【愛で】試練を与えてみました(* ´ ▿ ` )っ―*゚+。.。₀:*゚✲゚*:₀。.
- aria0rideregatt
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@kurosyake 最初にあなたに手を差し伸べ、名前をくれた家族の顔が浮かびます。けれど犬の本能は「こっちの方が生き残れるぜ!」と言っている…貴方はその手をとっても構いませんよ?ああ、タイミングが悪いですね。家族が貴方の名を呼んでいる…。
2014-01-16 01:49:46@kurosyake まあ……何と素晴らしいわんこでしょう。貴方は試練に打ち勝ちました。どんなに飼い馴らされた犬でも抗い難い本能的な欲望…けれど貴方は、それより大切な絆をしっかりと見つけていたのですね。貴方の深い愛と誠実な心を祝福します。そのぬくもりを大切にしてくださいね。
2014-01-16 01:53:07@kurosyake 仕方ありませんね〜〜今回だけは特別ですよ?試練に打ち勝ったご褒美です!この高級ジャーキーをなんと…2本もあげちゃいます!2本以上はおなかをこわすからダメですよ?
2014-01-16 01:55:14@shoko_s【いのちのいし】
@shoko_s 貴方は霧深い谷に住んでいる。そこでは他にはない花が咲き、他にはない鉱石が取れた。小さな村だったので、人々は皆家族のように生きてきた。ある日貴方が朝露に濡れる花を摘んでいると、高く聳える崖の下に陰が見える。霧の中でも見通す貴方の目にはそれが人影であるとわかった。
2014-01-16 19:45:08@shoko_s 駆け寄った貴方は血濡れた鎧に不安を覚えながらもその若者を介抱した。意識のない彼に一つの石を握らせて。数日経つと彼はすっかりと元気になった。意識を取り戻す前に石を隠したかったが、あまりに酷い傷だったので握らせたままだった。
2014-01-16 19:45:54@shoko_s 彼は朗らかで真摯な目をしていた。貴方たち村人に感謝し、動けるようになってからは出来る限り働いた。けれど騎士である彼はこの平和を捨て国に忠義を果たしに行くと言う。別れ際、貴方の手をそっと握り締めて彼が乞う。
2014-01-16 19:46:53@shoko_s 「戦争が終わり、この忠義を果たせたら…今度は貴方にこの命を捧げたい。許してくれますか」貴方の返事を聞き去っていった彼と、再び会う事が出来たのは燃えるような夕暮れの中。不躾な足音が花を踏み潰してやって来る。
2014-01-16 19:47:13@shoko_s 石は渡せないのだ、答える村人と迫る騎士の間に彼が飛び込んだ。苛立つ騎士の剣が彼に向けられる。赤く染まった空が沈む。刈り取られた石の抜け殻だけが倒れ伏している。貴方たちの溢れる魔力が花を生んで、それを食む事で石を作った。貴方に覆い被さる彼の呼吸が儚くなっていく。
2014-01-16 19:48:16▶運命に抗う
@aria0rideregatt 剣の、鎧の、金属の靴の音すべてが凶器だった。まだ血が出ていないだけで。このまま私も同じ抜け殻になる。何も知らない騎士達は、谷中を探し回るだろう。それが徒労とも知らず。かくして秘密は閉じられ、守られる。それが私の罰だと、家族達が言っている気がする。
2014-01-17 20:54:12@aria0rideregatt それは悪魔の誘惑に似て――似ているなら、それは家族の声ではなく、私の声だ。遡れば、私がすべきでなかった事はいくつもあった。彼がすべきでないことも、きっと。騎士達から見えないよう、胸に手を当てる。彼らは私をただの村娘ではないと思っているだろうか?
2014-01-17 20:54:20@aria0rideregatt 「『せんそう』や『ちゅうぎ』が果たされてなくても」他の誰にも聞こえないよう、そっと囁く。「私に、捧げてくれますか?」胸から抜き取った石を、彼と私の手に。両手を離さずに。こんなこと、試そうと思った事もない。けれど、他に何も思いつかなかった。
2014-01-17 20:54:27@aria0rideregatt 私とあなたの両手に、最期の石を。――これ以外、あなたを助ける方法を思いつかない。騎士達は、あなたも斬ったのだから。彼をどうにか――あの時のように引きずるべく、体を起こす。とにかく、霧の中へ。彼には確か、霧を見通す目はなかった筈。騎士達もそうなら。
2014-01-17 20:54:33@aria0rideregatt いっそ、河に飛び降りた方が早いかもしれない。ただ、何処へ行こうと、絶対に、この手だけは離さない。「生き延びたら、私を。私のかわりに、私を、許してくれますか?」村で過ごした時の温もりとも、分かれた時の痛みとも違う、この心が、愛ではないとしても。
2014-01-17 20:54:40@aria0rideregatt 「平和に過ごしたあの時が、いちばん幸せだった。守ってくれた時が、にばんめに幸せだった」役立たずの石の抜け殻の私と、どちらにもなれなかった騎士のあなた。しあわせの保証は何処にもない。「捧げて、くれるのなら。少しでも長く、一緒に生きたい」
2014-01-17 20:54:46@aria0rideregatt ――別れの時と同じ言葉。目の前は、あの時の霧より深い暗闇。あなたを引きずるように、一歩を踏み出す。泣きたくなるほど、弱い一歩目。
2014-01-17 20:56:49@shoko_s 素晴らしい、私は貴方の選択と覚悟を祝福します(* ´ ▿ ` *)貴方は試練を乗り越えました。人は後悔の繰り返し、されどその先に夢を見るもの。手の中の温もりを落とさぬように、今はただ前を向いておゆきなさい。ーー貴方の輝き、しかと見せて頂きました。
2014-01-17 21:29:28