っすか?」望月はどこか安心したように言う。道に迷ったという経緯を話してくれた。そこでようやくまだぐずっている凜風に気がついた。「…?!その子…!さっき見た…あれ??」どうやら望月はここに来る途中に凜風の姉と出会ったようだ。

2013-08-03 19:52:37
😺 @kanibarizumu893

右鬼と翠凜そして望月と凜風の四人は共に行動をすることになった。悠祈とはここで離れることとなる。とりあえず望月の通った道をそのままぎゃくに戻ることになった。幸いにもその道は翠凜の言う秘密の抜け道にも近いらしい。このまま何事もなく帰ることが出来ればいいのだけど…

2013-08-03 19:52:46
😺 @kanibarizumu893

四人で暗闇を歩く。先頭は望月、続いて右鬼、そして翠凜と凜風だ。望月にはさっきの天宮のことを話した。しかし様子から察するにあまり信じてくれてはいないようだ。「確か…ここら辺に居たんだけどなぁ…」そう言って辺りを見渡す。どうやらここいらで凜風のお姉さんに出会ったようだ。

2013-08-03 19:53:03
😺 @kanibarizumu893

すると、奥の林から誰かがこちらに歩いてくるのが見えた。あわてて身をかくそうとするが、望月は隠れようとしない。林から出てきたのは眼鏡をかけた女性だった。こんな季節だというのにしっかりと大きめのコートを着ている。女性の表情は何処か焦点が合っていないようで、不気味だった。

2013-08-03 19:53:48
😺 @kanibarizumu893

女性はゆっくりと望月に近づく。望月も怯まない。そして次の瞬間。女性が信じられないスピードで望月の顔を撫でたかと思うとそこから血が吹き出した。女性の手にはいつのまにか手術用のメスが握られてるではないか!女性は間髪入れずに更に攻撃を重ねる。その目はギラギラとしており人間のそれではない

2013-08-03 19:53:52
😺 @kanibarizumu893

@da_chooo 】駄鳥:悪役 最愛の兄が目の前で自殺したことがショックで病棟入り。冬の寒い日のことでその事を思い出さないように夏場でも酷く着込んでいる。メスは医者を目指していた兄の形見。男の人を精神不安定状態で見ると兄のように見え、引き留めようとして傷つける。

2013-08-03 19:54:03
😺 @kanibarizumu893

望月は頬から垂れる血を拭おうともせず女性の腕を掴む。メスを奪うための攻防戦。右鬼たちも物陰から出てきて女性を押さえつける。ようやくメスを奪ったとほっとした次の瞬間。 「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア?!」女性がけたたましい声で叫んだ

2013-08-03 19:54:15
😺 @kanibarizumu893

叫んだ、というよりも吼えた。という方が正しいだろうか。女性は絶え間なく奇声を発する。「コイツっ!」望月が口を塞ごうと試みるも指をも噛みちぎる勢いだ。チリチリと右鬼に嫌な予感がするのがわかった。そして悪夢はやって来る。

2013-08-03 19:54:22
😺 @kanibarizumu893

「翠凜ちゃん みぃーつけたぁ…」

2013-08-03 19:54:27
😺 @kanibarizumu893

パンッと何かが弾けた音。そして鮮やかな血飛沫。翠凜の頭は跡形もなく消え去っていた。続いて凜風の絶叫。天宮の楽しそうな笑い声 「キャハァハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ

2013-08-03 19:54:43
😺 @kanibarizumu893

その事に気をとられた隙に駄鳥は望月からスルリと抜けてコートの下から別のメスを取り出した。思いっきり振りかぶり、そして、降り下ろす。ドスっという鈍い音。望月はゆっくりとたおれこんだ。天宮と一瞬だけ目が合う。逃げなきゃ…ニゲナイト…でも体が動かない。するとそこに少女が訪れる

2013-08-03 19:54:52
😺 @kanibarizumu893

凜風が叫ぶ「お姉ちゃん!!!」最悪のタイミングだった。凜風の指差す先には確かにそっくりな可愛らしい双子の片割れが居た。凜風は今までのことなんか何もなかったかのように姉の元へと走る。そしてそれは天宮のかっこうの的となる。今しかないと思った。私が助かるには今しかない。地面を蹴りあげた

2013-08-03 19:55:00
😺 @kanibarizumu893

パンッパンッっという乾いた音が二発。背後に聞こえた。しかし、振り替えることもせずに逃げる。走る。走る。走る。走る走る走る走る走る走る走る走る。足が縺れる、でも走る。悪夢から逃げるために。私はあのこたちを見捨てた。罪悪感と生への執着に苛まれながらも走る。走って走って走った。

2013-08-03 19:55:06
😺 @kanibarizumu893

なんだ…私はまだ走れるじゃないか…!現役時代を遥かに越えるスピードで右鬼は今走っていた。無我夢中で走り抜け、フェンスに突き当たる。そこでようやく足をとめた。息を整える。よくよくフェンスを見るとそこには人が一人。入れるか入れないか程のほつれがあった。

2013-08-03 19:55:17
😺 @kanibarizumu893

「あ、ははは…あはははははははは!」逃げ出せる。勝ったんだ!私は!この悪夢から!勝ったんだ!!! 勝利を確信した右鬼は体を屈めフェンスに手をかけた。右鬼はその時、助かったという高揚感で回りが見えてなかったのだ。そう。忍び寄る影がわからなかったのだ。

2013-08-03 19:55:25
😺 @kanibarizumu893

ドスっと背中に鈍い感覚。そして傷み。背中が痛む。ゆっくりと後ろを振り向く。そこには見知らぬ女が立っていた。血がどろどろと背中を垂れるのがわかる。嗚呼、もっと…走りたかったのに…。 右鬼の意識はそこで途絶えた。 悪夢はまだ、覚めぬまま。

2013-08-03 19:55:36
😺 @kanibarizumu893

@hkar_blue 】悪役:おぐら 元リストカッター。何かを切っていないと落ち着かない病気にかかっている。草刈り用の鎌を持ち歩き雑草なんかを昼間は刈っている。たまたま夜の草刈りをしようとすると右鬼に遭遇。整理した場所を荒らされているように見えたのだ。

2013-08-03 19:55:46
😺 @kanibarizumu893

《エピローグ》 間に合わなかったか…そこには凄惨な遺体がいくつも横たわっていた。また…俺は間に合わなかった…。そう呟くのは白衣の医者。次こそ…必ず…

2013-08-03 19:55:49