#往来新人 「短歌往来」今月の新人欄を読む・第十一回
- hikaritoshigo
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【#往来新人 第十一回】吉田恭大(@tanka_daya )・千種創一(@chigusasoichi )による批評ユニット #砂上の塔 で短歌総合誌「短歌往来」の「今月の新人」欄を取り上げていきます。今回は8月号の廣野翔一さんを取り上げます。廣野さん、と今日は呼びます。
2013-09-07 20:29:291.お互いがお互いを刺す夢のことモヒートを飲みし後[のち]に告げたり /廣野翔一「遥けき湊」(短歌往来2013年8月号) #往来新人
2013-09-07 20:29:452.つばくらめ枝を飛び立つ鋭さで性欲が来る 手懐けるべし /廣野翔一「遥けき湊」(短歌往来2013年8月号) #往来新人
2013-09-07 20:29:513.心とは遥けき湊 言葉 船 ユリカモメ 僕はたどり着けない /廣野翔一「遥けき湊」(短歌往来2013年8月号) #往来新人
2013-09-07 20:30:005.橋梁はただそこに居て錆びてゆくそれを孤独と言えぬ僕らは /廣野翔一「遥けき湊」(短歌往来2013年8月号) #往来新人
2013-09-07 20:30:22※※※
3首目。一首中に体言止めの句を羅列してイメージを提示する手法はよくあるけど、結句でそのイメージに意味付けをしているのが丁寧だと思いました。心って自分の中にあるはずのものなのに、心に辿り着けない、ってすごく正直な発話だ。 #往来新人
2013-09-07 20:35:48夢・自衛隊の飛行機・ダイビング・銃弾 会いにゆくためなら /平岡直子「光と、ひかりの届く先」(第二十三回歌壇賞受賞作) これを思い出しました。丁寧さは廣野3首目の方があります。丁寧なのがいいかは別の話ですが。#往来新人 .
2013-09-07 20:47:15平岡さんの歌はもっと飛躍があるよね。語の間を読者に補完させるような飛躍。廣野さんの歌はある意味とてもロジカルにできているから、読者が意図を辿りやすい。 #往来新人
2013-09-07 20:50:24語の選択、フレーズとして読むとそういうキザさがむしろ悪目立ちするんだけど、歌の中の帰結=意味づけで読ませることによってバランスがとれている。 #往来新人
2013-09-07 20:44:17四首目がそういう意味ではかなりバランスがいいと思いました。花は静物だけど、それを渡したい相手、それから渡そうとする主体もまた静物じゃない。花/花屋の重ね方とか個人的にはとても好みです。 #往来新人 .
2013-09-07 20:48:01ただ、そういう丁寧さって裏を返すとインパクトに欠けるところもあって、歌が纏まりすぎてしまうこともある。語が意味のほうに収斂しすぎると、歌意が取れた時点で読みが終わってしまう #往来新人 .
2013-09-07 20:58:07例えば5首目、下の句の一人称複数形、「僕ら」とか大業な言い回しをしている割に、あんまり活かされていない気がするんですよね。 #往来新人 .
2013-09-07 20:58:45丁寧さについてさらにコメントすると、たまに丁寧なのが仇になってる。3の「遥けき」と「たどり着けない」とか、1の「お互いがお互いを」という意味上の重なり具合とか。ギリギリアウトな気がする。いわゆる、言い過ぎ、ではないと思うけど。#往来新人
2013-09-07 21:02:172の結句処理の丁寧さ、というか結句の踏み込みは好きだな。で、さんざん丁寧という語を使ってきたけど、それは構造や歌の展開の話であって、語の選択レベルでは結構荒いことない? #往来新人 .
2013-09-07 21:06:29