じごぼうさん@kinkuma0327の「名張ぶどう酒事件で怖いなと思うのは…、」

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速報:名張毒ぶどう酒事件で死刑が確定した奥西勝死刑囚の再審請求について、最高裁は特別抗告を棄却。 http://t.co/7X14pEg4vL

じこぼう @kinkuma0327

名張ぶどう酒事件で怖いなと思うのは、最初、奥西死刑囚が逮捕された時にはむしろ奥西の家族に同情的だった近隣住民が、奥西が自白を翻すと途端に、彼の家族に対するいじめや差別や罵倒や投石を始めた挙句、奥西家の墓地を共同墓地から勝手に動かしてしまうという暴挙にまで出たという話である。

じこぼう @kinkuma0327

奥西が捕まったということは、その共同体には今現在、犯人は存在しないということになる。当初、奥西の家族に対して向けられていた同情の原因は、奥西やその家族の苦悩は、共同体にとってはむしろ「安心」の材料であった。共同体に安心をもたらす存在である限りは同情的に扱える、というわけだ。

じこぼう @kinkuma0327

しかし、奥西が犯行を否認したことにより、奥西やその家族は、共同体にある恐怖をもたらした。今現在、この村の中に犯人がいて、そいつと隣り合わせで生活しているかもしれない、という恐怖である。その不安のためにこそ、彼らは奥西やその家族、その祖先の墓地までをも攻撃したのである。

じこぼう @kinkuma0327

社会的弱者やマイノリティが、マジョリティから向けられる「同情」という態度に敏感に反応する理由もわかる気がする。そこには多分、巧く良き弱者、良きマイノリティを演じていなければ、世間の同情なんて手の平を返したように悪意に変わってしまうんじゃないか、という不安が根っこにあるのだろう。

じこぼう @kinkuma0327

なお、別にこれは、「閉鎖的な村落共同体」とやらに限った話ではないとぼくは思っています。少なくとも、「だから村人は怖いよな」みたいな、都会民の憂鬱意識に満ちた田舎者ｄｉｓ村落共同体ｄｉｓに与するつもりはありません。