《「国が責任を持つ」と言っても、汚染水問題は解決しない》

東電事故原発の汚染水問題は、ますます深刻であることが分かってきました。 政府が「責任を持つ」と言って、原子力規制委員や経済産業大臣が視察をしていますが、それで安心するわけには行きません。 自己ツイートをまとめました。
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宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

「できるかできないか」を抜きにして「世界の叡智を結集」とか「日本の国の全力で行う」とかいう表現を使って対策を求めるのは、敗戦直前の大日本帝国海軍に「総力を挙げて米軍の艦艇を何とかしろ!」と言うのと。同じものだと感じるんだよね。方法論もなく、リソースも確保できない状況では、無理だよ

2013-08-25 11:19:17
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

「国が責任を持つ」事に関して、過大な期待を抱かないように警告しておく。東電事故原発に関する、東電の処置は、金も人も技術もかけないお粗末なものである事は事実だ。しかし、国が「責任を持つ」と言っているのは「予算から経費を(幾らか)出す」というだけ。人を確保する方法も、技術も、ない。

2013-08-25 18:12:16
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

「国が(幾らか)金を出す」事で事態を好転できるほど、事態は簡単なものではない。これまで1円も出さなかった事を変えるとは言っているが、どこにどれだけ金を出すかは、まだ言っていない。これは推測だが、政府は「何か言っておいたほうが良い」程度の認識で「責任を持つ」と発言しただけだろう。

2013-08-25 18:15:50
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

何をどうしなければならないか、どこに金を使う事が必要か、ということを、原子力規制庁と調整して政府が決めている、という形跡は、政府関係者の発言の中には見られない。「これから東電に聞いて、金が足りなくて雑になった事を聞いて、その内の幾つかに金を出せば良いだろう」と考えているのだろう。

2013-08-25 18:20:52
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

東電原発事故の問題点の一つは、本来採算を度外視した安全策を講じて使うべきだった核エネルギーを、採算重視で運用し、ありえない深刻な事故を発生させた後も採算性を否定せずに事故対応を続けさせたことだ。事故前でも採算性が疑わしかったのに、事故後もその感覚を変えることができなかった。

2013-08-25 19:20:00
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

今回政府が表明しているのは、言葉のうえでは「今後は、事故原発の対応に国が責任を持つ」。実態としては、次年度の予算にいくらかの事故原発対応費用を組み入れることだだけだ。何にどれだけ予算措置をするかは明言していないし、東電を清算して国の直轄にすることなどは全く念頭にもないだろう。

2013-08-25 19:22:46
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

国が予算措置をする、として。具体化する際に見直したほうが良いことは、裏読みや深読みをしなくとも、ありすぎるほど見つかる。簡単な所では、事故原発の対応に使っている「モノ」に関して、東京電力は原発サイトで調達可能な「ありもの」で間に合わせる癖が全く抜けていないので、そこに金をつける。

2013-08-25 19:23:13
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

ただし、「現場」に使うものは、金を掛けさえすれば適切なものが入手できるとは限らない。モノを決める担当者には予算を決める能力だけでなく、適切なものを選ぶ能力がある人間を見定め、相談する力が必要だが、前代未聞の原発事故でものを選ぶ能力がある人間を探すだけでも相当困難だろう。

2013-08-25 19:23:35
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

モノを買う話は、今回直面している問題の中では、一番簡単な話と言えるのではないだろうか?汚染水の話では、そもそもどこにどう処理するのが良いかというところから考える必要があるのだが。 「中程度に汚染」された事になっている今回の漏洩水は、さすがにそのまま海に流すわけには行かないだろう。

2013-08-25 19:24:08
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(感動に水を差して申し訳ないんだが、今日本テレビで紹介している父親は、震災発生直後から、何度もあちこちで取り上げられている男性。他にもたくさんの被災者・被害者はいるのだが、顔出しでこのような取材をOKできる人は、今でも少ない)

2013-08-25 19:26:07
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

では、汚染された水を貯蔵するとして、あの原発敷地内に、トラブルを少なくして貯蔵タンクを作ることが可能な場所はあるのだろうか?地下水の量を考えると、タンク設置に適した場所は、あの敷地には存在しないように私は思う。が、設置場所を再検討するような話を政府は考えていないだろう。

2013-08-25 19:30:48
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

もう少し根本的な話をすると、汚染水の処理方法そのものをどうにかすべきだと思うのだが、処理方法を検討しようという話まで、政府は考えるつもりはないだろう。とにかく、今の方法を大きく変えずに局所的に、金を渡すだけで何かをした、という実績を残したいだけだ。それ以上の意図はない。

2013-08-25 19:51:45
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

「政府の意図はともかく、東電から権限を奪い、収束まで持って行くのが当然だ」と私も考える。が、今の日本政府に何ができるだろうか?例えば、政府が直轄化すれば、事故原発の作業員に、今よりも作業に熟練した人を、今よりも多数集めることができるだろうか?

2013-08-25 19:55:16
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

現在の東電福島第一原発で、事故対応のために必要な人材とは、事故を起こしていない原発を運転したり修繕したりするための作業員とは、大きく異なる。毎日数百万トンの、どれだけ汚染されているか分からない水を扱うなどという仕事は、事故を起こしていない原発では不要な作業だ。通常の作業ではない。

2013-08-25 19:58:37
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

政府の直轄と言っても、現場で作業させることになるのは、ゼネコンとその下請け企業になる。ゼネコンと下請けを政府が管理できないのは、除染作業のときに福島県では実証済みのことだ。結局、作業経験を偽った人間を下請けが集めて書類を作り、うすうす偽装に気づいているゼネコンが使うだけだ。

2013-08-25 20:07:44
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

優秀な土木作業員の皆さんは、多くの場合放射性物質が飛散している可能性がある場所で働くための教育も訓練も受けていない。まして、復興特需があり、政府の「国土強靭化計画」がある中、ただでさえ建築土木の人材は払底して、単価が上昇していると聞く。事故原発の処理に政府が人を集めるのは困難だ。

2013-08-25 20:14:37
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

土木作業と、放射線防護、さらには放射性物質の拡散防止。そんな困難な条件を合わせて考える部門は、これまで殆ど充実も拡大もされてこなかった。管轄が民間企業から政府に代わったからと言って、数ヶ月で人材を育てることは著しく困難だろうし、現場で作業できる人を増やすことも難しい。

2013-08-25 20:26:27
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

ちょっとだけまとめると、政府が関係して、たとえ労働現場に関わろうという気になったとしても、すぐに改善できないことは明らかだし、時間を掛ければ何とかできる見込みは薄いだろうと私は考えている。労働環境の改善にしても、他の労働現場との整合性を考えると、望みは薄いだろうと思う。

2013-08-25 20:34:52
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

もう一つ、重要なことがある。技術開発の問題だ。今まで人類が管理したことがない性質の液体を、津波や地震や地盤沈下や、場合によっては液状化の可能性さえある場所で、少なくとも数十年貯留できる技術を開発しなければならない。おそらく、その分野には国は直接手出ししようとは考えないだろう。

2013-08-25 20:41:53
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

技術開発のために、使える時間は、実はもう残されていない。今すぐにでも使える技術で急場をしのぎながら、長期間使える技術を平行して開発しなければならない。しかも「今すぐに恒久的な技術を使って、住民を安心させろ」という無茶な要求を絶えず受けながらの技術開発になる。

2013-08-25 20:45:33
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

もし恒久的な技術を開発したとしても、今後どこかに応用できるかどうか分からない技術だ。ここまで深刻な水の汚染を伴う核事故が、再度世界のどこかで起きるという想定は、嫌われるだろう。他に使えない技術の開発に投資できる予算も人材も、どうしても限定されるだろう。

2013-08-25 20:48:53
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

例えば、原子力規制庁が本来行うべき職務に立ち返って、事故原発の汚染水処理の技術開発に本腰を入れようとしたとする。それは、果たしてどのようなポストの下に設置される、どのような部門なのだろうか?技術的に考えると、文部科学省との連携なども重要だと思われるが、文部科学省の反応はどうか?

2013-08-25 20:53:05
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

さらに、汚染水に関して考えなければならないのは、事故発生直後に私(たち「不安を煽る人」と呼ばれた人間)が予測した通り、沿岸諸国が汚染の影響に注目してきた。諸国の不安に対応するとなれば、汚染水処理の早期化は、さらに強く要求されて行く。しかも国際的な要求を優先する形の処理を。

2013-08-25 21:05:59
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

国際的な要求は「外海に汚染をもらすな」ということになるだろう。その要求は、「周辺地域に汚染を拡大しない」という条件とは、必ずしも一致しない。また、外海にもらさないために、国内での汚染水保管場所を拡大しなければならないかもしれない。場合によっては、自治体の境、県の境を越えて。

2013-08-25 21:11:51
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

もう一度まとめなおす。①日本政府が言った話は「汚染水処理に国の予算を幾らか支出する」事だけ。全面的な責任負担は約束していない。②政府が全面的に責任を持っても、人材の確保は非常に困難。③政府が全面的に責任を持っても、必要な技術開発は困難。

2013-08-25 21:21:40