【twitter小説】砂の魚#4【幻想】

砂漠で釣りをしている一人の男。水も無いのに彼はなぜ……? 不思議な男の物語。小説アカウント @decay_world で公開した物語です。この話はこれで終わりです
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減衰世界 @decay_world

 コーヒーを啜り、レジルは新聞を畳んだ。そしてミレウェの方に目を移した。ミレウェは相変わらず帝都の景色を楽しんでいる。新婚旅行が終わっても、彼女の好奇心は尽きることは無い。ミレウェは望遠鏡でセラミックプレートの街並みを眺めていた。 99

2013-09-02 22:02:56
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 帝都の景色はいつまでも飽きないものだった。巨大な重機が動き、工場は黒煙を上げ、街を行き交う魔法使いは色とりどりのマントを着ていた。不意にミレウェは屋根の上、雲の向こうに何かを見つける。 100

2013-09-02 22:04:53
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 それはとても小さく、雲の上にいるようだった。ミレウェは不思議に思い望遠鏡で拡大してみる。どうやら、人間が雲の上に座っているようなのだ。さらに拡大すると、ミレウェはそれに気付いた。そして笑顔を見せる。 101

2013-09-02 22:06:54
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 雲の上で……魚を釣っているクローキの姿がそこにあったのだ。 102

2013-09-02 22:08:31