Timeless memories~記憶~

未完結・ノンフィクションです。登場人物は仮名です。
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@switchonly1

今日から当分、昔愛した彼女の話しか呟きません。

2013-08-20 04:39:56
@switchonly1

「私、しっ死ぬのぉ・・・・・?」 「大丈夫だから・・大丈夫だから・・・泣くなよ、智(とも)」 「だってぇ・・・痛いよ・・・・」 「医者まだかよぉ、早くなんとかしろよ!」 「やしゅゆき・・・ごめんね・・・・・私・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「と、ともぉぉぉぉ」

2013-08-20 04:47:36
@switchonly1

数年前の今日、4時45分に智(当時の彼女)は、 交通事故に遭って4時間後に亡くなりました。 彼女の最後の言葉の「やしゅゆき」とは、僕の名前です。 舌っ足らずの彼女は、いつも僕のことをこう呼んでました。 あれから数年が経ちましたが、毎年、夏になると思い出します。 あの時の光景。

2013-08-20 04:52:27
@switchonly1

智と初めて出会ったのは、大学2年のクリスマスイブの夜でした。 僕は、京都の祇園という歓楽街で会員制のクラブの店長を任されたいました。 大学に行きながら、お店を一件任されていた状態で、聞こえはいいですが、 昼は大学、夜はお店、朝は市場のバイト・・・かなりハードな日々を送っていました

2013-08-20 04:56:50
@switchonly1

そのお店というのが、京都でも新参クラブ(女性がお客に接待する店)だったので、 なんとか、祇園で1番にと奮起していた頃です。 そんな冬の四条大橋で、 「流石に、クリスマスイブはカップルばっかりだな・・・  人ゴミっていうより、壁だよこれじゃ・・・」 ボヤきながら店に向かっていました

2013-08-20 05:02:59
@switchonly1

その当時、僕の住んでたマンションは1LDKで二条城の近くでした。 店までゆっくり歩いて30分ぐらいだった記憶があります。 でもその日は河原町通りに近づくにつれて人、人、人 流石に遅刻するなと思ってかなり強引に前行く人をすり抜けて 歩いていました。

2013-08-20 05:06:27
@switchonly1

そして四条大橋に差し掛かった時。 人の壁がピークになり、うねりのような変な感覚に押しつぶされそうになり なんとか祇園の方へ抜けていきました。 川端通り(鴨川の東側の道)に曲がってしまえば、 さっきいた壁は嘘のように無くなり、3条方面まですんなりと歩いて行くことができます。

2013-08-20 05:12:49
@switchonly1

そこから白河南通りに入って行くのですが、 まぁそこからが、かの有名な歓楽街祇園です。 白河南通りを入ると一つ目の十字路に小川が流れていて 舞妓さんなどの撮影場所にはよく使っているらしく、なんとも風情の ある場所です。 その当時は、ここに一銭洋食が屋台としてお店を構えてました。

2013-08-20 05:17:10
@switchonly1

現在の一銭洋食の場所は四条通りの角にあります。 当時の壱銭洋食(この字ですね、すみません間違えました)は観光客向けに販売している訳ではなく 元々の住民、歓楽街に来るお客の持ち帰り、僕らみたいな店に出前で、かなり繁盛していました。 なので今の壱銭洋食が屋台から大きくなったと思います

2013-08-20 05:22:17
@switchonly1

その壱銭洋食を左に見ながら15メートルほど進み、 鴨川側のビルの最上階が僕の職場でした。 昔の水商売の掟で、男性従業員はエレベーターを使いません。 僕は、いつも4階まで非常階段を利用していました。これには理由があり、同伴客を連れた ウェイトレスと同じエレベータで合わない為です。

2013-08-20 05:30:46
@switchonly1

まあ。僕が開店作業してそれから女の子たちは1時間後に出勤するんですけど。 開店作業も慣れたもので、20分ほどで熟し着替えをするんですが、 制服なんてものはこの店には存在せず。自分で買ったスーツを持って行ってました。 その当時僕が着ていたスーツは45RPMってブランドが大半だったな

2013-08-20 05:37:59
@switchonly1

その日は冒頭でも言いましたが、クリスマスイブ。 まさしく12月24日。 水商売は儲けどきって日です。お店の女の子も今日の日の為に客に約束を取り付け 京都の有名寿司屋、料亭の同伴を熟し店に出勤してくる日。 いわば女の子も他の女の子との差別化を見せつけようとするバカみたいな日です。

2013-08-20 05:42:46
@switchonly1

あまり店の女の子と仲良くしなかった僕は、いつも心の中でバカな奴らと下げ荒んでいました。 ・・・・・・ そして女の子達がある程度集まり8時に店を開店。(当時は風営法も甘く営業時間はどの店でも 大抵8時オープン26時クローズでした。) 8時台にはお客は基本来ません。 一組目は大概同伴

2013-08-20 05:48:20
@switchonly1

9時になり同伴の女の子は客を連れてドヤ顔で出勤してきます。 それが遅くなればなるほど、ドヤ顔出勤です。 「○○さん。今日はあそこのお店本当に美味しかったわ。また連れて行ってね。」 周りに聞こえる様に大きな声でアピールして行きます。 今思い返しても、笑えます。

2013-08-20 05:52:26
@switchonly1

10時を超えるとお店はピークです。 カラオケは置いていない店だったので、JazzyなBGMと店の中にいる人の笑い声で ある意味一つの世界が雑踏の様に流れていく時間です。 僕はこの時間が今でも好きで、何とも言えない様な感覚になります 2時間もすればその華麗で淫靡な空間も閉ざされます

2013-08-20 05:59:45
@switchonly1

12時を過ぎた頃、店ではなく僕に異変が起こりました。 急に立っていられなくなるほどの腹痛が僕を襲い、トイレに駆け込み便をし、同時に嘔吐。 なんとかトイレからカウンター内に帰還した僕は冷や汗で目眩。 「なんだ?これ?」 「まだ腹痛いな・・・・??」 「でも腹っていうより背中?」

2013-08-20 06:05:22
@switchonly1

左の背中から腰のあたりまで激痛が走っていました。 「これはまずいな・・・・・結構客引けたし、チーママに言って先に帰るか・・・」 「みゆきちゃん」と僕は呼びました。 みゆきとはこの店のチーママで、この店にはママは存在していませんでした。 後ほど登場してくるんですが・・・

2013-08-20 06:09:37
@switchonly1

みゆき「はい。どうしたの?」 「いや、ちょっと急に体調悪いっていうか・・・・」 みゆき「かえるん?」 「出来れば・・・・・・・」 みゆき「イブだもんね(笑)(憎悪含)」 「いや本当にちょっとやばいんだって(冷汗)・・・今日あと頼むわ・・・・」 みゆき「おk。いいよ(笑)」 ・・・

2013-08-20 06:13:02
@switchonly1

チーママに店を任せ、客と女の子に気づかれない様に店を後に非常階段を降って行く途中に また嘔吐。 「これなんだ?まじでちょっとやばくないか?」 痛みも激痛に変わって行き、 「これ、病院だな、寝ても治らないやつだわ」 なんてことを呟きながらなんとかビルを出て南白河通りまででました。

2013-08-20 06:17:54
@switchonly1

通りに出ると、流石にクリスマスイブ12時を超えても人ゴミは多く、観光カップルもうじゃうじゃ。 京都は案外4条河原町付近にラブホテルが数える程しかなく、こんな日(平日でも)は特に部屋なんてものは確保できないバカップルがうじゃうじゃ徘徊するんですけど(笑) 僕は笑い事じゃないんですが

2013-08-20 06:21:38
@switchonly1

先ほど話した店用の45RPMスーツはなんと時期も踏まえてワインレッド上下でした。 「どうみても・・・サンタじゃん俺・・・・・」 「店に戻って着替える余裕ないしな・・・」 「とりあえず・・・・病院まで・・・・タクシーを・・・」 今でも思います。甘いと タクシーなんているわけ無い。

2013-08-20 06:25:54
@switchonly1

「あかん・・・タクシー捕まらない・・・四条まで出るか・・・・」 今思えば、僕はこの時既に激痛で冷静さを欠いていたと思われます。 当時携帯ってものは誰も持ってなく、電話BOXが20メートルも歩けば1個や2個点在していました。 そのことに気が回らずタクシーに乗るという選択肢のみ・・

2013-08-20 06:30:29
@switchonly1

まあ今思えばですけどね(笑) 多分僕は大通りまで這っているのと同然の姿で歩いていたと思われます。 この辺りから記憶が曖昧になるのですが(許してください) なんとか四条大橋の東側に辿り着き、橋の入口には大きく(四条大橋)と書かれている石塔があります。そこに腰を掛けたのを覚えています

2013-08-20 06:35:19
@switchonly1

そこで、僕の記憶と目から入ってくる景色、耳から聞こえるクリスマスイブの雑踏が激痛と共に消滅しました。

2013-08-20 06:37:07
@switchonly1

目が覚めると、 僕は京都武田病院のベッドに寝ていました。 本当に記憶と痛みがなく目覚めたので、変な夢を見たと勘違いするほど 良く眠っていたのだと(眠らされて)思います。 病室は1人用で、僕以外はそこには・・・・・・・ 「誰かいる???」 「女の子?」 「この人・・誰だろ?」

2013-08-20 06:41:41
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