艦これスレイヤー(仮)第一話前編

艦これスレイヤー（仮） @kan_cole_SLYR

重金属汚染海水と汚染されたバイオ深海棲艦が行き来するマッポーの海域。 やらなければこちらがやられるこの世界で、カンタイソウルを宿した少女達は何を思うのか。 ここは『ヨコスカ・チンジュフ』 全ての伝説が始まり、今もテイトクにより紡がれる新たな伝説。その行方を取材する。#艦これ

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●艦これスレイヤー(仮)● ＃01 ザ・リーズン・アイム・グループオブリポーター　#艦これ　#艦これSLYR

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チンジュフから離れた海域。 ここで青葉と古鷹が哨戒ミッションにあたっていた。 「今日は穏やかですね。古鷹＝サン。」 「そうですね。実際天気がよくて助かります。」 二隻の重巡と軽巡は、ベストな緊張感を保ちながらゆっくりと海域をめぐる。　#艦これSLYR

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周辺を重金属汚染海水により深刻な海洋汚染が支配するこの海域では、数多くのバイオ深海棲艦が目撃されている。 バイオ深海棲艦の目的・正体は未だに判明していない。 あるテイトクは「ゲシュタポされた艦むすのカンタイソウルを宿した違法廃棄バイオ生物では？」とも言っている。　#艦これSLYR

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「ところで、古鷹＝サン。」 「何ですか、青葉＝サン？」 「次の交代は何時間後でしたか？」 「ア……ええと。」 青葉に促され、改めて時間を確認する。 古鷹の時計はヒトロクマルマルを指していた。このまま順調に行けば１時間か2時間程で交代だ。　#艦これSLYR

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「あと一時間から二時間ぐらいです。慢心アトモスフィアを捨ててミッションを続行しましょう。」 「そうですね。油断をすると実際アブナイですから。」 二人は気を抜くことなく哨戒ミッションを続ける。#艦これSLYR

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ベイビーサブミッションである哨戒ミッションだが、いつどこでバイオ深海棲艦のアンブッシュがあるか分からない。 油断している艦から沈没する。かの有名な哲学提督、ヤマト・イソロクも言っているのだ。 辺りは次第に陽を落とし、トワイライトアトモスフィアを醸し出す。#艦これSLYR

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「暗くなってきましたね…。あ、見てください、古鷹＝サン。交代の艦が来ましたよ。」 青葉達からやや離れた辺りに、影を確認。 古鷹もその影を確認できたが、微かに嫌な予感がした。 時刻も丁度交代要員が来る時間にほぼ間違いない。 キユウ・アングザイエティだといいのだが。#艦これSLYR

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「古鷹＝サン。私、交代の方に声をかけてきますね。」 「アッ…ハイ。」 青葉が影へ向かう。しかし古鷹の返答は曖昧だった。 そう、古鷹の心の奥に湧き上がったキユウ・アングザイエティが消えないのだ。#艦これSLYR

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（暗くてよく見えない……。そうだ、このハッコーシグナルを使って…） ※手記注釈：ハッコーシグナル⇒発光信号のこと。 青葉はおおよそ自身の正面にいる味方と思しき影へ向かって、漢字ハッコーシグナルを照射。#艦これSLYR

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この漢字ハッコーシグナルは自身の位置を知らせるだけでなく、実際よく出来た奥ゆかしいシグナルなのだ。 青葉は早速準備をし、相手へ照射。 「ワレアオバ。ワレアオバ。」一定の間隔を置いて一通りの照射を終える。 しかし相手から返事が無い。#艦これSLYR

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見えなかったのだろうか？ もう一度・・・と思った次の瞬間だった！！ BLAM！！BLAM！！BLAM！！ 「アイエエエエエ！？」 その影は無慈悲にも青葉目掛けて主砲を発砲！！ 味方への砲撃はセプク案件だ！！#艦これSLYR

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青葉は砲撃を回避し、再び漢字ハッコーシグナルを照射。 しかし・・・ BLAM！！BLAM！！ 「アイエエエエエ！？ナンデ！？私は味方です！！」 返って来たのは無慈悲な砲撃だった。サツバツ！！#艦これSLYR

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さすがの青葉もこの狼藉には黙っていられない。 砲撃を返す前に自分自身が一言言っておきたいのだ。 「これはグンポカイギでのセプク案件だ。」と。#艦これSLYR

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近づくにつれて、青葉の速度がゆっくりと落ちていく。その相手は・・・ナ、ナ、ナムアミダブツ！！ 「ドーモ、青葉＝サン。戦艦ル級です。」 「ア、ア……アイエエエ…。ド、ドーモ……ル級＝サン……青葉、です。」#艦これSLYR

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両腕に黒い16インチ砲を携え、そして薄錆すら浮いた砲塔。 全身を黒いカーボンセーラコスチュームに身を包んだその姿。 そしてなによりそのバストは豊満だった。 なんと味方と思っていた影は、敵戦艦ル級だったのだ！！ショッギョ・ムッジョ！！#艦これSLYR

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聡明な提督諸君は気づいていただろうか。 青葉の状況判断はあくまで『ミッションの終了時間に基づく判断』であることを。 すなわちこれこそ艦むすの恐る【慢心・アトモスフィア】なのだ！！なんたるウカツ！！#艦これSLYR

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「味方からはぐれ途方にくれていたが、これはギョッコー。棚から落ちてきたオモチだな。」 ル級がズンビーめいて白い表情をニヤリと笑うように歪ませる。 彼女は来るべき決戦に備え進軍いていたところだ。 ル級はそこで迷ってしまい、味方の到着を待っていたところだったのだ。#艦これSLYR

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ル級はそこで迷ってしまい、味方の到着を待っていたところだった。 彼女からすれば棚から落ちてきたオモチである。 「イヤーッ！！」「ンアッー！！」 ル級の16インチ砲が青葉を襲う！！ カブーム！！ 直撃こそ避けたが砲弾は彼女の眼前で爆発！！青葉は吹き飛ばされる！！#艦これSLYR

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（コレはヤバイ級の相手……！！逃げないと、いや逃げる？！敵を前に逃げられるの！？相手は戦艦！！私の速力で逃げ切れる相手じゃない！！ナムサン！！でも…）#艦これSLYR

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「イヤーッ！！」「ンアッー！！」「イヤーッ！！」「ンアッー！！」 青葉は持ちうる限りの艦むす思考を展開するが、ル級はそれを許さず連続して12.5インチ連装砲を青葉へ浴びせる！！初撃は交わせた物の二撃目を被弾！！再び青葉は吹き飛ばされ、装甲がひしゃげる！！#艦これSLYR

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このままでは青葉が轟沈するのは確定的に明らか！！ しかし、しかしだ！！ 「イイィィィイイィヤァァァァァァァ！！！」 「ヌウウーッ！？」 全速力で青葉とル級の間に割って入る艦影！！ その艦は……古鷹だ！！　#艦これSLYR

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古鷹はインセクツ・オーメンを感じていた。それが間違いでないことに気づいたのは青葉が最初に砲撃を受けた時だった。古鷹はすぐさま全速力で急接近！！アンブッシュ砲撃により、ル級の視線をこちらへ向けたのだった！！　#艦これSLYR

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「ドーモ、ル級＝サン。古鷹です。」「ドーモ、古鷹＝サン。ル級です。」改めて対峙しあうとアイサツをする。二人のアイサツはほぼ同時に始まりほぼ同時に終わった。#艦これSLYR

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古鷹は青葉と同じで比較的強いカリキと奥ゆかしい水雷カラテを持つ重巡クラスに所属する。しかしそれでも相手はその数倍以上の戦艦。カリキの差は歴然だ。いかにカリキと速度を兼ね備えた重巡といえど、実際この戦いは無謀以外の何者でもない！#艦これSLYR