Timeless memories~記憶~

未完結・ノンフィクションです。登場人物は仮名です。
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@switchonly1

マンションに帰った僕は麻里子のいない部屋で小説を読むのが好きだった。 作家には偏りがなく、当時は海外作家をよく追い掛けていたと記憶している。 小説を読む中、村田の顔と店の映像が頭に浮かぶ。 「村田のおっさんの店出来たらみにいってやるか(笑)」 と独り言を呟きながら笑った。

2013-11-03 16:38:21
@switchonly1

翌々週のころだったと思うが、 クラブで働いていて辞めた女の子達から麻里子を通して連絡があった。 飲み会をしようと。 休みを作りいくことにした。 あまり乗り気にはなれなかった。 正直めんどくさいって思っていたんだ。 麻里子は店で行かないと言ってたしすこし悩んだが・・・。

2013-11-03 16:41:56
@switchonly1

少し飲み会の話の前に時間軸を戻そう。 クラブで働いている頃、うちの店にチンピラが来てミカジメ料なる脅しをしてきた頃があった。例のママが就任する以前の話だ。 その店は2個の扉があり、1個目を開けるとエントランス。そこでもう一個の両開きの扉がある。

2013-11-03 16:48:33
@switchonly1

チンピラの彼の名前は全く覚えてないので彼としておく。 二つの扉を態々開けて彼は店に入るなり、 「おしぼりをとってくれへんか?」 前歯がない。 「いらないよ。」と僕 彼「そういわんと頼むわっ。今どこからとってるの?」 「いやいらない。営業時間なので帰れ」 彼「菱か稲川か?」

2013-11-03 16:52:27
@switchonly1

「ここは暴力団おことわりだよ」 彼「菱のとってるならうちに変えてくれ頼むわ」 「お前俺の話聞いてる?」 当時の京都色町祇園は山口系(菱)と稲川系とで勢力争いが起こっていた。 僕には無縁な事なんだが、治安は悪かった。 彼「兄さん頼むよ~」 全く人の話を聞いていない。 ヒュッ!!

2013-11-03 16:56:02
@switchonly1

包丁は持っていかれ、店のエントランスには血痕。 「ほんとにめんどくさいわ」と愚痴りながら掃除をし、店を開けた。 すると、1時間もしないうちに珍しい来客があった。 濃紺のコスプレ軍団約3名。 そう警察官。 「いらっしゃっ・・・・なに?何しに来たの?」 今度はこいつらか、察しはつく

2013-11-03 17:05:21
@switchonly1

さっきの彼。チンピラが警察に駆け込んだ。 僕はその場で逮捕され拘留された。 長い事情聴取が僕の不機嫌を最高潮にしてくれたのは事実で、3日間拘束。 身元引受人には親父が来た。 拘束が解かれたその日,僕はチンピラ事務所に一人で直行した。 事務所の場所は警察がご丁寧に語っていた。

2013-11-03 17:09:53
@switchonly1

僕には傷害一犯が後に適応された。 組事務所の玄関を入ろうとしたとき、チンピラの彼がいた。 こっちを見るなり近づいてきて一言 「お前あほやろ?普通包丁投げへんで(笑)今日は詫びにでもきたんか?」 「まぁそういうことやな、上の方に詫びをと思ってね。中入っていいか?」

2013-11-03 17:14:28
@switchonly1

丁寧に 「ちょうど組長おるわ(馬鹿笑い)組長の前で俺に詫びいれてくれるんか(笑)」 「そっか丁度よかった」 2階に階段を上がりそこに如何にもな事務所があった。 中に入ると彼がペコペコしだし、上司(?)に耳元で説明。 程なくすると組長代理と組長が前に座った。 「兄さんどういう用件や

2013-11-03 17:19:21
@switchonly1

僕「ちょっと府に落ちないんだよ。」 組長「・・・・ん?」 「いや俺さ、一般人なんだよ、しかも勤労学生。わかる?あんたらの世界とは基本無関係だよね?」 組長「堅気さんやな~」 「あんたらやくざやな~」 組長「どういうこっちゃ?なめてるんか?」 「なめてるのそっちでしょ(笑)」

2013-11-03 17:23:43
@switchonly1

組長「なんやこの兄ちゃん詫びいれにきたんちゃうんか?話が読めんわ。」 「いやさ、あなたの所のこの兄さんがさ、俺の働いてる店にきて「やから」言ってきたんだよ。営業時間だから帰ってくれって言ったらさお宅の組の名前と大紋出してきたから腹立って包丁投げたのね」 組長「聞いてるぞ」

2013-11-03 17:28:13
@switchonly1

大きなや威圧的な声が事務所内に轟いた。 僕は続けて、 「そしたらさお宅の彼警察に突っ込んだんだよ。(笑)おっさんの組って大紋もらって警察に飛び込んで堅気前科つけるってよっぽどだね?」 組長の顔色が急転。「どういうこっちゃ?おいお前これに厄介になったんかい?」と額の上でOKAY

2013-11-03 17:33:59
@switchonly1

額の前でOKAYマークは所謂丸暴の事。 組長はそこをやはり聞いていなかったみたく、激しく荒れだした。 結構な紳士だったはずの目の前の親父が鬼の形相に変わる。 そこからがこちらの本題。 僕「責任とってよ。前科消してくれる?」 組長「・・・・・・・消えへんやろそんなもん。」

2013-11-03 17:37:51
@switchonly1

僕「じゃああなた方の一番欲しがるもので返してよ。」 組長「・・・・金か?」顔色を変える。 「いや3000でいいよ。それだけあれば10年暮らしてから就職できるよ」 組長「・・・・・・」少し考えた様子で僕を睨み付けたあと、急に穏やかな表情になった。 失敗したか?と僕はその時思った。

2013-11-03 17:49:10
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