Timeless memories~記憶~

未完結・ノンフィクションです。登場人物は仮名です。
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@switchonly1

「面会時間もあるし。それはダメでしょ。」 智さん「南大阪から京都まできてるんだよ。時間とお金もったいないやん」 「そうなのか?・・・・」 彼女はスエットを持って来ていた。 「もうちょっとしたら彼女が来るから紹介するね?」 智さん「彼女おったんか(笑)」 「なに?その感じ悪い言い方

2013-08-20 10:32:03
@switchonly1

「入っていい?」 麻里子が病室にいつものように入ってくる。 智さん「いいよ。」 「ちょっと待て、それは俺のセリフ」 麻里子「あっ。えっと。智さん?ですか?」 智さん「はい。命の恩人です。」 麻里子「その節はどうも。」 智さん「奥さんですか?」 「まってぇ~~そこちょっとまてぇ~」

2013-08-20 10:36:04
@switchonly1

こんな感じで、智と2回目の時間を過ごした時に、僕の隣はまだ麻里子がいました。 もちろん智はその日家に帰って行きました。多分。 なぜなら次の日、朝7時に病室に来て面会時間外にも関わらず、卒業論文の出来上がりを 初めて出会った時の椅子の様なモノに座って眠気まなこで見つめていました。

2013-08-20 10:41:31
@switchonly1

それから、三日四日退院日は伸びましたが、僕は無事退院することになりました。二条のマンションには戻らず、三重の実家に帰ることにした僕は、麻里子にそのことを伝え京都駅から近鉄電車に乗り夕方6時にはもう懐かしい自分の部屋で寛いでいました。 僕には姉が2人妹が1人います。

2013-08-21 18:18:29
@switchonly1

母「大事にならんで良かったね、本当に」 長女「ほんまやで。」 次女「お母さん心配してたんやでぇ。」 妹「お兄ちゃん、誰に救急車呼んでもらったん?」 父「・・・・・」 「・・・・・・・・・・。」 そうだ、智さんには連絡いれておこう・・・・・。 母親にだけ事後報告をした。

2013-08-21 18:23:18
@switchonly1

自分の部屋の子機を持ち、先に麻里子に連絡を入れて、 そのあと智さんの家に連絡をいれると、 智さんのお母さんが出て、 「娘はまだ帰ってないのよ、良かったね。伝えておきますね。  あと、変なこと頼んじゃったらしいじゃない?ごめんね(笑)」 「いえいえ、こちらこそありがとう御座いました

2013-08-21 18:28:38
@switchonly1

智さんは居ませんでした。まぁ伝えるって言ってたのでその日は、久しぶりの実家で羽を伸ばして団欒を楽しみました。 翌朝、10時頃目覚めた僕はというか、母に内線で起こされたが正解ですが、 電話が掛かってきてると言われ 「誰から?」 母「病院でお世話になった方から」 「わかった。」

2013-08-21 18:34:20
@switchonly1

「はい。」 智さん「はいじゃなくて、昨日お見舞いに行ったのに。」 「はっ?」 智さん「はっ?じゃなくて普通退院日決まったら連絡するでしょ。」 「・・・・・・はい。ごめん。」 智さん「いつまで実家?」 「・・・・明後日まで・・」 智さん「車持ってる?」 「自分のは京都に置いてきた」

2013-08-21 18:38:45
@switchonly1

智さん「明日、ちょっと時間作って」 「・・・・・・・。」 なんなんだ?悩んだ挙句、というか少し裏心も働いて僕はOKの返事をした。 翌日の朝9時に家に向かいに行くということで約束した。 勿論、麻里子には内緒にしておこうと・・・・。 親父に車を貸してくれと頼んだら 父「絶対、汚すな」

2013-08-21 18:44:15
@switchonly1

その当時、父とはうまくコミュニケーションが取れていなかった。 大学進学の件で、父は近くの通える大学に行けと言っていたが、 僕は父を背き、 「自分で学費を捻出するから好きな所に行く。」 とほざき、完全に親子喧嘩というか馬が合わない状態だった。 だから車を貸してくれたのは、奇跡なのだ

2013-08-21 18:50:08
@switchonly1

父の行動の奇跡には実は裏付けがあったのだが そては母に事後報告していた事によるもので、 昔気質な父も母には従順で、母の一言によっていつも 彼の世界観は崩壊したり構築されたりするものだった。 案外、今回は僕にとって追い風的な崩壊だった気がする。 「・・・・・ありがとう。借りるわ」

2013-08-24 21:35:27
@switchonly1

次の日。 僕は6時頃に目覚め、ちょっとしたお洒落をし、 智さんの家まで父の車で出かけていった。 僕の家から智さんの家に行くのは電車では2時間30分ほど掛かるが 車だと、1時間ちょっとで到着する距離だった。 車内のBGMは当時お気に入りだった Vanessa Williamsだった

2013-08-24 21:41:53
@switchonly1

道もさほど混雑もせず予定通り9時前に目的地に到着。 インターフォンを恐る恐る押した。(今でも人の家のインターフォンに緊張する。) IF「はぁ~い」 「○○です。おはようございます。智さんとお約束したので来ました。」 IF「はいはい。聞いてますよぉ~」 「・・・・・。」

2013-08-24 21:46:30
@switchonly1

IF「ごめんね。あの子まだ用意出来たないって・・・上がって来て」 「・・・・っはい。お邪魔します」 母親の声はなんとも浮かれた声で少女の様だったのを覚えてる。 「お邪魔します・・・」と玄関を開けると 母親「いらっしゃい。おはようね(笑)」 「おはようございます。初めまして・・・」

2013-08-24 21:50:04
@switchonly1

ちゃんと挨拶をと思い名前から言おうとすると 遮られ 母親「聞いてるわよ(笑)。京都で赤いサンタさんが倒れてたって(大笑)」 「・・・えっ(汗)・・・はぁ・・・・」 何という説明なんだ。はしょりすぎてて、人間でもないのか? サンタは人間か?確かに赤いスーツ着てましたけど・・・・。

2013-08-24 21:53:55
@switchonly1

と、挨拶も途中に玄関開けて横のドアから ?「いらっしゃい」 男性の声・・・父親らしい。 ちなみに平日の朝9時にお伺いしているので、当時の僕には 父親がこんな時間に家にいるのが不思議でしょうがなかった。 母親に導かれ、リビングにお邪魔すると数えられない程の猫達が 一斉に・・・逃げた

2013-08-24 21:58:00
@switchonly1

正直びっくりした僕に 母親「気にしないでね。この子達怖がりだから、あなたにもすぐ慣れるわよ。」 猫目線な発言を頂き、僕はソファーに誘導された。 母親「ごめんね。あの子準備すごい時間かかるのよ(笑)」 「いえ、気になさらずに・・・早く付いちゃったから・・・すみません」 紅茶が出た。

2013-08-24 22:02:52
@switchonly1

ちょっと飲んだことのない紅茶で、名前は、ラプサンスーチョンと言ったと思う。 (変わった紅茶だな。香ばしい感じ・・・・) などと思い紅茶を啜っていると、2階から大きな声で 「お姉ちゃん、私のワンピース着たでしょっ」 「もう、最低ぃぃ。」 階段の降りる音とともにドアが開いて彼女が来た

2013-08-24 22:08:33
@switchonly1

智さん「もうちょっと待ってね。ごめん」 ドアを締め、階段のドタドタ音。 返事もできず、挨拶も出来ない僕に 母親「いつも、ああなのよね(笑)。あと30分はかかるわよ(笑)」 「・・・・・・あっ・・・はい。」 母親「テレビでも見る?」 「いえ、ちょっと車路駐なんで見てきます。」

2013-08-24 22:12:11
@switchonly1

母親「いいわよ。家の前でしょ。ここ大丈夫だから。」 笑顔で根拠のない経験だけの理論を突きつけられ、 本当は居心地が悪いので、煙草で時間を紛らわそうという計画は 一撃でぶち壊された。 待ってる時間は先ほど母親が言った30分ぐらいだったが、 僕にはかなりの長い時間に感じた。

2013-08-24 22:16:54
@switchonly1

待ってる時間に母親にお礼をいい、会話は途切れ途切れで ギクシャクしていたが、一応の礼儀を果たしている時にドアが開いて 智さん「お待たせ。」 思わずテレビの上の時計を見て10時前・・・・。 「はい、待たされました(笑)」 智さん「今、時計確認したでしょ(怒)。」 「・・・・。」

2013-08-24 22:21:36
@switchonly1

出かける前に父親らしき人の部屋に向かって 「お邪魔しました。また娘さんを送ってきますので、失礼します。」 智さん「行こうよ、早くっ」 「・・・・・早くって・・・・・」 母親にも一通りの挨拶を済まして、僕達は家を出た。 彼女と初めて出かけた(デート?)のがその日だった。

2013-08-24 22:27:14
@switchonly1

僕は不思議に思ってることがある。 京都で僕を助けた日はクリスマス・イブの夜。 彼女はあの日あの時間に四条大橋で独り何をしていたんだろう。 智さん「体もう治ったんでしょ?思いっきり遊ぼうぜぇ」 付き合ってる麻里子とは正反対に行動的というかボーイッシュな智さん。 「どこに、向かう?」

2013-08-24 22:31:31
@switchonly1

智さんが行きたいところは、海遊館でした。 僕は、まだ海遊館に行ったことがなく。なんとなく南港にあるんだったっけ?位の知識。 「智さん、道わかる?」 智さん「南港のほうだよ。今が外環走ってるから途中で310号線に入ろうね(笑)」 完全に馬鹿にした言い方で、道を促されたのを覚えてる。

2013-08-24 22:45:15
@switchonly1

310号線を北上して堺市に入ったところで 智さん「お腹空いた。朝から何も食べてないよぉ。」 「なんか食べようか」 僕たちは街道沿いのロイヤルホストに入った。 何を食べたか全く覚えていない。 1時間以上智さんの話を聞いていたのは覚えている。 楽しく話す彼女の映像は今でも残っている

2013-08-24 22:51:44
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