Educate Reminiscence of Admiral 「KANCORE」

奈楽マン @SonoTaichi

続き：定期的に配給される物資、遠征部隊が汲み上げても汲み上げても尽きぬ資源、本部はこれらをどのように賄っているのか？ 常道では到底出来ぬ。いや戦争をしているのだ、人の道を歩いたままで居られる筈も無いだろう。 ただ一つ言えるのは、配給物は全て艦娘の構成物と言う事。 #艦これ航海日誌

奈楽マン @SonoTaichi

２７日目：南方決戦に備えて三日程休息を入れ、今日は再始動のウォームアップだ。 潜水艦による漸減戦法を行う為ゴーヤを「仕上げる」作業を行う。 極度の疲労状態になろうと構わずに繰り返し出撃し、損傷を受けた艦は高速修復で疲労を払い再度出撃。 これを百度繰り返した。 #艦これ航海日誌

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続き：鈴谷と阿武隈はひしゃげた三日月を口元に貼り付けてケタケタと嗤っており、半分すつの出撃と言えど新兵にはやや厳しかったようだ。 己は血反吐が咽喉に詰まって何時もの皮肉さえ出ない大井の腹に肘を捻り込み、強制的に呼吸を再開させて高速修復剤をブチ撒ける。 #艦これ航海日誌

奈楽マン @SonoTaichi

２８日目と２９日目：２８日目の昼は只管に準備をした。 支援艦隊の戦意を盛り立て、遠征のタイムスケジュールを綿密に。 そして夜、地獄のような訓練からまだ意識の戻っていないゴーヤと、最精鋭の敵へと突っ込むスリルに既に我慢汁を漏らしているいむやを偵察へと出す。 #艦これ航海日誌

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続き：偵察は長時間に亘って行われた。 その理由はゴーヤ、いや、いむやに在る。 苛烈な特訓によって猫の玩具にされた毛糸玉の如くぐちゃぐちゃな精神、それをさながら熟練の娼婦が精通前の少年に手解きをするようにいむやはゆっくりと仕立て上げたのだ。 そう、戦闘狂いへと。 #艦これ航海日誌

奈楽マン @SonoTaichi

続きの続き：時間こそ費やされたが、その成果は素晴らしい物だったと言えよう。 攻撃を、避けて、当てる。唯其れだけ。 ２９日目の朝から開始された南方決戦に於ける敵大型超弩級戦艦、その船体には一夜明けたにも関わらず昨晩の傷跡が確りと残されていたと言う。 #艦これ航海日誌

奈楽マン @SonoTaichi

続き３：そして本日ヒトマルマルマルより、南方決戦第一段階が開始。 いむやとゴーヤ、そして支援艦隊として出ていた島風と暁、千歳千代田が漸減作戦の実行を担当した。 途中支援艦隊は響、電、隼鷹、龍驤と一時的に交代したが、９割は島風達である。 #艦これ航海日誌

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続き４：ヒトキュウマルマル、決戦部隊出撃。 北上、金剛、長門、赤城、ゴーヤ、島風の計六名。応急要員を憑けたのは島風のみ。 これは島風を贔屓した訳でも慢心した訳でもない。 何故ならここ一番と言う局面で荒波を乗り越えようしない者に、勝利の女神は微笑まないからだ。 #艦これ航海日誌

奈楽マン @SonoTaichi

続き５：前衛支援と艦隊決戦支援を要請、前半の２戦では複縦による防御強化を選択。 そして、羅針盤の試練を我が艦隊は突破した。 渦潮を避け、重巡、輸送艦、駆逐艦のルートを掴み取ったのである。 これを単縦にて撃破。北上中破、金剛長門ゴーヤの３名小破で切り抜ける。 #艦これ航海日誌

奈楽マン @SonoTaichi

続き６：機、来たれり。 日中にて敵艦隊の護衛要塞５隻を撃破し、夜戦に突入。北上の一撃が止めを刺した。 「南方海域海上ニテ敵主力超弩級戦艦（呼称：南方棲戦姫）ノ撃破ニ成功セリ」 こうして、鎮守府は大歓声に包まれる事となる。 #艦これ航海日誌

奈楽マン @SonoTaichi

３４日目：前回の日誌との間にやや空白が在るが、これは日付の計算を間違えた為である。 この事をドヤ顔で指摘して来た金剛は目隠しをしてギャグボールを咬ませ、後ろ手に縛り上げ、「私は敗北主義者です」と書いたプラカードを首から吊るし、申し込まれていた演習に出してやった。 #艦これ航海日誌

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続きの続き：そんな事を考えながら訓練兵を出撃させていたのだが、想像以上に加賀がタフな事を認識させられた。 出撃。帰港。補給。出撃。 他の連中が重い疲労を顔に浮かべ始めてから十度目の出撃、そこでやっと軽く疲れたとでも言うように溜息を吐く。 流石だな。 #艦これ航海日誌

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３５日目：平和な日常が続いている、等と言うつもりは無いが今は激務と言う程の仕事量でも無い。 カスガダマ沖制覇の為の準備期間、まぁつまりは闘争と闘争の狭間にある安寧に在る。 どうやら敵は複数回の戦闘で装甲を削らなければならないようだが、南方では良く在る事だった。 #艦これ航海日誌

奈楽マン @SonoTaichi

続き：そも主力戦艦も南方決戦の道中にて見た敵のようだし、はっきり言ってそう難しい敵ではないだろう。 が、そんな事を言えば赤城辺りに慢心するなと叱られてしまうので口には出さないでおく。 奴とも長い付き合いになるが、どの辺りでスイッチが入るのかはまだ良く分からん。 #艦これ航海日誌

奈楽マン @SonoTaichi

続きの続き：赤城と言えば、奴に艦載機の能力向上を求められた。 情報部の青葉にレシピを取り寄せさせ、既に二つ在る彩雲が増えないように調整を加える。 これまで積んだ経験のお陰なのかどうかは知らないが、紅茶狂いに４６cm三連装砲を作らせるのよりかは余程良い成果が出た。 #艦これ航海日誌

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続き３：赤城の言葉を借りれば「上々」と言った所だろう。 40/60/20/100で４０回試行してみた結果、流星改１流星３天山４瑞雲２彗星７が出た。 艦上戦闘機は碌な物が出ていないが、多くは求むまい。 もう暫く続けてみるとしよう。 #艦これ航海日誌

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続き：兎も角として、目の前の敵を思い切り殴るのが兵隊の仕事だ。 装甲を剥ぐ為に何度か水雷戦隊を派遣し、昨日今日とでやっと本性を曝け出させる。 が、随伴戦に強力な潜水艦を居り、水雷戦隊の攻撃は有効でない事が判った。 当然の結論だが、戦艦の出番である。 #艦これ航海日誌

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続き３：その理由は艦娘共の表情を見れば一目瞭然だろう。 腕がひしゃげ、弾丸が貫通した痕からダラダラと血を流し、幽鬼の如く蒼くなった顔色にも関わらず、戦意は衰えず、早く出撃させろと喚き立てる。 あんなに愉しそうに戦っているのでは、此方としても止める気にはなれん。 #艦これ航海日誌

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続き４：共に経験を積んだ艦達が、半死半生でも頬を歪ませ、敵への狙いを緩めない立派な兵（つわもの）共に成り下がった。こんな嬉しい事が在るか。 新米提督が見れば卒倒するような勢いで鉄を使い、油を使い、弾を使い、高速修復剤を使い、敵へ向かってまっしぐらに突撃する。 #艦これ航海日誌

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続き５：そして日付が丁度変わる頃、我が艦隊は敵主力艦隊の撃破に成功した。 ボロボロとなった北上や中破した暁と那智は苦しげに息を吐きつつも笑みを浮かべ、傷の浅い長門と島風は白波を砕く程の盛大な勝利の咆哮を上げる。 #艦これ航海日誌

奈楽マン @SonoTaichi

続き６：唯一無傷のままでありながら主力艦（呼称：装甲空母姫）を仕留めてみせた金剛は、鎮守府に居る時の能天気な様子を忘れたかのように抱えていた敵艦の首へと儚げに微笑み、次の瞬間には肉食獣めいた喜悦へと表情を変えると共にぐしゃりと握り潰した。 #艦これ航海日誌

奈楽マン @SonoTaichi

３７日目：今週の定期健診は延期となり、来週の月曜に行うらしい。 どうやら戦線の拡大に伴い本部が志願兵を掻き集めている事で、諸々の行動に遅れが生じているようだ。 確かに幾人かの旧い友人から提督となった事を知らせる手紙を貰っており、納得の行く話である。 #艦これ航海日誌

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欄外：大和もそろそろ赤城や長門なら改造可能なレベルになる。 残念ながら道程としては半分、必要な経験の量で言えば四分の一にも満たぬと言った所だがそろそろ飯を作るのと演習に出るだけの仕事からは解放してやろう。 実戦を知らない艦では味を見る気になれないし、な。 #艦これ航海日誌

奈楽マン @SonoTaichi

３８日目：島風が疾走る。奔る。飛翔る。 極限を追い詰めようとスピード狂は自分の限界を高めて行く。 その一歩は海面を地面と偽り、空を飛ぶ海鳥を足場とすらする。 人の姿でこそ在るが、人ならざる身だからこそ出来る芸当であろう。 #艦これ航海日誌

奈楽マン @SonoTaichi

続き：そう、艦娘は人のようであって人ではない。 戦艦は敵の装甲を握力のみで千切り、重巡は飛んで来た砲弾をラグビーボールが如くキャッチし、軽巡はただの一蹴りで潜水中の敵艦を空中へ放り出す。 駆逐艦でさえも人の世界記録を鼻で笑う身体能力位は持ち合わせているのである。 #艦これ航海日誌