渡邊芳之先生@ynabe39の「統計というのはもともと政治や行政が「全体的な傾向」をみて政策を決めるのに役立つから発達したもので、個人の将来を予測するものではない。」
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千の風になって。
北海道帯広市 · twilog.org/ynabe39
渡邊 芳之(わたなべ よしゆき、1962年4月22日 - )は日本の心理学者。帯広畜産大学人間科学研究部門(人文社会・体育学分野)教授。博士(心理学・東京国際大学)。 佐藤達哉、尾見康博との共同研究を中心に心理学論、心理学史、人格心理学や血液型性格分類の批判的検討などの分野に論文・著作を持つ。趣味はレコード蒐集。
http://ja.wikipedia.org/wiki/渡邊芳之
渡邊 芳之 -帯広畜産大学-
http://www.obihiro.ac.jp/ichiran/watanabe_yoshiyuki.html
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将来の全体的な傾向を統計的に予測することはある程度できても具体的な個人の将来を予測することなどほとんどまったくできない。来年日本でガンで死ぬ人の数は相当正確に予測できてもあなたが来年ガンで死ぬかどうかはわからない。
2013-09-12 04:43:00![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
交通事故で死ぬ確率はみんなおよそ同様に著しく低いが、それでも死ぬ人は一定の数いる。それが誰になるのかが予測できないから、みんなに「交通事故に気をつけろ」という。
2013-09-12 04:46:50![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
交通事故は「気をつければ防げる」という信念が共有されているから「気をつけろ」というのだけれど実際に気をつければ防げるのかは怪しいとも思う。
2013-09-12 04:53:16![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
この「統計的な予測と個人の将来の問題」についても中谷宇吉郎は「科学の方法」で実に巧みに書いている。「科学の方法」(岩波新書)はいまこそ読まれるべき。
2013-09-12 04:57:16![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「死ぬ確率が5%」と言っても左手中指だけが死ぬとか髪だけが死ぬとかではなくて、その5%に当てはまって死ぬなら100%死ぬのだし死なないなら0%なのだ。
2013-09-12 05:02:11![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
来年も交通事故で5000人くらい死ぬだろうからあれとこれを準備しておかないとならないみたいなことを決めるのには統計は明らかに役に立つ。しかし自分が交通事故で死ぬかどうかについては統計でがわからない。
2013-09-12 05:05:30![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
確率というのは常に「同じ条件の人が100人いた時にそのうちの90人が死ぬ」という話であって、そこにはかならず「死なないほうの10人」が存在するのだ。自分が「死なないほうの10人」であれば死は0%しかやってこない。
2013-09-12 05:18:30![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
統計では常に「群」が問題にされていてあなたについての予測は「あなたの属している群」についての予測だということ。あなたの属している群では死ぬ確率が90%まではわかってもあなたが90%のほうなのか残りの10%なのかはわからない。
2013-09-12 05:28:03![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
いろいろな条件によって群を細分化していくことはできるけれどどこまで行っても「ひとり」にはならない。また群を細分化すればするほど予測の誤差は大きくなっていく。
2013-09-12 05:33:44![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
統計というのはもともと政治や行政が「全体的な傾向」をみて政策を決めるのに役立つから発達したもので、個人の将来を予測するものではない。
2013-09-12 05:36:16![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
病気にならなくても年をとれば自然に余命の分散は小さくなっていく。「あなたはもう80歳だからあとせいぜい10年の命だよ」というのはまあ妥当な予測だがその人が100歳まで生きることもある。
2013-09-12 05:49:38