孫泰蔵さん、「完全保存版 イビチャ・オシム 日本サッカーに告ぐ。」を読んで考えたことのまとめ
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@TaizoSon
2006年から2007年にサッカー日本代表の監督を務めたイビチャ・オシム監督はインタビューで、選手と良好な関係を築くには何が必要か、という質問に対して次のように答えた。
2010-10-06 08:30:24
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オシム「頻繁なコミュニケーションと、粘り強く議論する忍耐強さだ。自分の望むことを人に伝えるには、多くの時間がかかるからだ。」
2010-10-06 08:30:30
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オシム「自分の考えを、選手はもちろんクラブ首脳やコーチに話して納得させる。同時に彼らにも、違った考え方をする機会を与える。彼らが自分自身のやり方でリスクを冒しながらトライできるように。そうでないと全員に自分の考えを浸透させることは不可能だし、成功も難しい。」
2010-10-06 08:30:37
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オシムはコミュニケーションの難しさを熟知していた。サッカーは、選手が身体を迅速かつ正確にコントロールし、チームが精密なディシプリン（規律）で連動することによってはじめて成立するスポーツだ。監督は選手に高度で複雑で曖昧模糊としたことをうまく伝えていかなければならない。
2010-10-06 08:30:45
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当然、言葉だけで監督の考えを選手にうまく伝えることはできない。もちろん、練習を通じて、ビデオの映像を通じて、など様々な方法を工夫していることだろう。しかしコミュニケーションの多くは言葉を使って伝えていかなければならないわけで、その難しさは容易に想像ができる。
2010-10-06 08:30:50
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オシムは30年の監督生活で数々の弱小チームを飛躍的に成長させ、目覚ましい成果を挙げてきた世界的に有名な監督だ。若い選手を育て、チームにダイナミズムをもたらしスペクタクルなサッカーを展開させることの名人である。その歴戦の名将が、コミュニケーションの難しさに今も悩んでいるというのだ。
2010-10-06 08:30:57
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コミュニケーションとは、単に相手に言葉を伝えるということではなく、本当に自分の望みを相手に正確に伝え、相手がそれに納得し、そしてそれに従って相手自身が変わるところまでできてはじめて真の意味で相手にものが伝わった、といえるのだ、とオシムは言う。
2010-10-06 08:31:02
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真に考えを伝えるためには、ありとあらゆる努力と情熱を注がなければならない、とオシムは強調する。「オシムが同じ話を何度も事あるごとに繰り返したのは、年寄で物忘れが激しかったからでは決してなく、そうしなければ人は彼の真意を本当には理解しないから」とライターの田村修一氏も語っている。
2010-10-06 08:31:09
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翻って、自分はどうか。あのオシム氏でさえ、コミュニケーションにそれだけ心を砕いている。日本代表なんて日本で最高のサッカー脳と経験と理解力と身体能力を持っている選手たちなわけで、その彼らとの間でさえそれだけ苦心して努力していたのに、自分はみんなに対して・・・恥ずかしくなった。
2010-10-06 08:31:15
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オシム「監督はすべてひとりで仕事をこなそうとするのでなく、チームとともに、マネージャーとともに、コーチとともに、選手とともに生きて、一緒に仕事をするべきだ。ただ、『ともに生きる』ことの意味を、人々に理解させるのは非常に難しい。」
2010-10-06 08:31:21
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Sports Graphic Number Plus October 2010「完全保存版 イビチャ・オシム 日本サッカーに告ぐ。」を読んで今朝はそんなことを考えた。
2010-10-06 08:31:56