遊星からのツイノベX～宇宙SFツイノベ集

おーさん @osayas811

「なぜこの星は猿の惑星になったんですか？」「昔この星を開拓に来た先発隊に、報酬の数の不満から内乱が起きた。そして勝ち残った隊員が惑星を支配したんだ」「その隊員が猿だったと」「彼らは別の星でモンスターを退治した精鋭部隊だったのだが」「内乱の原因となった報酬って？」「きびだんごだよ」

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ドアを開けると、頭がバケツ、胴体が椅子の人物が立っていた。俺は手帳を見せ、不審な人物を見なかったかと尋ねる。彼が答えるとき、バケツが下に落ちた。帰り道、後輩がぼやいた。「最近実体のない気体型異星人が増えましたね。人前で擬装してくれるのはいいけど、頭がバケツって」 #twnovel

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俺は突然UFOにさらわれた。異星人たちの目的は地球を支配すること。ただ彼らには唯一の弱点があった。ある種の臭いを嗅ぐとトランス状態になるのだ。つまり彼らにとってワキガの人間は神同然だったのだ。俺は早速UFOを乗っ取り、彼らの星を支配するため10万光年の旅に出た。 #twnovel

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地球から通信が届いた。妻からだ。「もうあなたのいない毎日には耐えられないの。お願い、早く帰ってきて」私は迷わず航路を変更して地球に向かった。だが準光速で進むこの船では、1ヶ月の旅が地球時間の100年にあたる。私が帰り着く頃には、おそらく妻はこの世にいないだろう。 #twnovel

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猫を連れた少女に出会った。「可愛い猫ですね」「ありがとう。今、この子を寝かしつけてたところなの」「お昼寝かな？あ、眠っちゃったね」「無邪気な寝顔でしょ。この子が寝ている間に、私はこの子の知識と記憶を吸いとって、地球侵略の足掛かりにするのよ」「君って猫型宇宙人？」 #twnovel

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謎の電波をキャッチした。「宇宙人からの救難信号か？」「違います。助けを求めてはいますが、救ってほしいのは心のようです」「いつ発信されたんだ？」「眠れない夜に発信されたようです」「異星からではないのか？」「いえ、異性からです」「何と言っているんだ？」「アイシテル」 #twnovel

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連休が終わったら、クラスメイトが皆老人になっていた。「どうしたの？たった4連休の間に」「君こそまさか宇宙旅行したのか？宇宙では時間の流れ方が違うって、連休前に注意されただろ？」「でも何でみんな卒業してないの？」「小学校は60年制になったんだ。さあ授業が始まるぞ」 #twnovel

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「あれが地球？」「そう、父さんがご主人様と暮らしていた星だ。いい人だったな。ふたりでよく川辺を散歩したよ。水面に映る緑がきれいだった。なのに、人間の戦争が地球を死の星に変えたんだ」「だからここに来たの？」「母さんとふたりでね。父さんの犬小屋を改造したロケットで」 #twnovel

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「あの星レオナにちょうだい」少女は夜空を指差して言った。「君が大きくなったらね」僕が答えると少女は表情を変えた。「そんなの嘘。星を手に入れるには、まず邪魔な生物を死滅させないと。それから大気も入れ替えなきゃ。あの星が無理ならこの星でもいいよ。でも人間は邪魔だな」 #twnovel

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道端にたたずむ女性。長い髪、憂いを帯びた横顔。その美しさに私は思わず足を止める。「まもなく第4基地です」耳元で蝶が囁く。昆虫型人間だ。蝶は私の顔を見て意味ありげに笑う。この星に移住して1ヶ月になるが、地球の女性そっくりの人間型植物には、いまだに惑わされてしまう。 #twnovel

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「これ、君のだよね？」男は少女に防犯ブザーを見せた。「おじさんのと似てたから間違えちゃった。君が持ってるのがおじさんのだよ。返してくれない？」「怪しい人がいたら押しなさいって、先生が」「あ、ダメだ！」……「惑星爆破スイッチはどうした？」「回収に失敗したようです」 #twnovel

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宇宙船の外壁に穴があいた。俺は宇宙空間から手頃な隕石を採取すると、穴に詰めて応急処置をした。「そろそろ地球という星が見える頃だが？」船長が聞く。「この辺りのはずです。青い星と聞いたんですが」答えた俺は大変なことに気がついた。さっき穴に詰めたあれ、青くなかったか？ #twnovel

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「我々が長い間放置していたUFOに、他の生物が棲みついたらしい」「どんな生物だ？」「知能はあまり高くない」「そうか。ならあのUFOが恒星を周回する動力源は知られずにすむだろう」「生物はどうする？」「ふるい落とせ」地球は大きく身震いすると、宇宙の彼方に飛び去った。 #twnovel

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UFOが着陸し、大勢の宇宙人が降りてきた。彼らは手近な公園へ行くと、隅の建物の前で2つの列を作った。「どこかで見た光景だな」防衛隊長が呟く。すると長い列に並んでいた一人の宇宙人が、何か言いながら短い列に並び直した。「何て言った？翻訳機にかけろ」「イマダケオトコ」 #twnovel

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「私をいじめると、お父さんに言いつけるから」「まなみ、お前の親父って警察？」「宇宙大王」「何それ、頭おかしいんじゃないか？」……「消滅した地球から、この火星に転校生が来ました。みなさん仲良くしてあげましょう」「まなみです。よろしく。できれば火星は消したくないな」 #twnovel

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あと1時間で巨大な隕石が衝突する。地球の壊滅は必至だ。早く迎撃しなければ。ミサイル発射の準備態勢に入るには、私の命令が不可欠だ。発射ボタンのロックを解除できるのも私だけだ。もう30分経過した。急げ。あと10分。あと5分。だが無理だ。どうしても布団から出られない。 #twnovel

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人類は滅び、二度目の人類である我々が誕生した。偶然にも先代と同じ形の肉体に進化したが、一つだけ違うところがある。我々の肉体には心がないのだ。心は別の惑星に存在し、モニター越しに自分の肉体を動かしている。肉体が再起不能になるとリセット。だから永遠に死ぬことはない。 #twnovel

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「次は私がセンターになってやる！」「それは無理じゃない？だってセンターはあの人って決まってるし」「私だって、前はみんなにセンターだって言われてたんだよ」……「あいつがセンターになるとか言ってますよ、太陽さん」「地球のやつ、昔見た天動説の夢がまだ忘れられないのか」 #twnovel

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少女は夜空に見える青い星を指差し、無邪気な顔で俺に話しかける。「私はあそこから来たのよ」「君って宇宙人？お友だちにも教えなくちゃ」俺は急いで電話をかける。「地球から来た先祖の記憶を受け継いだ子どもを発見。放置すると進化論が根底から覆る危険性がある。至急確保せよ」 #twnovel

おーさん @osayas811

UFOにさらわれた妻が、5年振りに帰ってきた。「大丈夫か？心配したんだぞ」だが妻は俺を無視して飯を食い始める。「まさか、忘れたのか？」「忘れてないわよ」妻は不機嫌そうに答えると、テーブルに箱を置いた。そこには「UFO饅頭」の文字が。何だ、ちゃんと憶えていたのか。 #twnovel

おーさん @osayas811

ある朝目覚めたら、地球上に俺しかいなかった。これは神がくれたチャンスかも。……「火星の仮住居にまだ移っていない者がいるのか？もう惑星大清掃を始めるぞ」「最終通告を拒否されました。自分はこの星の支配者だと言っています」「愚か者が。やむを得ん、ゴミと一緒に廃棄しろ」 #twnovel

おーさん @osayas811

「死ぬ前に #聞こえた音 が、自分の人生なんだと。俺には輪転機の音しか聞こえねえ。それよりお前、何で彼女と船に乗らなかった」「未入籍ではダメなんです。でも変だな。さっきから赤ん坊の声がする」「お前さん、父親になったんだよ。さあ、地球の最期を見ながら乾杯しようや」 #twnovel

おーさん @osayas811

少女は星を集めている。彼女の宝箱に入っているのは全て白色矮星だ。星はみな宝箱の中で最期の時を迎える。少女は毎日それを眺めて楽しんでいる。太陽が彼女のものになるのはまだ先だ。でも、宝箱に入れてから200億年も眺められるのだから、たった50億年待つくらい何でもない。 #twnovel

おーさん @osayas811

「昔は太陽の光だったから形が変わったんだ。でも太陽が消えた今は、月面にある無数のライトで光ってる。だから毎晩満月なんだよ」「つまんないな」「ミカ、見てごらん」「あ、ハート形！今度は『ミカ誕生日おめでとう』だって」「映画館の有料サービスのマネだけどね」 #満月奇跡 #twnovel

おーさん @osayas811

「明日船に乗る。もう二度と戻れないだろう」俺の言葉に、君は決意を秘めた目で答えた。「あなたを危険な場所には行かせない。絶対に」翌朝俺が基地に行くと、船はすでに定員に達し地球を離れていた。最後に乗船したのは女性の志願兵だったそうだ。その日から君の行方がわからない。 #twnovel