大罪大戦Lite　第一交流フェーズ　美徳の間

冥煌の者ルスシェスィア @Five_Reuswiccia

——そこは、光に白く煙る空の輝く、静かな場所だった。 遠く眼に映るのは山とも森とも見えない地平線のほの青い影、だがいつもと変わらないはずの遠景に眼を向けた娘は、わずか、ひっそりと細い眉を寄せた。薄蒼の花を持つ手に、我知らずに力が籠る。 たいざい、と、少女の唇が緩慢な動きを示した。

冥煌の者ルスシェスィア @Five_Reuswiccia

微かなその声が消えたのを合図にしたように、娘は花を手に、黒紫の法衣を翻して"それ"に背を向け歩き出す。ぽつりと小さく浮かんだ、焼け付くような凝りに、そっと胸元を押さえながら。 「城……広間なら、どなたか」 行き先を自分へ教え込むように、呟きが漏れる。その己の言葉に従って城に戻り、

冥煌の者ルスシェスィア @Five_Reuswiccia

静かな回廊を足早に進み、辿り着いた大きな扉を開いた先には——

救恤:リベラリタス @Liberalitas_lit

広間の奥、偶像の無い小さな祭壇の前に跪き祈るように右手で左手を包んでいる白き法衣の女性がいる。女は振り返ることもなく、そのわずかに血の滲んだ背中を向けて訪れた娘に答える。「ついにここまで迫りつつあるのですね、罪という絶望が」ただ、目を瞑ったままそう答えた。

希望：スペース @spes_sinlite

ふわり。偶像無き祭壇に柔らかく光る球体が三球。迫りつつある絶望という言葉に呼応するかの様に飛来した。球体のうち一つが「タイザイ」と、一つが「ゼツボウ」と、一つが「タタカイ」と、それぞれがそう音を発すると、祭壇から離れ広間の中央で緩慢に漂い始めた。

冥煌の者ルスシェスィア @Five_Reuswiccia

「リベラルタス様、……スペース様」 扉を開いた娘の唇から、思わずといった風に安堵の声が零れ落ちる。音の立たぬように注意深く扉を元通りに閉ざして、そうしてその言葉には表情を暗く曇らせた。 「……ここに、まで……」 栄光の光が満ち降り注ぐ、うつくしきを体現する七の揃うこの場所にまで。

冥煌の者ルスシェスィア @Five_Reuswiccia

「七つの罪……光にも臆する事無く、力を振るうもの。……やはり」 手には力の篭ったまま。震えた花弁がひとひら、硬い床へと舞って落ちて。 「争いに、戦いに……なるのでしょうか」 問いかける紫苑の瞳は、俯いたまま。

正義：ユーストゥス @Justus_lite

「それがたとえどんな困難であれ、血に塗れたものであれ、俺達は剣を取らなくてはならない。……分かるね、パティ」 再度、音を立てて開かれる扉。 その先にいた男は、太陽のような色の髪に茨の冠を戴いた天使だった。 「全ては、人の世に『秩序』を取り戻すという『正義』の為に」

はくゆ＠ゲーム垢 @whitepgame

「そもそも、今まで放っておいたのがいけなかったのではありませんか？」 開かれた扉が閉まる前にと少し急いで少女が広間に入ってくる。褐色の肌に白い髪、白いワンピースを着た少女は前の男の言葉に重ねて言う。 「人の『秩序』と『節制』の為に無駄なものは無くしてしまわないとですよね」

冥煌の者ルスシェスィア @Five_Reuswiccia

茨を戴く天使の言葉に振り返る。紫苑は苦しげに歪められて、それでも。 「……はい。はい、ユーストゥス様」 分かっている、理解しているのだと、短く声にして。続く少女の声にも、こくりと小さく頷いた。 「これ以上、彼らを……大罪を、野放しには出来ません。人の『秩序』と、『慈悲』のために」

救恤:リベラリタス @Liberalitas_lit

「絶望を照らす、希望の光あれ」法衣の女は立ち上がり振り返る。「戦いが始まるのであれば、私もこの身を捧げましょう」女はそう告げると目を開く。その淡く虹色に輝く瞳は何を見つめるでもなくただまっすぐ前方に向けられる。「……救い無き人の世に『秩序』と『救恤』を」

リーン @castitas_sin

祭壇の傍に音も無く居た。否、寝ていた一頭の一角獣。次々と聞こえる声に呼ばれるようゆっくりと体を起こし、声の様な、音の様なもので言葉を発する 『人の『秩序』の為。『純潔』の為に』 厳かな様子で広間にいる面々を凛とした瞳で見渡し――小さな声で付け加える 『…で、あってるよなこの場合』

希望：スペース @spes_sinlite

「チツジョ」「タイザイ」「セントウ」 広間で発光する球体が音を放つ。 「ワタシ、タイザイトノセントウヲテイアン」「イギナシ」「ショウニン」 くるり。くるり。三つの光の球が輪を描く。 「「「ワレラ、キボウ。ヒトノ『チツジョ』ヲ『キボウ』をマモルベク、コノミヲ、ヤイバヘ」」」

勇気／フォールティア(Fortia) @umamisodare_sin

『純潔』と同じく、いつの間にか現れていた金髪の少年の一人は明るい笑顔を浮かべ。 「そうだね。罪から人々を護るのは、ボク達の役目だ」 「深い絶望を打ち払うべく、『勇気』をもって『盾』とする」 「ボク達ならできるはずだよ」 「確かにある『秩序』を護ることが、ね」

救恤:リベラリタス @Liberalitas_lit

「皆そろったのですね、光を失った私の目にもこの暖かく眩い輝きが感じられます」視線はただまっすぐに誰に向けられるでもない。そして、微笑みを浮かべた。「これ以上人が罪に染まる前に私たちの手で食い止めなければなりません」もう一度目を閉じる。「断罪か、救済か、私たちの使命は罪の『浄化』」

正義：ユーストゥス @Justus_lite

リベラルタスの言葉に、男は噛み締めるように緩慢な所作で頷いた。 「俺たちが人の世へ介入することは極めて異例の事態だ。この中には、『戦いの為に力を行使』することが初めてである者もいるだろう」 辺りを見回して、一人ひとりに視線を合わせる。 →

正義：ユーストゥス @Justus_lite

→ 「……俺達は本来、戦う為に存在している訳じゃあない。人の心を正しく導くことこそが使命だ」 胸に拳を当てて、瞳を閉じる。 「だからこそ、俺達は誰一人欠けてはならない。人の心から、正しさが失われてはいけない」 強く見開かれた瞳には、『正義』の炎が燃え上がっていた。

救恤:リベラリタス @Liberalitas_lit

『欠けてはならない』その言葉を聞いて女は祈るように両手を胸の前に結び、少し俯いて微笑む。祭壇に向けた背中の血の滲みがわずかに広がる。『犠牲』の傷痕が広がる。

はくゆ＠ゲーム垢 @whitepgame

「正しいわ、ユーストゥス。流石この世界の正義」 頷き、微笑み、手を合わせる。 「私たちは皆で一つの秩序。それでバランスを取って来たのですから、これからもそうでなくてはいけませんよね」 他の者も当然分かっているはずと、皆を見渡した。

希望：スペース @spes_sinlite

「カイテハ」「ナラ」「ナイ」 三球達が正義の言葉を繰り返す。 「ワタシ、ユーストゥスニ、サンセイ」「サンセイ」「サンセイ」 くるり。くるり。 「ワレラチツジョハ、ダレモカケナイ」「マタ、ワレラサンジャモ」「ヒトツトシテカケヌコトヲチカオウ」 三球の放つ輝きが僅かに強く輝いた。

冥煌の者ルスシェスィア @Five_Reuswiccia

戦いの為の力の行使。その響きが、どこか重く伸し掛かるような心地がして、蒼い花束を口元に寄せた。『正義』たる天使の視線を受けて、そっと眼を伏せて。左の肩から指先までを覆う鈍色の甲冑は、慈悲の奇跡を負うと決した意思が故。 「必ず……皆様と共に、大地に再び、恵みを」 ふわり、笑む。

リーン @castitas_sin

正義の言葉に頷きながらも節制の視線と合えば少しの間の後、ゆっくりと立ちあがる。 「んー。正直さー俺大罪の全てにどうこう言う気は無いんだわー。戦いの為の力の行使とかやだしー。やった事無いし向いてないしー。俺人が抱く『純潔』の想像のまま？この格好してのんびり見守ってたいし」 →

リーン @castitas_sin

→ お気楽な声はいつの間にか少年の声。白い光を纏い、姿は若草色の髪持つ少年の姿へと。でも、と続く声は真摯。 「侵しちゃいけない処まで、あいつ等が踏み込んだのも、わかる」 真っ直ぐな、嘘偽りない瞳を周りへと向ける。 「俺達は欠ける事は出来ない。俺達が欠けたら、即ち」 言葉を、区切る

勇気／フォールティア(Fortia) @umamisodare_sin

「欠けたらすなわち人から美徳が失われる事になる」 「でしょ？　だから負けるわけにはいかないよ」 「ここに誓うよ。必ずこの戦いを生き抜く事を」 「そして、今ここにいる皆の盾となることも」 少年はあどけない声でそう言う。しかしその言葉には強い意志が込められていた。

正義：ユーストゥス @Justus_lite

「その言葉が聞けてよかった」 「……戦いは避けられない。彼奴ら大罪は『７つ』。俺たちもまた、然り」 「此処へ来るまでに目にした者もいるだろう。開かれた七つの扉から、『大戦』は始まる」 「欠かぬ為に、戦って――人の世に、知らしめよう。人の心は、けして悪には屈さぬのだと」