【閲覧注意】豆腐メンタルの人は回避推奨

娯楽小説における、キャラクターの製作法
5
鳥山仁 @toriyamazine

【娯楽小説論・試論】娯楽小説における、キャラクターの製作法(娯楽小説が書けない人向けのインスタントキャラ製造法) ※今回はきつい文言が並ぶので、豆腐メンタルの人は回避推奨。

2013-08-23 12:59:48
鳥山仁 @toriyamazine

(1)キャラクター、特に主人公の設定は「予想外の出来事が発生する」という娯楽小説の原則に則って行わなければ意味がない。ただの枝葉末節になってしまう。物語を書くのが下手な作家志望は、この点を全く理解していないために、キャラクターの重要性を説明されればされるだけ混乱し……

2013-08-23 13:00:03
鳥山仁 @toriyamazine

(2)……ストーリーとは無関係な設定を増やしては、更にその前に作った設定との整合性を重視して、矛盾を無くすために更なる設定を作るという悪循環を起こして話そのものを作らない。正確には、恐らく物語に興味など持っていない。

2013-08-23 13:00:17
鳥山仁 @toriyamazine

(3)それでは、娯楽小説に則ったキャラクターの製作法とは一体どのようなものだろうか? 具体的、かつ単純に説明をしていこう。たとえば、貴方が悪が蔓延する世界で正義を貫くヒーローの話を書きたいと思ったとしよう。そこで登場させる主人公は……

2013-08-23 13:00:31
鳥山仁 @toriyamazine

(4)……「予想外の事態が発生する」という娯楽小説の原則に則れば「悪人」や「犯罪者」、「利己主義的な性格」という側面を持っていなければならないことが瞬時に分かるはずだ。何故なら「悪人が予想外の事態が発生した結果として正義をなす」というのが……

2013-08-23 13:00:44
鳥山仁 @toriyamazine

(5)……娯楽小説の正統的な手順を踏んだ話の展開になるからである。つまり、娯楽の世界で「正義」について語りたいのであれば、「正義をなすための正義のヒーロー」を登場させてはいけない。もちろん、商業作品としてはOKなのだが娯楽としてはむしろ変則的な手法になってしまい……

2013-08-23 13:01:18
鳥山仁 @toriyamazine

(6)……結果として物語が詰まらなくなる=失敗する確率を跳ね上げる。「正義感の塊で、正義の為に戦う主人公が、一生懸命戦って勝つ」という話のどこに意外性があるのだろう? こうやって文章に起こすのすらかったるい、粗筋の段階で詰まらないことが明白なストーリーとキャラクター設定だ。

2013-08-23 13:01:49
鳥山仁 @toriyamazine

(8)正確にはキャラクターは物語を構成する要素の部分集合に過ぎないのだが、前述した方法だと簡単にキャラクターのプロフィールを決められるために、実践ではストーリーを作った段階で自動的にキャラクターの方向性が決まると言うことになる。

2013-08-23 13:02:21
鳥山仁 @toriyamazine

(9)たとえば人と人の絆や繋がりを描きたいのであれば、娯楽小説の主人公なら、孤独を好んだり、自発的に友達を作らない性格であることが望ましい。何故なら「孤独を好んでいた主人公が、予想外の出来事のせいで他人を助けざるを得ない」という話が自動的に思いつくからだ。

2013-08-23 13:02:31
鳥山仁 @toriyamazine

(10)逆に前述の法則をひっくり返せば、描きたいキャラクターが決まっていると、自動的に話の筋も決まって来るという事になる。これが、小説執筆初心者を混乱させる原因になるのだが、本稿ではあくまでもストーリーを先に書く方法を推薦する。

2013-08-23 13:02:41
鳥山仁 @toriyamazine

(11)その理由に関しては、何度も繰り返しているように「予想外の出来事が起きる」という娯楽の基本を肌感覚で理解していなければ、オーソドックスなキャラクターの作り方も分からないからだ。また、こうやって説明をしないと物語における主人公の意味も理解できない人が多いというのもある。

2013-08-23 13:02:51
鳥山仁 @toriyamazine

(12)つまり、批評家によくありがちな、主人公を「物語世界を理解するための覗き穴、ないし基準点」だと〝しか〟理解せずに物語を解釈しようとするという方法に囚われ、視点問題に意識が向きすぎて肝心の原則を失念してしまう。

2013-08-23 13:03:06
鳥山仁 @toriyamazine

(13)もちろん、評論家、あるいは評論家志望がこうした失敗をするのは全く問題がない。彼らは話を作らないからだ。だが、実作者は違う。貴方は話を作る側なので、このような間抜けな失敗は許されない。そして、本書ではこのような間抜けの数を減らすために……

2013-08-23 13:03:17
鳥山仁 @toriyamazine

(14)……キャラクターから話を作るという、実践では比較的よく行われている方法を推奨しない。つまり、主人公を「物語世界を理解するための覗き穴」だと思い込んでいる状態で話を作ろうとしても失敗する確率が高いのだ。

2013-08-23 13:03:27
鳥山仁 @toriyamazine

(15)だから、キャラクターよりも先に話を作らせることによって、初心者の何割かが必ず陥る「話が作れない」という状況を味わって貰い、そこから自分の能力がどの程度なのかを嫌と言うほど味わっていただきたい。

2013-08-23 13:03:40
鳥山仁 @toriyamazine

(16)残酷かも知れないが、大半の作家志望は話を「作る」事ができない。どこからか引っ張ってきた、既存の話にアレンジを加え、そのバリエーションができれば儲けもの。これが作家、及びに作家志望者の大半にとっての現実である。(以下は原則に則ったキャラクターのパターン提示)

2013-08-23 13:04:04
今野 @imano_I02

@toriyamazine 質問です。キャラクターより先に話を作るという場合に「話の中で動かす仮の人物をとりあえず設定する」というのもダメなんでしょうか。「A君は○○の国に向かうことになった」みたいな。

2013-08-23 13:30:48
鳥山仁 @toriyamazine

@imano_I02 いや、問題ないですね。むしろ、その方が後で変更がききやすいと思います。

2013-08-23 14:42:25
鳥山仁 @toriyamazine

@mamumoo まむむーさんは長編小説の目安である400字詰め原稿用紙300枚以上の作品を、今までどれぐらい仕上げてますか? それが「今まで書いた」作品の数ですよ。誇張なら「幾らでもできる」と言えますが、現実は違います。それに、長編小説を起承転結で書く事はまずありません。

2013-08-23 23:17:31
鳥山仁 @toriyamazine

@mamumoo 当然長編小説です。短編であればキャラクターは記号でも問題無く機能します。ミステリも長編なら特に起承転結という構成を採っているわけではありません。短編の一部に、そうした四分割の構成があるだけです。

2013-08-24 00:27:57
鳥山仁 @toriyamazine

@mamumoo 色々詰め込みたいのと実作で完成させた作品の枚数は違います(困) 私が説明しているのは実作上でのテクニックについてです。つまり、色んなアイデアがあったとしても、実際に書こうとしたらできなかったという話はよくあります。その点を伺いたかったんです。

2013-08-24 00:58:12
鳥山仁 @toriyamazine

@mamumoo いや、単純に400字詰め原稿用紙換算の枚数なりキロバイト数を教えて欲しいんですよ。一番長い作品で、どれぐらい書いてますか?

2013-08-24 01:19:20
鳥山仁 @toriyamazine

@mamumoo それで、ここからが重要なんですが、その長編では主人公は固定されていますか? 文章を書く時に視点が固定されているかという意味です。

2013-08-24 01:45:17
鳥山仁 @toriyamazine

@mamumoo OK! だとしたら、この問題で悩む必要性は全くありません。話が書けない人は、今まで並べた条件をほとんどクリアできないんですよ。

2013-08-24 02:16:09
鳥山仁 @toriyamazine

@mamumoo フェチと強迫観念には密接な関連性がありますし、比較的混合しやすい組み合わせも存在しますが、AというフェチとBというフェチがくっつくかどうかはその人次第という面があります。

2013-08-24 03:49:15