豊富な天然資源、権威主義、情報統制・・・/謎の国トルクメニスタンに迫る

旧ソ連の一つ、中央アジア・トルクメニスタンは天然ガスの埋蔵量世界4位。ガス輸出をてこに経済発展を遂げ、首都アシガバートは代理石でできた豪華な建築物が次々と建てられている。一方で,野党勢力への弾圧や言論の自由に対する制限は世界でも最下位ランクとされる。ベルドイムハメドフ大統領の訪日前にこの国を訪れた。その報告をする。
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関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

トルクメ76)もはやインタビューとは言えない、芝居がかったやりとりに取材を断る手もありましたが、外国メディアとの面会事態が珍しいトルクメニスタンの大統領ですから、特にガス分野での戦略、展望などについての発言があればそれはそれで収穫はありますし、(続く)

2013-09-12 17:06:55
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

トルクメ77)万が一不規則発言ができるかもしれないという一縷の望みを託して「インタビュー」に臨みました。記事はこちらです→http://t.co/nAOortwqyG

2013-09-12 17:08:19
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

トルクメ78)「インタビュー」では、大統領は終始にこやかに受け答え。日本語、トルクメン語の「同時通訳」が入ったのですが、あらかじめ決められた質問と答えを読み上げているようでした。しゃくなので趣旨は変えずに別の表現で聞いたのですが、その通りに訳されていないと気付く部分がいくつかあり

2013-09-12 17:15:13
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

トルクメ79)やりとりはトルクメニスタンの国営テレビが一部始終撮影していました。取材を取材する、というマトリョーシカ入れ子状態でした。私たちの後ろには割と年配のトルクメ側の記者がずらりと腰掛け、ノートパソコンやipadを、ほとんどの人が人さし指一本でバチバチ連打。(続く)

2013-09-12 17:19:14
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

トルクメ80)それでも大統領の発言スピードについていっている風でもなく、途中で指を止めたり。後で別の記者が確認したところ、画面にはあまりタイプされていなかったようです。やりとりはその後テレビや新聞で報じられたとのこと。これも国民向けの「演出」の一つなのでしょうか。

2013-09-12 17:21:01
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

トルクメ81)大統領「インタビュー」後、国営テレビ記者が私たちにインタビューを求めてきました。記者たちは国内向けのプロパガンダに利用されるのが嫌だったのでしょう。みんな断りました。私も断りかけましたが、いつも人に質問する側、いざ自分は答えないではフェアじゃないと思い、答えることに

2013-09-12 17:27:26
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

トルクメ82)日本語で、と言われたのですが、都合のいいように翻訳されても困ると思い、ロシア語で答えました。旧ソ連だけあって多くの人がロシア語がわかるので。「大統領の言葉をもっと聞きたかった。次回は制限のない質問、制限のない答えによるやりとりをお願いしたい」と答えました。

2013-09-12 17:31:16
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

トルクメ83)結局2日間の滞在では、個人崇拝の現状や言論の自由の制限の問題について深く取材することはできませんでした。しかし、こうなることを見越して、かつてトルクメニスタン当局から弾圧され、国外に逃げた女性との接触を進めてきました。彼女とのやりとりがとても参考になるので紹介します

2013-09-12 17:38:47
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

トルクメ84)彼女によると、彼女の夫はニヤゾフ時代の政府高官でした。民主化運動に目覚め、体制側と決別し、野党勢力を形成しようとしました。ところが、身に覚えのない容疑で逮捕。裁判で終身刑を言い渡され、服役。今は生死すら不明とのことです。家族や親族も過酷な取り調べを受けました。

2013-09-12 18:26:22
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

トルクメ85)一部は夫と同様に逮捕され、服役。やはり生死もわからないそうです。彼女は何とか出国して逃れましたが、一時滞在したロシアではトルクメニスタン当局員に常時尾行されていたとのことです。今は別の国にいますが、身の安全上、ここでは詳細は伏せます。

2013-09-12 18:29:30
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

トルクメ86)彼女は言います。「トルクメニスタン国内で政府に対する不満の声を取材しようとしても無理。普通の人はみんな当局を恐れている。生粋の反体制的な人たちはすでに出国して海外に拠点を移している。残っている人たちは身を隠しているので接触はほぼ不可能」。

2013-09-12 18:31:25
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

トルクメ87)彼女は、自分たちが弾圧されたのは前大統領のニヤゾフ時代だったといいます。現大統領が就任して状況は改善されたのか。彼女は「個人崇拝は継承し、徹底した反体制派への弾圧、情報アクセスの制限は変わらない」と言います。

2013-09-12 18:36:59
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

トルクメ88)長らくトルクメニスタンは共産党の後継、「トルクメニスタン民主党」以外は政党を作ることを禁じてきました。昨年、それが解除され、企業家らの政党ができましたが、実態は政権主導で作られた第2与党とのこと。「民主化が進んでいるという言い訳のためにつくられた」と彼女は言います。

2013-09-12 18:40:04
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

トルクメ89)インターネットは私が経験したとおり制限されているとのこと。ネット人口は多くないのですが、それでもショッピングセンターなどにあるネットカフェの端末には、スカイプやチャットなどで誰と交信したかがわかる装置が取り付けられているとのことです。いったいどんな装置なんだろう。

2013-09-12 18:42:31
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

トルクメ90)電気、ガス、水道が無料で国民は喜んでいるのではないか、との質問には「そうした特典は家族の人数などで制限があるし、そもそも失業率は50%を超えている。生活がいいとはいえない」と彼女は懐疑的です。外国人とつながりのある人は「ブラックリスト」に載せられているとも。

2013-09-12 18:45:04
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

トルクメ91)彼女は、政権は巨額な予算を情報機関につぎ込んでいると分析します。政権は何を怖がっているのか?彼女に聞くと、「自分たちの体制を維持したいがために、見かけの安定を演出しようとしてる。そのためにも海外から国民を孤立させ、政治意識に目覚めないようにしている」と言います。

2013-09-12 18:49:55
関根和弘/Kazuhiro SEKINE @usausa_sekine

トルクメ92)彼女の言うことに、政権側はどう反論するのか。政権側に質問書を出していますが、今現在返事はありません。何とかメールとファクスで質問書は送りましたが、電話で確認しようとすると電話を切られます。以上、トルクメ報告でした。

2013-09-12 18:53:11
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