Timeless memories~記憶~

未完結・ノンフィクションです。登場人物は仮名です。
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@switchonly1

確かにベッドの横の、着替え等入れる・・名称がわかりませんが椅子になってる箱に腰をかけ 壁にもたれた状態で女の子が寝ています。 「店の子でもないし、麻里子でもないし・・・」 麻里子とはその当時付き合っていた彼女です。 本当に見覚えのない人がわずか2メートル以内で寝てる光景。

2013-08-20 06:45:37
@switchonly1

僕からは声が出せませんでした。 ?「うぅ~~~~」 起きるのか? ?「痛い痛い。あっ起きてるじゃん。」 誰かわからない女の子が起きちゃいました。(ビビル) ?「どう?体?」 「どう?って・・・・・だっ誰っすか?」 「えええ~覚えてないのぉ?」 なんだ?よくある酔っ払ってパターン

2013-08-20 06:50:04
@switchonly1

「すっすみません・・・全く覚えてないんですが・・・・・・」 ?「昨日の夜4条大橋で、君、私に痛い痛いって抱きついてきたんだよぉ」 まじか・・・・記憶にない//// 「本当に?・・・・・すみません覚えてないです・・・・」 ?「苦しそうだったから、どうしたいって聞いたら、病院って・・

2013-08-20 06:53:53
@switchonly1

「本当にありがとうございます。助かりました。」 ?「いえいえ(笑)」 ?「抱きついて来たってのは、嘘だけど(大笑)」 「・・・・・・・・。」 「とっところでなんで、病室におられるんですか?(怖々)」 ?「・・・・・・・付いて来た。救急車って一回乗りたかったんだもん。」 「はぁ~」

2013-08-20 06:57:21
@switchonly1

彼女の名前は智(とも)さん。 昨日の晩に4条大橋でぶっ倒れている僕を助けてくれた21歳の女の子。 あの後の記憶はないんだけど倒れた一瞬大雨が降ったらしい。 確かに天気予報は雨だったような・・・。 これが智と僕の初めて出会った日。

2013-08-20 07:01:58
@switchonly1

入院して1週間過ぎたころ。 病院のTVは湾岸戦争だらけ。多国軍が「砂漠の嵐」作戦だったかな? そんなものを始めた。 全ての娯楽を奪われた僕は当時の彼女である麻里子が見舞い(顔を見に)を 心待ちに待っていた。店は当分休むとオーナーの許可はもらってた。

2013-08-20 08:48:41
@switchonly1

あの時の激痛の正体なんだが、左腎臓裏動脈による腎臓圧迫で天性的なものらしく、 幼少時から左腎臓を圧迫した結果石化してしまったというものでした。 そして手術の流れになるのだが、手術まで3週間毎日検査、検査、検査。 TVは湾岸、湾岸、湾岸。 偏食の塊だった僕は(今も変わってないが)

2013-08-20 08:56:16
@switchonly1

病人食を美味しいと思うこともなく、つまらない時間、日々を過ごしていた。 「どう?」 麻里子が病室のカーテンを申し訳なさそうに開けて入ってくる。 「いやぁ、まじ退屈。もう全然痛くないのに」 麻里子「もうすぐ手術でしょ、つまんないのは我慢、我慢(笑)」 「・・・・」

2013-08-20 09:00:45
@switchonly1

麻里子「ケーキ作ってきたの。食べる?」 「食べる。食べる」 麻里子が毎度作って来る、料理、お菓子、ケーキは絶品で、入院という娯楽に対しての 閉鎖的なこの空間では尚更のことそれはありがたかった。 麻里子の性格は、一言で表すとお淑やかな女性である。 歳は僕より5歳上で、

2013-08-20 09:06:04
@switchonly1

それを本人に言うと顔を真っ赤にして拗ねた(笑)。 彼女は京都の北野天満宮の近くのちょっと有名な豪家の次女で、 振る舞いもお嬢様だった。顔も僕が言うのもなんだけど涼しげで京風のスッとした綺麗な顔立ちだった。 ちなみに彼女の処女は僕が担当したのも事実で、非常に奥手でもあった。

2013-08-20 09:10:36
@switchonly1

麻里子「やー君のお店で私も働いていい?」 「えっ?お前じゃ無理だよ(笑)」 麻里子「そんなことないよ」 「無理だって(笑)。てっ別に働かなくていいじゃんお前。」 麻里子「親から独立したいし・・・ダメ?」 「独立って(笑)。好きにすればいいけど別に」 麻里子「別にってなによ」

2013-08-20 09:15:18
@switchonly1

僕は、麻里子の世間知らずなところも好きでしたが、彼女の言うことやること、やりたいことに対して、 否定は全くしませんでした。なんでもチャレンジしたい子なんだなと思うぐらいでした。 「じゃあ、今度オーナーに聞いといてあげるね。多分即おkって言うけど(笑)」 麻里子「本当?頑張るね私」

2013-08-20 09:20:59
@switchonly1

仕事内容も解らずに何を頑張るって言ってるんだと思いながら麻里子の顔を見ると、 これでもかというぐらいの満足な顔で、既に自分が仕事している妄想が始まっているのが手に取る様に伝わってきた。 僕は少し眠くなって気付いたら麻里子は帰っていなかった。

2013-08-20 09:23:57
@switchonly1

それにしても病院は、平凡でつまらなかった。 そういえば、入院直後は1人部屋だったが、次の日には6人部屋に移された。 入院したことは両親には電話で伝えたが、来なくていいとも伝えておいた。 学生ではあったが仕事もしていたので当時貯金は結構あったので心配ないと伝えた。 1度だけ母が来た

2013-08-20 09:28:00
@switchonly1

僕の隣のベッドはやくざだった。 たしか・・・名前は、西岡?西岡さんだ。思い出した。 西岡さんはやくざで刺青が関東風に入っていた。詳しくは説明しません。 よく病人食のあとカップラーメン(シーフード)を一人で啜っていたのを覚えている。 西岡さん「兄ちゃん。ラーメン食うか?」

2013-08-20 09:32:09
@switchonly1

「いえ、結構です。」 西岡さん「そっか・・・・・」 「あの・・・・やっぱいただきます・・・・・」 仲良くなった。食べかけたラーメンを僕に差し出そうとして、考え直してやめていた。 新しいラーメンを開けてお湯を入れてちゃんと出来上がってから 西岡さん「ほら」 律儀なやくざだった。

2013-08-20 09:35:45
@switchonly1

もちろんラーメンはシーフードだった。 そういえば、彼にお見舞いが来ていた覚えがない。今思うと、独身だったのかな? まあ、詮索もしなかった。 とても仲良くなって、待合室でタバコも一緒に嗜んだ。 僕のタバコが切れた時良く彼にタバコをもらった。 パーラメントだった。

2013-08-20 09:39:47
@switchonly1

彼は自分のことを語ることは無かった。僕のことは凄く興味があるのか 西岡さん「兄ちゃん。学生か?」 「はいそうっすよ」 西岡さん「いっつも女来てるじゃねえか」 「あっ彼女ですよ」 西岡さん「いい身分だなお前(笑)」 「ところで何の病気なんすか?」 西岡さん「b型肝炎」 「・・・・」

2013-08-20 09:44:20
@switchonly1

僕の入院は手術後三ヶ月続いた。 西岡さんは退院していった。 「入るよ?」 いつものように麻里子が来た 麻里子「どう?」 「退屈だね。西岡さんもいなくなったし。」 麻里子「そっか・・・」 麻里子「そうだ。やー君を病院まで連れてきてくれた人ってどんな人?」

2013-08-20 10:00:57
@switchonly1

「智って人だよ」 麻里子「と、、も、、男の人?」 「いんや、女の人。めっちゃ可愛い人だった。」 麻里子「可愛いは余計だけど、ちゃんとお礼したの?」 「まだ、してないってかあれからずっと病院なんだけど(笑)」 麻里子「連絡先とか聞いてある?」 「うん。聞いてある。そこの引き出し」

2013-08-20 10:04:23
@switchonly1

麻里子「私からお礼をしとくね」 「いいよ、自分でするから」 麻里子「可愛いからでしょ(笑)」 「そうじゃなくて、彼女がお礼をする方がおかしいでしょ?」 麻里子「そっか、やー君が出来ない人に思われるか(笑)」 「手術も終わったし、今日電話入れてみる」 麻里子「そうだね」 「うん」

2013-08-20 10:07:52
@switchonly1

麻里子が帰った後、病院の公衆電話から智さんの家に電話をいれた。 数コールのち彼女の母親が受話器をとり、事情を話すと、なんなく彼女に取り付いでくれた。 「もしもし・・」 智さん「元気になった?」 非常に大きな声だった。ナースセンターの前の電話だったので少し引け目を感じたぐらいだった

2013-08-20 10:12:42
@switchonly1

「手術も終わったから、後は退院できるのを待ってるだけだね」 智さん「そっかよかったね。」 「本当にありがとう。今度退院したら改めてお礼に行きますので。」 智さん「家とかいいよ。退院祝いで私に何か奢って」 「わかった。好きなもの言ってくれれれば」 智さん「卒業論文。」 「えっ?」

2013-08-20 10:16:32
@switchonly1

次の日。面会時間になると風のように彼女がカーテンを開けて入ってきた。 顔はまさしくニヤケ顔。 智さん「約束の物持ってきたわよ。」 「まじですか」 智さん「まじですよ(笑)」 「はいはい。やります」 自慢ではないが一応大学は国立に通っていたので論文ぐらいならと彼女の提案に乗った。

2013-08-20 10:20:11
@switchonly1

彼女は専門学校生だった。 旅行コンサルタントを目指していた。論文の内容は、ありがたくも僕の専攻のマクロス経済学とかぶっていた。 「3日後に取りに来てくれればある程度できてるよ。」 智さん「2日なんだよね期限。」 「暇だから大丈夫」 智さん「ここで待っててていい?」 「はぁ?」

2013-08-20 10:25:26
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