ツイッター小説 お気に入りセレクト 2010/10/08

藍　真史 @shin1960

#twnovel 卒業すると彼女は都会に出た。一年目の秋、帰省した彼女の瞳は輝いていた。二年目の秋、少し大人びて見えた。三年目、彼女は誰にも会わずに都会に戻った。それ以来彼女のいない秋が続いた。ある日、仕事から帰ると彼女がいた。彼女を抱いた。翌朝、彼女は森の木の枝に揺れていた。

鈴々@物語る鳥 @re_rhythm

中々会えない彼に今何をしているのかとか今日誰と会ったのかとかしつこく聞いたら面倒がられ電話を切られてしまった。確かに自分が同じ事を云われたら鬱陶しい。反省がてらベランダに出たら雨が降り出した。それでも部屋で一人の時間を過ごすのが嫌で傘を差してベランダに居続けた。 #twnovel

ししゃも @henachocat

#twnovel 「助けてくれてありがとうございます…せめてお名前だけでも」「名乗るほどの者ではありません。ただの通りすがりの鈴木一郎という者でマリナーズのイチローと同じ名前なのでみんなからイチローって呼ばれてます。49歳独身で恋人はいません。趣味はエロゲで住所は築地。電話番号は

ておまさお @teomasao

たった今、彼女の旦那を殺した。自殺に見せかけた完全犯罪、アリバイ工作も完璧だ。オレは意気揚々とエレベーターに乗り込む。 #twnovel 「御利用有難うございます。このエレベーターは、この先途中階には止まらず天国まで直行致します。あっ、失礼致しました。お客様は地獄行きでしたね」。

お惣菜 @n7k7

#twnovel 終点の一つ手前の駅で私以外の人間は全員降りてしまい，夜更けの電車の中に残ったのは私と壁の向こうにいるはずの運転手だけとなった．広い車両に一人だけでいると，この電車はとうの昔に終点を過ぎていて，私一人を誰も知らない場所へ運んでいるのではないかという気がしてきた．