戦慄怪奇学園ダンゲロス「墓場の呪い」 #怪奇ダンゲロス

月刊ヤングマガジンで連載中の漫画、「戦闘破壊学園ダンゲロス」の第4巻発売を記念して原作者の架神恭介さんが連続投稿されていたのでとりいそぎまとめ。 漫画しか知らないよって人もこの機会に是非。
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架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

「な、なあに……。てるこ……。ひゃあああん」  クイッ、クイッと腰を動かしながらムツキが応える。 「ね、すっごいイイこと考えたんだけど……。今度の夏休み、剣道部のみんなで肝試しにここ使おうよ……」 「えっ……」  #怪奇ダンゲロス

2013-09-07 23:35:32
架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

「二人一組のペアになって、この墓石で角オナしてイッてから帰ってくるの」  #怪奇ダンゲロス

2013-09-07 23:36:09
架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

「はい、ストーップ!」  エースがまたしても止めた。#怪奇ダンゲロス

2013-09-07 23:36:57
架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

「あのね、キミたちね、何考えてんの? 本当にね、どうかしてるんじゃないの? それ、肝試しじゃないから。それ、ただの痴女試しだから。ちょっと一刀両」  エースは女子剣道部主将の一刀両断の腕を引っ張ってから、 #怪奇ダンゲロス

2013-09-07 23:38:03
架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

「お前の後輩だろ? バチーンと言ってやれよ」 「はい、先輩! 角マンってのはどういう鍛錬法なんですか!」 「……ごめん。もういい。お前はそのまま真っ直ぐに育ってくれ……」  #怪奇ダンゲロス

2013-09-07 23:39:17
架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

 エースは諦めて続きを促すと、ムツキはまたぶるぶると恐怖に身体を震わせて……。 「はい……。でも、その時はそのまま、あともうちょっとだけ、2時間ほど角マンしてからおうちに帰ったんです」 「…………」 「でも、本当の恐怖はそれからだったんです……!」  #怪奇ダンゲロス

2013-09-07 23:39:57
架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

「しばらくの間は何もありませんでした。でも、それから一週間が過ぎた頃でしょうか……。あの恐怖の夜が訪れたのは……」  ムツキは恐怖に怯えた顔で続けた……。#怪奇ダンゲロス

2013-09-07 23:43:13
架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

 その日は寝苦しい熱帯夜であったという。  深夜二時過ぎ、ようやく寝付けそうになったムツキは、不意に何かの気配を察して目を開いた。  すると、彼女の枕元にーー、ぼうっと人影のようなものが立っていた。#怪奇ダンゲロス

2013-09-07 23:44:35
架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

 恐怖のあまりムツキは絶叫を上げたーーつもりだったが、声は出なかった。身体もぴくりとも動かせない。金縛りだ。そして、枕元に立つ人影はーー、 「来い」 「もう一度来い」 「あの時のことを忘れるな」  と、何度も繰り返し呟くのだ。#怪奇ダンゲロス

2013-09-07 23:45:25
架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

人影は一つではなかった。徐々に人影は増えていき、無数の人影が彼女にそれを繰り返し告げた挙句、突如としてスゥーっと消えていった。同時に彼女の金縛りも解けたので、改めて彼女は絶叫を挙げたが、結局、その日は恐怖のあまり一睡もできなかったというーー。#怪奇ダンゲロス

2013-09-07 23:45:51
架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

「なるほど。それが、あの時の霊園の亡霊だった、とーー」 「私にはそうだとしか思えないんです」 「で、それから霊園に行ったのか?」 「まさか」  ムツキはぶるぶると首を振って否定した。#怪奇ダンゲロス

2013-09-07 23:46:35
架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

「その後は幽霊は?」 「いえ、それっきりです。でも……」  ムツキいわく、てるこはその時に亡霊に呪われたのではないか、と。いや、好奇心の強い彼女のことだ。ひょっとすると、亡霊に誘われるまま自分から霊園を再度訪れたのかもしれない。そして、その時に亡霊たちにーー。#怪奇ダンゲロス

2013-09-07 23:47:09
架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

「あの日から彼女の様子がおかしくなったんです。どんどん口数も減っていって、いつもボンヤリした感じになって。なんだか心ここにあらず、っていうか。ごはんもあまり食べてないみたいだし、彼氏の奇印先輩のことも避けてるっていうか、眼中にないっていうか……」  #怪奇ダンゲロス

2013-09-07 23:47:57
架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

 奇印はてるこの恋人だったのか、と、エースは一人納得した。  ということは、奇印は純粋にてるこの身を案じて剣道部を訪れていたのだろうか? #怪奇ダンゲロス

2013-09-07 23:48:38
架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

「てるこが部活にも来なくなって……。私、本当に怖かったんです。あんなバチ当たりなことをして、呪われても仕方ないって。てるこがもし本当に呪われたのなら、次はきっと、私の番だって……!」  #怪奇ダンゲロス

2013-09-07 23:49:53
架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

 ムツキはそこまで言ってぐすぐすと泣き出した。彼女自身、このまま自分だけが無事でいられるとは思ってなかったのだろう。本当は毎日恐怖に怯えて過ごしていたに違いない。エースは優しく彼女を抱きしめたが、「クッ、てことは敵は……」幽霊かよ、と思い彼はたまらず舌打ちする。#怪奇ダンゲロス

2013-09-07 23:51:57
架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

恐るべき攻撃能力『銛先』を持つ彼だが、果たして幽霊に通用するのだろうか? 卓越した剣士である一刀両も相手が幽霊では無力だろう。鏡子の性技もまさか幽霊相手に効くとは思えない。だが、 「ムツキちゃん、オレたちをそこに案内しろ」 「えっ……!」  #怪奇ダンゲロス

2013-09-07 23:52:26
架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

 エースは力強く彼女の手を握った。 「安心しろ。キミのことはオレたちが命に替えても守る!」  幽霊を相手に立ち回り、てるこを助けられるのか、エースにだって分からない。だが、彼はそれでも引くことはない。 「だって、オレたちは生徒会だからな」 「エ、エース先輩……」#怪奇ダンゲロス

2013-09-07 23:55:09
架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

 ムツキはたまらずエースに抱きついた!  そして、彼の太ももで床オナした!  彼女なりに精一杯感謝の意を表そうとしたのである。  120分ほど床オナした!! #怪奇ダンゲロス

2013-09-07 23:56:09
架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

 そうして、約120分後、ムツキは彼らを霊園へと導いたのだが、そこで彼らが目にした光景は、エースたちが事前に予想していたものよりも、遙かにおぞましく奇怪なものであったーー。#怪奇ダンゲロス

2013-09-07 23:57:33
架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

 霊園の中央には一際大きな墓石がそびえ立ち、その上に馬乗りになったてるこが狂ったように股間を墓石の角に押し付けていた。その周りを無数の亡霊たちが幾重にも取り囲んでいる。傍らでは、瞳をとろんと濁らせた男子生徒が、狂った笑みを浮かべながら、てるこの狂態を見詰めていた。#怪奇ダンゲロス

2013-09-08 00:00:01
架神恭介/作家・ゲームデザイナー @cagamiincage

 覚悟はしていたものの、その異常な光景はエースや一刀両の思考力を奪った。彼らが唖然として、思考に空白が生じた瞬間。  獣のような絶叫が彼らの背後から轟いた!  その、絶叫の主はーー、  #怪奇ダンゲロス

2013-09-08 00:00:46