![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
今年の夏、雨が降ればなぜ、ほぼ確実に「猛烈な豪雨」になるのか
-
minna_no_kinop
- 4646
- 0
- 1
- 0
![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
1.近年、夏場に降る雨が非常に激しくなっていますが、その原因に北極海(バレンツ海=ロシアとヨーロッパの境付近の海域)で温暖化が進行しており、それと関係があるのではないか、との議論が出ています。
2013-08-31 17:25:20![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
2.まずは夏における日本の天気の特徴を申します。夏は太平洋高気圧が南の海上から日本列島に張り出し、晴れて蒸し暑い天気をもたらします。その一方で、太平洋高気圧は周期的に勢力が強まったり弱まったりします。
2013-08-31 17:27:10![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
3.太平洋高気圧が一時弱まると、高気圧のへりを回る「温かく湿った空気」の影響で山沿いや盆地を中心に積乱雲(入道雲)が発生し、局地的に雷を伴った激しい雨(夕立、にわか雨、ゲリラ豪雨)をもたらします。
2013-08-31 17:28:49![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
4.これだけですと、今年も例年の夏と何ら変わらない、ありふれた現象が起こっていることになりますが、問題は雨の規模です。「これまでに経験したことのないような大雨」とか「短時間における観測史上最多雨量」とか、今までになかった位の猛烈な降りになっているのです。
2013-08-31 17:30:21![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
5.雨の降り方をより激しくしている元凶は一体何なのか。正解だけを単刀直入に申し上げるならば、今年は「太平洋高気圧と上空の寒気(かんき)が、ともに異常に強いから」と言えるように思います。
2013-08-31 17:32:17![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
6.今年は皆さんもご存じのように、夏の空気を運ぶ太平洋高気圧が非常に強く、猛暑日の史上連日記録を更新した所もそこここと発生し、国内史上初となる41℃の大台を破ってしまいました。
2013-08-31 17:34:10![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
7.地上がそのようなうだる暑さになっている時に、北から冷たい空気が日本上空に張り出し、その結果、対流が非常に激しくなって積乱雲が次々と発生、かつ異常に発達し、猛烈な豪雨をもたらしているのです。
2013-08-31 17:36:33![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
8.しかしここで、一つの疑問が残ります。 なぜなら、上空の寒気というのは、冬に大陸から日本上空にかけて大きく張り出してくる「シベリア高気圧」から吹き込む冷たい空気の事であり、本来ならば冬とその前後にしか日本にはやって来ない筈なのです。
2013-08-31 17:38:24![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
9.ところが、ここ数年では夏場(梅雨など)でも「上空に寒気が入る」とか「上空の寒気の影響で大気の状態が非常に不安定…」といった言葉を天気予報で耳にします。つまり、夏場にも拘らず、未だ真冬並みの空気がぐずぐずと日本のすぐ北に居座っている状況が起こっているのです。
2013-08-31 17:40:49![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
10.一体なぜ、夏場なのに冬の空気が近接しているという異常な事態が起こっているのでしょうか? この原因こそ、北極海の温暖化と密接に関係しているといわれています。
2013-08-31 17:41:57![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
11.近年、北極海(バレンツ海)の氷の面積が年々減っており、その結果、バレンツ海で発生した低気圧が従来より北極へ近いルートを辿るようになったそうなのです。
2013-08-31 17:43:20![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
12.このためにシベリア高気圧の中心は北極寄りにずれ、そのために大陸で寒冷化が起こり、寒気がより強く(低温に)なっているのです。 ※写真提供:JAMSTEC(独立行政法人 海洋研究開発機構) http://t.co/MfYdSAC4UH
2013-08-31 17:45:58![](https://pbs.twimg.com/media/BS-_9iECMAA4of5.jpg:medium)
![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
13.その結果、東北の南部(福島県、山形県あたり)を境に、南は「季節の割に暑い」のに対し、北は「季節の割に寒い」という温度の二極化が生じました。 気象庁のデータを見ますと、3月と5月にその有様が顕著に出ています。
2013-08-31 17:48:02![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
14.例えば3月9日、福岡では夏日のぎりぎり手前である24.1℃と、この時期にしては高温を記録する一方、札幌では最高気温が氷点下の「真冬日」になっています。春分前にして「夏と冬が同居」してしまっています。 http://t.co/BMah8MvpyW
2013-08-31 17:50:02![](https://pbs.twimg.com/media/BS_A5ANCAAE87qb.jpg:medium)
![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
15.また5月6日は、福岡ではこの時期らしい(それでも少し暑い?)夏日の25.9℃を観測していますが、札幌では最高で7.7℃。桜が咲きだす時期とは思えない寒さです。この日もまた「夏と冬が同居した日」となったのです。 http://t.co/0Sqmb2GZAS
2013-08-31 17:52:45![](https://pbs.twimg.com/media/BS_BgzWCIAA8QQb.jpg:medium)
![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
16.これらの原因はほぼ先に申し上げた通りです。関東より南・西の地域では南海上の太平洋高気圧から吹き込む温かく湿った空気の影響(5月は強い日差しの影響もあり)で暑くなり、逆に東北より北側では強い寒気の影響で真冬並みの低温になったのです。
2013-08-31 17:54:24![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
17.太平洋高気圧は年によって発達の仕方がまちまち(エルニーニョ現象、ラニーニャ現象の発生云々等にも左右されるため)なので来年はどうなるのか不明ですが、寒気については北極の海水温暖化が収まらない限り毎年続く恐れがあると言えます。
2013-08-31 17:56:21![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
18.私たちには、地球環境について考え、地球温暖化問題に真剣に取り組む事が既に求められているのです。 (了
2013-08-31 17:57:14