酢堂提督(仮名)の艦船講座2

5
SUDO @sudo_simoigusa

重巡洋艦とは面白い艦種で、軍縮条約によって生まれ、日米海軍が馬鹿みたいに建造した奇形軍艦、それが重巡です

2013-08-27 23:39:13
SUDO @sudo_simoigusa

本来の重巡洋艦とは軽巡洋艦キラーです。艦隊のワークホースとして何でもやる万能艦である軽巡は敵から見たらウザい敵なわけで、略軽巡的に使えて軽巡より強い。これが重巡洋艦というか大型重武装軽巡洋艦の始まり

2013-08-27 23:39:26
SUDO @sudo_simoigusa

これが軍縮条約で戦艦の数が大幅制限されたことで問題が生じます。最新鋭の強力な戦艦だけが戦艦ではなく、ある種の食物連鎖ピラミッドみたいにトップから下位まで強い奴から弱い奴までニッチが存在してたのです

2013-08-27 23:39:44
SUDO @sudo_simoigusa

最強戦艦は色々あって出せないけど戦力はそれなりに欲しいじゃん的な場合に出す二級・二流の旧式戦艦相当の戦力、これはすごく重要な駒です

2013-08-27 23:40:00
SUDO @sudo_simoigusa

さて軍縮条約で最新戦艦だけ他国と釣り合う数残して「主力艦」相当が消滅した結果、二線級戦艦等のニッチがぽっかり空いてしまったのです。最新戦艦は大事なので使いにくい以上、気軽に使えて強い艦、旧式戦艦の代わりになる代用二級戦艦が「条約型巡洋艦」こと重巡洋艦のニッチとなったのです

2013-08-27 23:40:19
SUDO @sudo_simoigusa

これは敵戦艦と味方戦艦の戦力がバランスしてるからこそ存在するニッチです。味方戦艦が余ってれば、余った戦艦がやる仕事です。だから周辺国より戦艦数に余裕のある英国は重巡にあまり力を入れなかったけど、戦艦数的に辛い日米は重巡に注力したわけです

2013-08-27 23:40:48
SUDO @sudo_simoigusa

そして戦艦をボコボコ作った大戦中の米国は重巡も腐るほど作りました。戦艦が余るのに作ったのは、高速で便利だってのもありますが、単純に艦隊全体を肥大化させてただけだということです

2013-08-27 23:41:04
SUDO @sudo_simoigusa

さて艦これでは重巡が中途半端とか言われますが、それは当たり前なのです。戦艦を出せるなら重巡要らないんです。ましてや高速戦艦あるなら重巡なんて・・

2013-08-27 23:41:29
SUDO @sudo_simoigusa

重巡にスポットライトあてるには、高速の複数艦隊を出す必要が有るといった、戦艦数が追いつかない状況を作る必要が有るのではないでしょうか

2013-08-27 23:41:48
SUDO @sudo_simoigusa

とはいえ速度パラメータが上手く作用してない現状ではこれも難しいんでしょうね。個人的には24-29ノットを中速、それ以上以下を高速低速としてしまえば良いと思うんですけど

2013-08-27 23:42:03

大塚さんによる補足

敵国のご隠居 @Fruskiy001

アメリカの重巡整備。最初の18隻はロンドン条約のお陰で、太平洋を挟んだ反対側にある島国の重巡兵力にどんな状態でも同等の兵力を保持できる数、として整備された。

2013-08-29 09:24:32
敵国のご隠居 @Fruskiy001

これのためもあり、1938年以降のアメリカは高くて一万トン軽巡に対費用効果が劣る、と一般的に考えられていた重巡の整備には余り熱心じゃ無い。

2013-08-29 09:25:42
敵国のご隠居 @Fruskiy001

二大洋艦隊整備計画で認められた重巡は当初4,最終的に8。対して軽巡洋艦はクリーブランド級32,アトランタ級4と大きく整備数に差が出る。

2013-08-29 09:27:58
敵国のご隠居 @Fruskiy001

空母の護衛艦・洋上警備の主力となるのは軽巡であり、それ故に大量整備が行われる。重巡は大西洋艦隊創設のための兵力抽出と、日本の増勢に対処して最低限の増勢であの数となる。

2013-08-29 09:29:18
敵国のご隠居 @Fruskiy001

開戦直後の計画改定で、クリーブランド級軽巡は更に2隻増えて34。重巡はそのままとされる。

2013-08-29 09:31:01
敵国のご隠居 @Fruskiy001

コレが大きく変化するのは、1942年6月のこと。ミッドウェー海戦で撮影されたミクマさんの写真で、日本が一万トン軽巡の方を換装して重巡にする、という掟破りをしていたことが確認されたため。

2013-08-29 09:32:51
敵国のご隠居 @Fruskiy001

日本の一万トン軽巡が全て八インチ砲搭載艦に改装されている可能性を受けて、1942年8月の艦隊増勢計画では重巡10隻の追加整備が認められる。空母の大量増備に対処して、軽巡も大型15,小型3が増備される。

2013-08-29 09:39:08
敵国のご隠居 @Fruskiy001

この直後からソロモン水域でのドンパチが始まり、その結果6インチ巡洋艦が日本のタフな軍艦を早期に戦闘不能とするには力不足、という判定を受けると、米海軍の巡洋艦整備は完全に重巡重視にシフトする。

2013-08-29 09:41:08
敵国のご隠居 @Fruskiy001

1943年にウォースター級の整備数の多くをデモイン級の建造に振り替えるのはそのため。

2013-08-29 09:43:18
敵国のご隠居 @Fruskiy001

だから戦時の米重巡整備は単にバランス良く作ったわけでは無く、色々な事情を受けて方針が結構振れているのであります。

2013-08-29 09:44:27
敵国のご隠居 @Fruskiy001

以上、朝の意味が無くて詰まらない米重巡整備のお話でした。終わり。

2013-08-29 09:45:02