母も正気を失い、自信も変り種だと、言われ、ただ着飾ることをそのまま受け入れ、血を見、興奮するかわりにずっと日陰で生きてきた紅覇。自分は着飾りきらきらしているけど、それは外見で中身はぜんぜんきらきらじゃない。日陰で生きていた紅覇。半分しか血の繋がらない兄をぼんやりと見ていた。
2013-08-04 23:54:05そんな紅覇に兄たちは近づいた。僕のことを気持ち悪いと思わないのと聞けば、何故と二人顔を見合わせ首をかしげる。血を見ることが大好きなの。興奮するの。そう答えても、それの何が不気味なのかと不思議そうな顔をする二人。
2013-08-04 23:56:06変わり者だというなら紅明も負けていないな。書庫に入り浸り、出てきたと思えば毛虫になっている。兄上こそ、いつもぼんやりとした顔をしていると思えば興味のあることになると途端に恐ろしい顔つきになりますよ。半分しか血の繋がらない兄は笑っていた。
2013-08-05 00:01:21僕は半分しか血が繋がってない、僕は兄上方とは別の存在だから、みんな気持ち悪いって言う。そんなことを紅覇が言えば、兄二人は何を言っているんだといわんばかりの顔で血が繋がっているなら兄弟だろう。どこか別の存在だと思っていた兄たちは自分を同じ存在だと思っていてくれたことに驚く紅覇
2013-08-05 00:05:15そして兄は紅覇に問う。このままで良いのか、と。現状にとどまるのなら、それは楽なことだろう、と。でも、もしお前が俺たちのいる場所へ来たいというのなら、もっと胸をはって生きろ。戦え。お前は俺の、俺たちの弟なのだから、それを誇りに思ってくれるのならば顔を上げろ。
2013-08-05 00:10:06そして紅覇は戦うことを選び、胸を張って兄達の隣に並べる存在になる。兄がいたから肩書きに恥じないように生きれるようになった紅覇。やがて自分は兄たちにもらってばっかりだから、何か返したいと思うようになる。それを二人に告げれば頭を撫でられた。
2013-08-05 00:15:45そう思ってくれるのなら、今度はそれを誰かに返しなさい。それを受け止めた紅覇は、なら炎兄、明兄、しっかり見ててね、僕が誰かに返すところ。沢山沢山返すからね。それが僕のありがとうってことだからね! ………という妄想を180夜からずっとしてた
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