2013.8.14 福島第一原発事故 和解提案理由書を読む 弁護士 中所克博先生解説

紛争解決センター、本当に被災された方々の事を考えているのだろうか。
7
弁護士中所克博 @K_Nakajo

弁護団のMLに流れてきた情報。8月9日,文科省のHPに,紛争解決センターにおける和解契約書476から509と,和解提案理由書18が追加されている。場所はココ → http://t.co/CBvMTdYXyF

2013-08-14 00:09:30
弁護士中所克博 @K_Nakajo

新たに追加された和解案提示理由書18を読んでみた。その1項。何度も読んでみたが,意味が分からない。申立人には,仮設住宅用建材特需による売上増加があり,全額を対象期間の収入から控除すると言っている。しかし,そのように処理するのが正当であると述べている理由の意味が分からない。

2013-08-14 00:14:53
弁護士中所克博 @K_Nakajo

もう一つ。「本件において、被申立人が審理を不当に遅延させる態度をとったとまでは認められず、本件で遅延損害金を付さない。」と言うておる。だが,和解案が提示された時期は,原発事故発生から2年以上の時点やで。これを遅延と言わずして何という!不法行為損害賠償債権の遅滞は不法行為時なんや!

2013-08-14 00:18:03
弁護士中所克博 @K_Nakajo

総括基準9は,東電が審理を不当に遅延させる態度をとったとき,遅延損害金を付することができるとする。だが,これは不法行為に基づく損害賠償債権が不法行為時から遅滞に陥るという確立した扱い(=最高裁判例)とは明らかに異なるもの。大量事案を迅速に処理するための便法に過ぎない。

2013-08-14 00:23:19
弁護士中所克博 @K_Nakajo

そのような処理が何度も何度も繰り返される。実はその処理は,最高裁判例に基づく確立した扱いとは異なるもの。だが,繰り返されることにより,異論を唱えるべき申立人側の弁護士までも感覚の麻痺が生じ,程なくおかしいことだと思わなくなってしまう。それが怖い,それを強く懸念する。

2013-08-14 00:25:58
弁護士中所克博 @K_Nakajo

作業が単調に,そして機械的に繰り返されるようになると,その作業に携わる申立人代理人弁護士もベルトコンベアの部品の一部と化し始める。脳みそを使わず脊髄で反射し,正常な感覚を遮断し,専ら作業の円滑な進行維持にのみ腐心するようになる。こうなってはいないか?こうなるとおしまいである。

2013-08-14 00:30:52
弁護士中所克博 @K_Nakajo

文科省のHP。「和解事例の公表について」には誤記がある。和解事例481から同500まで,「和解事例」と表示するべきところ,「和解時事例」と表記されている。内容には全く関係がないが,一応指摘しておく。場所はココ → http://t.co/q9NakFWIH0

2013-08-14 00:47:44
弁護士中所克博 @K_Nakajo

例えば和解事例490を例にする。「本和解に定める金額を超える部分につき、清算の効力は及ばず、申立人らが被申立人に対して別途損害賠償請求することを妨げない」としている。ミクロ的に見ると,センターの和解契約書において,追加請求の余地を残していることは積極的に評価できそうに見える。

2013-08-14 00:52:39
弁護士中所克博 @K_Nakajo

だが,マクロ的に見てみる。清算条項を外したことの意味は,センター自身が「うちで出来るのはココまで。更なる追加賠償を求めたければ,ココではなく,裁判所に訴訟を提起して貰うしかない」,こう言っていることと同じ。マラソンの途中給水所だと開き直ったADRの制度設計には重大な疑義がある。

2013-08-14 00:56:29
弁護士中所克博 @K_Nakajo

ごく普通の原発事故被災者は,東電への直接請求により完全賠償を受けることを望んでいる。だが,そうではないので力を振り絞り,やりたくもないADRを行う。だが,それ以上はここでは無理,あとは裁判所に行ってちょーだいとADRに突き放される。疲弊した被災者が選ぶのは泣き寝入りの道。

2013-08-14 01:02:30
弁護士中所克博 @K_Nakajo

常識に照らしておかしいこと。誰が見ても変なこと。多くの人が変だと思い,実際に心ある人たちが変だと叫んでいる。だが,その声はなかったかの如く完全に黙殺され,ちっとも変わらない。イヤだな,こんな国!

2013-08-14 01:05:42
弁護士中所克博 @K_Nakajo

物事を無批判に受け容れるのは簡単。見ないフリをするのも容易。流されてしまう方が楽。だが,われわれ弁護士の存在意義は法の支配の維持であり,陽の当たり辛い少数者の立場や発言などにこそ目を向けるべきである。常に感性を磨き,感覚を研ぎ澄まし,変なことは間髪入れず変だと言わねばならない。

2013-08-14 01:15:25
弁護士中所克博 @K_Nakajo

@ran0879 汚染水が海洋へ垂れ流される。それをマー・ライオンに例える軽薄さ。実際はコントロールすら出来ていないのに,収束したとの演出に奔走する。虚偽の上に虚偽が塗り重ねられ,異様な様相を呈している。なぜこうなってしまうのでしょう。

2013-08-14 01:21:05