「法学の勉強の仕方」by民法(親族相続)くん@civil_law1

10月1日は「法の日」です。 「二度とかえってこない青春の日に、なすべきことはほかにもあろう。ただしかし、諸君が大学で法律学を学ぼうと決心した以上、在学中というやはり二度とかえがたい機会に、徹底的に法律を理解することにも、それだけの値打ちはあるのではなかろうか。」(我妻榮)
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民法(親族相続)くん @civil_law1

法学修に近道はないよ。 条文、基本書、判例を真面目にコツコツと読み、有機的な思考を身に付ける為にとにかく頭を働かせ続けることだけが法学の勉強の仕方だと思うんだ。 ある最難関資格試験においても、条文にどれだけ自分の思考で意味を与えられるか。そして表現出来るか。それだけが決め手だね。

2013-10-01 22:30:28
民法(親族相続)くん @civil_law1

僕は特に企画を用意していたわけではないんだけれど、せっかく法の日だから法学の勉強の仕方の一例を示していくよ。僕のやり方だから、全員にあてはまるものではないだろうけど、参考になればいいな。 科目ごとではなく、法学に広く当たることをしゃべるね。

2013-10-01 22:53:30
民法(親族相続)くん @civil_law1

まずはさっき言ったことを繰り返すね。

2013-10-01 22:53:59
民法(親族相続)くん @civil_law1

法学修に近道はないね。 条文、基本書、判例を真面目にコツコツと読み、有機的な思考を身に付ける為にとにかく頭を働かせ続けることだけが法学の勉強の仕方だと思うんだ。 ある最難関資格試験においても、条文にどれだけ自分の思考で意味を与えられるか。そして表現出来るか。それだけが決め手だね。

2013-10-01 22:54:46
民法(親族相続)くん @civil_law1

ちなみに、僕の勉強法の多くは日本民法の父「我妻榮博士」の受け売りだよ。我妻先生がどれだけの功績を残したかについては割愛するけれど、恐らく歴代一の民法学者の勉強法は参考になるはずだよ。

2013-10-01 22:56:52
民法(親族相続)くん @civil_law1

まず、「法学においては覚えるのではなく理解しよう。」 この一言だけで言いたいことは全て入ってしまいそうな勢いだけれど、それだけじゃ仕方ないから細かく話していくよ。

2013-10-01 22:58:22
民法(親族相続)くん @civil_law1

最初は本当に何も分からないかもしれない。一ページ理解するのに何十分もかかるかもしれない。でも、とにかく想定された状況、趣旨、問題の所在、実益だけは頭を働かせて理解するんだよ。 読んだことを忘れるかもしれない。でも次読んだときに早く理解できるんだ。文章の横にメモをとるのもいいね。

2013-10-01 23:06:42
民法(親族相続)くん @civil_law1

まず、断片的な理解の積み上げでもいいから、じっくりと、じっくりと理解するんだ。友達や先生に聞いてでも、じっくりと理解するんだ。 そうやってとにかく基本書を一周読み通してみて欲しい。 きっと、もう一度読んだ時、驚くほど他の制度や状況と繋がって理解できるはずだよ。

2013-10-01 23:09:55
民法(親族相続)くん @civil_law1

見切り発車で始めてしまったから、ちょっとお風呂入るのに中断するね…。 続きは、理解するということの補足と、覚えるということについてと、基本書の実際の読み方だよ! (本当にごめんなさい)

2013-10-01 23:16:50
民法(親族相続)くん @civil_law1

超速でシャワー浴びてきたよ!続き始めるね。 最初は何が大事なのかなんてわからないよね。 でも、自分の頭で前後の文章を文脈を読みつつ論理立てていくと、どこが根本で、何がここで問題なのか分かるようになってくるんだ。 それを僕は「理解する」と呼ぶよ。

2013-10-01 23:35:29
民法(親族相続)くん @civil_law1

例えば、423条債権者代位権。これを少し例に出すと、「423条に書いてある通りの要件を満たせばいいです」なんて言ってる人がいたら、「あ、出来ない人だ」と思うよね? もう少し詰めてみたら、本来債権は特定人同士の権利義務関係であって、第三者が行使ないし干渉することはできない。

2013-10-01 23:40:29
民法(親族相続)くん @civil_law1

だが、それでは債務者の不誠実によって債権が害される場合が生じ妥当でない。そこで、例外的に債務者が無資力であって債権を保全する必要性が認められる時に債権者が債務者に属する債権を行使することができることを定めたものである。 とか、このくらいの理解は最低限必要だよね。

2013-10-01 23:42:56
民法(親族相続)くん @civil_law1

それぞれの要件が何故必要なのか、これは特に書かれざる要件について理解するのに重要な視点だよね。 なぜ、なぜ、なぜ、なぜ!とにかくこの「なぜ」をゲシュタルト崩壊するくらいに詰めていくんだよ。 そうしたら、必ず理解できるんだ。必要性と実益の面からも見ることになるからね。

2013-10-01 23:45:29
民法(親族相続)くん @civil_law1

さて、理解するということについてはこのくらいかな。それじゃあ、覚えるということについて話すよ。とても短いかもしれないけれど。 よく、覚えなきゃいけないこととして、定義があげられるよね。定義カードみたいなものを作って覚え込むのもそれぞれのやり方だから否定はしないけど、

2013-10-01 23:48:03
民法(親族相続)くん @civil_law1

僕はこの定義も、理解することから始めて欲しいと思うよ。時々僕の自動ツイートにも出てくるけれど、「この定義は何を含み、何を弾くのか」ということをまず理解するんだ。 そうしたら、逆に弾かれるものに目が向いて印象的になるよね。

2013-10-01 23:50:07
民法(親族相続)くん @civil_law1

そうして、その定義を使うべき問題に出会ったとき、「弾かれたものを弾くための言葉を自分で組み上げる」んだ。最初は時間が掛かるし、正確でないかもしれない。でも、重要な定義は何度も出てくるし、毎回その作業をやっていくことで組み上げた言葉が脳に染み込み、反射的に出てくるようになるんだ。

2013-10-01 23:52:12
民法(親族相続)くん @civil_law1

こうして、ただ覚えるだけではなく、「定義の意味を真に理解した記憶」に繋がっていくんだよ。最終的にはいつの間にか覚えているんだ。 深く理解することは、結果的に覚えることにも繋がるんだよ。大事なのは、「結果として覚えた」ことなんだ。そこには、深い意味の理解が伴うんだよ。

2013-10-01 23:55:09
民法(親族相続)くん @civil_law1

さて、最後!基本書の読み方です!(随分長くなったよ…) まず形式面ね。僕はラインをひく派なので、ラインのひき方について。 僕は、定義、制度趣旨(保護法益)、問題提起、理由付け、結論、判例を色分けしてひいているよ。 二度目に同じ本を読んだ時に、強弱を付けるところや記述内容がすぐに

2013-10-01 23:58:55
民法(親族相続)くん @civil_law1

分かるからね。自分が既に理解した例等は斜め読み、ラインの箇所はもう一度熟読という風に緩急を付けて読んでいるよ。 そして、①「何度も繰り返されるところが大事なところ」ということを意識すること。 ②「~頁参照」と書いてあったら必ずそこを読むこと。 ③「前後の文脈を意識する」こと。

2013-10-02 00:02:18
民法(親族相続)くん @civil_law1

③については、既に読んだところを前提としているのにそれを明示していないことがあるから、常に考えながら読む必要があるよ! 以上、民法くんの勉強法でした!長くてごめんなさい…。

2013-10-02 00:03:24
民法(親族相続)くん @civil_law1

最後に、剄草書房・我妻榮著「民法案内1~私法の道しるべ~」より、我妻先生の言葉を紹介して終わるよ。

2013-10-02 00:06:17
民法(親族相続)くん @civil_law1

「二度とかえってこない青春の日に、なすべきことはほかにもあろう。ただしかし、諸君が大学で法律学を学ぼうと決心した以上、在学中というやはり二度とかえがたい機会に、徹底的に法律を理解することにも、それだけの値打ちはあるのではなかろうか。」 みんな、勉強頑張ってね!

2013-10-02 00:07:19
民法(親族相続)くん @civil_law1

起きたついでに、少し有用な情報を伝えて寝るよ。 僕は、六法の選び方や法学勉強の仕方等話したけれど、やっぱりこれは文面の情報でしかないわけで、微妙なニュアンスは確実に伝えられないんだよ。あらゆる学術書を書いている先生方も同じ悩みがあるんじゃないかな。(続)

2013-10-05 05:27:09
民法(親族相続)くん @civil_law1

(承前)だから、最終的な情報の取捨選択、統合の末に自分なりのやり方を会得しなければいけないよ。同じ本を読んでいたとしても、この文章において僕はこう考えながら読んでいた等と一々教えることは出来ないからね。 最終的にはやっぱり自分の思考力だけがものをいうから、常々気を付けて欲しいな。

2013-10-05 05:30:15
民法(親族相続)くん @civil_law1

風邪をひいた民法くんは体調管理が甘すぎるね。 みんなはこうならないように、普段から必要な時間睡眠をとり、栄養のあるものをしっかりと食べて学術に挑まなければならないよ。 学術は正体の見えない巨人みたいなものだからね。(続)

2013-10-05 05:32:23
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