悪夢の病院二夜目

😺 @kanibarizumu893

【 @kashio5pare 】善人：かしお 豆腐が逃げ込んだ先の病室にたまたま居た女性。もう何年もこの病院にいる。かしおもまた、足が腐っていくという病にかかっており、この病院でなんとか症状の進行を抑えている。

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かしおから渡されたのは手のひらに収まる程度の小型のスプレー「催涙スプレーよ。この勢いだと扉が壊されるのも時間の問題だから、開いたら直ぐにスプレーを吹き掛けるの。じゃないと殺されるわ」ガチャガチャガチャという音がガンッガンッという音に代わった。ハンマーで扉を壊しにかかっているらしい

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ガンッガンッガンッガンッガンッハンマーの音が続く。はりつめる緊張感。そしてついに、ガシャンと言う音がして扉が壊された。ハンマーを降りかぶらせる前にスプレーを一気に噴射した。「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア？？！」和葉はたおれこみのたうち回る。

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その隙にかしおが何かの注射をさした。すると和葉は眠るように大人しくなった。豆腐は危機を乗り越えた安心感で床にへたりこんだ。それと共にかしおに助けてくれた礼を言う「あの…ありがとうございました…助けてくださって」「いいのよ、気にしないで、私だって一人だったら死んでたもの」

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「でも、もとはと言えば私がこの部屋に入らなかったらこんなことには…」「いいのよ、そういうのいいっこ無しにしましょ？この病院だもの、たまにはこういうことあるわよ…それでも私にはこの病院が…必要だから…」「どういう…意味ですか？」かしおは少し言うか言わないか迷って口を開いた。

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「私ね、足がどんどん腐っていく病気にかかってるの。他の病院に行ってもいっこうに良くなる兆しは見えなかったわ。でもね、この病院に入院してから、病状の進行がぴったり止まったの。不思議よね？それからもう7年くらいたつかしら？私はこの病院を脱け出せないで居るわ」

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二人は暫くそんな話をした。豆腐は再びかしおに礼を言い、部屋を後にした。杖を使って歩きながらしおんとの約束を思い出す。ナースを探さないといけない。でもナースがどこにいるかの検討もつかなかった。もう部屋に戻ろうか、そう思って階段にさしかかったとき音楽が聞こえる。一階からのようだ

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豆腐は覚悟を決め一階に降りた。すると一階の廊下の一室からぼんやりとした光と音楽が聞こえる。確かこの曲は…白鳥の湖？豆腐は扉に近づいた。《リハビリテーション》と書いてある。扉の隙間から中を覗きこむ。中ではバレリーナの女性が軽やかに踊っていた。

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音楽に合わせてくるくる回り、腕を軽やかに上げる。その表情は真剣そのもの。 こんなに遅くまで練習しているなんて…すごいなぁ… 豆腐はリハビリテーションにナースが居ないことを確認すると特に声もかけずそのまま部屋に戻ろうとした。その時だった。

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扉の隙間から手が伸びてきて、ガッと腕を捕まれたのだ！いつの間にかバレリーナが扉の側に移動していたようだ。扉の隙間から金色の目がギョロリとこちらを睨む。「貴方…何してるの？こんなところで…」低く冷たい声。さっきまで真剣にバレーを踊っていた人とは別人のようだ。

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「ナースの方を探してたんです」豆腐は捕まれた手を振り払いながら言う「邪魔してしまってスミマセン」バレリーナは何か納得しない表情だ「貴方…本当にナースを探してたの？」「はい。そうですが…」「嘘を言うなッッッ！！！！！」 突然の大声に豆腐は仰け反る。

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「貴方、私の練習を妨害しにきたんでしょ？そうよね？そうに決まってるわ一体なんのつもりなの私がプリマドンナになるのがそんなに嫌なのふざけないで邪魔しないで！この病院での練習はバッチリなのよ完璧なの！何処よりもどんな場所よりも上手に踊れるわそんなに私の邪魔をしたいっていうなら…」

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バレリーナは側に置いていた荷物からカッターを取り出す。カチカチカチカチカチと限界まで刃を出してニタリと笑った。大きく振りかぶり豆腐に襲いかかろうとする。しかし、倒れこんだのはバレリーナの方だった。

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【 @giselle_freedom 】悪役：ジゼル 被害妄想癖のあるバレリーナ。元プリマドンナだったのだが、それを妬む人々からの妨害により精神病にかかる。今でもずっともう一度プリマドンナに輝けると信じているが実はジゼルの足はちゃんと立つことさえもままならない状態にある。

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ジゼルは倒れこむ。体を起こすことすらままならないようだ「大丈夫ですか？」と豆腐が手を差し出す。グサッと鈍い感覚。そして痛み。ジゼルは豆腐の差し出した手のひらにカッターを突き立てたのだ「許さないわ…そうやって…踊れない私をバカにしてるんでしょう？許さない許さない…許さない許さない」

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「貴方なんか踊れなくしてあげる」

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豆腐は反射的に危険だと察し杖を使ってその場を逃げ出す。廊下の暗闇に白鳥の湖が流れる。そのリズムさえも気味が悪い。相手は倒れこんでいるのだ、追い付けなどしまい。再び階段にさしかかり後ろを振り向く。しかしそこには、髪を振り乱しながらテケテケのようにこちらを追ってくるジゼルが居たのだ！

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階段を急いで昇る。ジゼルはまだ諦めず豆腐から流れる血の跡を追って豆腐に迫り来る。また、二階のかしおの部屋に行くか？いや、ドアが壊されてるのでは簡単に侵入されてしまう。血が垂れないようにグッと手でおさえる。豆腐は急いでまた近くの扉を開けた。鍵を閉める。聞こえる奇声とペタペタの音

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暫くするとその音も遠く消え去っていった。再び豆腐は安堵する。この病室は誰も居ないのだろうか？そう思ってゆっくり奥のベットを覗きこむと一人の美しい女性がすやすやと寝息をたてていた。

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【 @35anninn102 】その他：杏仁 通称眠り姫。いつも眠っている為そのあだ名がつけられた。この病院が出来た当初から居るとか居ないとか。何年も昔から居るにしては若々しく美しいままであるが、どの患者に聞いても「杏仁さんは私がいるまえから居るよ」とかえってくる。

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豆腐は他の患者からの噂で眠り姫の存在は知っていた。が、今宵始めて本人を目にした。確かに美しい女性だと思う。一体この人は何者なのだろうか。この病院に昔から居るということは何か病院の奥深くを知っているのだろうか。 豆腐は杏仁を起こすか起こさないか悩んだが、結局おこさないままだった。

😺 @kanibarizumu893

杏仁の部屋にずっと居るわけにもいかない。しかし、三階に上がってジゼルと鉢合わせしてしまったら自分の命はない。それにかしおが使っていた催涙スプレーのような武器も欲しい。豆腐は部屋からそっと出て別の無人の部屋を探すことにした。そこで一晩籠城しようと考えたのだ。

😺 @kanibarizumu893

杏仁の部屋を出て向かいの部屋を覗く。鍵はかかってないようだ。そっと中に入る。ベットを覗くも誰もいない。しかし、壁には数枚の芸能人のポスターが張ってある。誰かの部屋なのかそれとも空き部屋なのかの判断がつきにくい。どちらにせよ誰も居ない部屋なのだ。豆腐は安心してベットに腰かける。

😺 @kanibarizumu893

突如ブー…ブー…っと携帯のバイブレーションの様な音がする。誰かの携帯？いや、この病院では携帯など意味ない。じゃあなんの音？よくみると自分が入ってきた筈の扉の前に細い何かが落ちてるではないか。さっきまで、何もなかったのに…どうして…？豆腐の全身を凍てつくような感覚が襲う。

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【 @hubi1029 】その他：ふびー 本人がその…バイブがいいって言ったのでバイブです。誰の者なのかは後程。