アンドロイドは140文字の夢を見るか?~ロボットSFツイノベ集

ロボットをテーマにした、自作のツイノベ集です。随時更新します。
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おーさん @osayas811

このロボット、完成までに8年もかかっちゃった。おかげで彼氏を作る暇もなかったわ。でも恋愛なんて興味ないけどね。このロボ丸にも恋心のプログラムは入れていないの。もし未知の感情を処理しようとすると、フリーズしちゃうかも。ロボ丸はあたしの大切な相棒。ね、ロボ丸……いきなりフリーズかよ!

2013-04-13 11:03:38
おーさん @osayas811

うちの会社にはロボットしかいない。それぞれの自宅にいる社員が遠隔操作している。先日、給油室で課長ロボが優子ロボの尻を撫でていた。鉄板同士が擦れる音がした。今日、竹内ロボがキレて部長ロボの頭部を破壊した。もちろん修理費は竹内持ちだ。部長ロボにオイルを差し入れて、とばっちりを防ごう。

2013-04-13 16:31:21
おーさん @osayas811

あの人は今日も会場に来た。展示されたロボットによほど興味があるのだろう。でも今日は、興奮した面持ちでこちらに歩いてくる。私の胸が高鳴り出した。「昨日まで受付にいた女性はどちらに?彼女に伝えたいことがあるんだけど」もちろん伝えます。私は高性能の案内ロボットだから。 #twnovel

2013-04-21 00:24:52
おーさん @osayas811

「恋人同士が実は兄妹」「ベタだな」「目撃者が実は犯人」「それもベタ」「卒業式前日に担任が辞職」「ベタ過ぎる」「女優のミカコさんが逆立ち」「タ……いやベタだ。どうした、もう故障か?」「別売のアイデアユニットを装着してください」「何?これだから安物の作家ロボは困る」 #twnovel

2013-05-03 16:10:15
おーさん @osayas811

「お姉さん、私、ロボットなの?」妹に詰問された私は、彼女が初めて家に来た日のことを思い出した。「いいえ、あなたは人間よ」そう、妹は違う。なぜなら、母が妹を抱いて病院から戻った日、科学者の父は私に言ったのだ。「お前も今まで通り私の娘だ。私の大切な発明品なのだから」 #twnovel

2013-05-12 00:12:38
おーさん @osayas811

俺の4人の親友のうち、1人が実はロボットだという。「全員に聞く。君はロボットなのか?」「……」「……」「チガイマス」「……」「3人目、ロボットだな」「ナゼワカッタノデスカ?」「だって他の3人はキリンとクマとワニのぬいぐるみだし、ゼンマイで動くのは君だけだからね」 #twnovel

2013-05-18 08:18:57
おーさん @osayas811

私は亡くした娘の体を機械で蘇らそうとした。半年をかけ、ようやく上半身ができる。そんな矢先、私は車にはねられてしまう。気がつくと研究所にいた。私の体が機械に変わっている。「まさか、お前が?」「そう、作ったわ。だってお父さんが死んだら、誰が私を完成させてくれるの?」 #twnovel

2013-05-19 00:46:49
おーさん @osayas811

線路上に巨大な岩が置かれ、電車が立ち往生している。今こそ俺の発明したお助けロボの出番だ。俺はロボに命じる。「この岩を破壊しろ。分子レベルまで粉々にな」「ドノイワデスカ?」「わからないのか?目の前にある一番大きな塊だよ」「ワカリマシタ」……その日、地球は消滅した。 #twnovel

2013-05-21 13:03:22
おーさん @osayas811

ロボットにも心がある。成長する肉体も持つ。人間とほぼ同じだ。ただひとつの感情を除いては。「先生、ロボットの検査データをまとめました」「まなみくん、君は今日までで結構。もっと優秀な者が完成したからね」悲しみではなく痛み、それを知った彼女は今、人間と変わらなかった。 #twnovel

2013-05-27 18:55:25
おーさん @osayas811

ロボットも嘘をつきたいときがある。「優子さん、先生はバナナの皮で滑って病院へ行きました」「嘘よ。今夜デートなのに」「ただいま。誰だ!バナナの皮を捨てたのは」「本当だったの?それで病院に?」「実は子どもが生まれて」「結婚してたの?ひどい!」ロボットは嘘がつけない。 #twnovel

2013-05-28 15:58:20
おーさん @osayas811

「何だって?君は自分の役目がわかって言っているのか」「はい。私の役目は、自分の体を使って有害な酸性雨からご主人様をお守りすることです」「そうだ。つまり君は雨傘の進化型ロボットなんだ。そんな君が、僕のことを好きだなんて……」僕は彼女を強く抱きしめた。 #twnovel #雨傘の行方

2013-05-31 11:29:42
おーさん @osayas811

診察室に入ると、医者が沈鬱な表情でカルテを見ていた。「そんなに悪いんですか?」不安になって俺が尋ねると、「いや、あなたの体が普通と違うので」俺は自分のIDカードを見せる。「やはりそうでしたか。では人間用の診察を行います」医者は胸の扉を開けて、聴診器を取り出した。 #twnovel

2013-06-07 13:23:25
おーさん @osayas811

兄が突然私に打ち明けた。「俺、本当はロボットなんだって」私は驚愕した。兄との思い出が脳裏をよぎる。とても信じられない。兄が今まで自分を人間だと思っていたなんて。「俺、お前と兄妹じゃなかったのか」お兄さん、がっかりしないで。製造番号が連番なら兄妹と認められるから。 #twnovel

2013-06-20 00:28:56
おーさん @osayas811

「進化するロボットが完成したぞ」「やりましたね博士。あれ、このロボット、顔も手足もないですよ」「アメーバ型だからな」「人間型のほうが便利じゃないですか?」「大丈夫。ちゃんと進化できるから」「すごいですね。では早速」「人間になるのは40億年後だな」「リアルですね」 #twnovel

2013-07-03 14:18:05
おーさん @osayas811

彼は初めてミスをした。彼の体は重く防水機能もなかった。だが沖合に少女の姿を見たとき、彼は非論理的な行動をとった。少女が救助された後、彼の行方を気にする者は誰もいなかった。「それから?」「彼は天国に行ったんだ」「そのロボットって」「ただのおとぎ話だよ。もうお休み」 #twnovel

2013-07-05 00:23:06
おーさん @osayas811

世間はスマホスマホとかまびすしいが、私の愛機も捨てたもんじゃない。長年使用したので電池の持ちは悪いが、ツイッターやラインもできるし、二つ折りで運ぶことも可能だ。だが長時間その状態だと世間の目がうるさい。なにしろ見た目は人間の女性と同じなのだから、私のロボットは。 #twnovel

2013-07-10 00:24:33
おーさん @osayas811

「約束だよ」「ワカリマシタ。博士トまなみサンノコトハ内緒ニシマス」「おい、この指のリボンは何だ」「奥サントノ約束ノ印デス。博士ノ浮気ヲ話スヨウニト」「何!小指の指切りじゃないと無効なんだぞ」「秘密ノ約束ガ多イカラト言ッテ、私ノ指ヲ全部小指ニ作リ替エタノハ博士デスヨ」 #指切りの後

2013-08-02 15:01:09
おーさん @osayas811

「人間そっくりのロボットを作ろうとしたんじゃが、既に70年前に作られていたよ」「本当ですか、博士」「しかも発明者はわしの父じゃった」「え、じゃあ博士は?いや、たとえ博士がロボットでも私は」「ありがとう。わしが子どもの頃から君は慰めてくれたな。今と変わらない姿で」 #twnovel

2013-08-05 23:39:15
おーさん @osayas811

「先輩、僕眠れないときに羊を数えるんですけど、出てくるのが全部電気羊なんです」「お前、ひょっとしてアンドロイドか?」「やっぱり。自分でもそうじゃないかと思っていたんです。でも先輩、さすがにお詳しいですね。脱頭です」「脱帽だろ?おい、こんなところで頭をはずすなよ」 #twnovel

2013-08-06 12:49:40
おーさん @osayas811

「おじいちゃん、ごめんなさい。今まで孫のふりをしていたけど、私たち本当はロボットなの」「知ってたよ。なぜならわしが最、ううっ」「おじいちゃん!」……「地球のデータは?」「はい、生息数はロボットが70億、人間が1です」「1?」「はい。あ、たった今、0になりました」 #twnovel

2013-08-12 14:30:58
おーさん @osayas811

「君の体は鋼鉄製だ。目はカメラ、声は電子音。でも僕は君をロボットとは思えない」「私も、あなたは見た目が人間そっくりだけど人間とは思えない。体が機械でも脳が人間の私と、体が人間でも脳が機械のあなたでは、どちらが本当の人間かしら?」……僕の電子頭脳では判断できない。 #twnovel

2013-08-16 12:08:11
おーさん @osayas811

「君が操縦士に選ばれた」「え、僕が?」「このリモコンの赤いボタンを押すと自転が止まる。青を押すと北半球から腕、南半球から足が出現する」「はあ」「コックピットは月だ。本体と合体して頭部になる。もう時間がない」「え、今から行くの?」「交通費は自腹で頼む」「マジかよ」 #twnovel

2013-08-24 17:11:51
おーさん @osayas811

僕は箱から部品を出すと、早速組み立て始める。胴体に両腕を接続し、それから両足を取り付ける。頭部を接合し終わると完成は目前だ。僕は最後の仕上げにデータチップを所定の場所に移す。……そして目を開けた僕は、目の前にある古びた体をポリ袋に入れ、ゴミ捨て場に運んでいった。 #twnovel

2013-08-27 23:49:09
おーさん @osayas811

あれは防水型かな?あの丸いフォルム、悪くないわ。お湯をかけるとテカテカ光って、ブルーが一層際立ちそう。でもあのロボットはいつもどこから来るのかしら。私がこうして昼間から入浴していると必ず現れる。そういえば一緒にメガネ男子がいたような。まあ、それはどうでもいいわ。 #twnovel

2013-09-04 09:40:18
おーさん @osayas811

彼女のもとにはロボットが集まる。古くて役に立たなくなった彼らは最後の力を振り絞って歩いてくる。そんな彼らを彼女は眠らせる。もう動かなくていい、働かなくていいよと言って。やがて最後のロボットが眠りにつくと、彼女は自分の機能を停止した。地球上に動くものがなくなった。 #twnovel

2013-09-19 12:37:56