【98.7%】「提督、ゴーヤに、私の代わりに謝っておいてね」 『ん……北上さん、大井さん。今までご苦労様でした。どうか、どうか良き旅を……』 「じゃあ、通信切るよ?」
2013-10-20 22:29:39【98.8%】多分、あと数十秒もすればゴーヤの魚雷が私達を貫く。大丈夫、痛みが一瞬なのは、他の誰でもない、私達がよく分かってる。「大井っち、助けに来たんだけど、ごめんねぇ」「……北上、さん」「うん」私と大井っちの声しかしないこの深い海の中で、もうすぐ二人で永遠になる
2013-10-20 22:32:44【98.9%】「北上さんなら、必ず来てくれるって、信じてた」「約束だしね。もう、大井っちズルいよ。守らせるだけなんだもん」「うん」「でも、今は一緒だよ」涙だって海の中なら分からなくて、ちょうどいいや。「ね。北上さん。私、前にも体験したことなのに、やっぱり……怖い」
2013-10-20 22:34:10【99%】「大丈夫だよ、大井っち。今度は私がついてるからね。ずっと」 大井っちの身体を強く抱きしめる。 「ん……ありがとね?」 「あはは、それ私のセリフだよぅ。ね、大井っち、もっと近づいて、抱きしめて」 「うん」
2013-10-20 22:35:43【99.1%】「やっぱさー、言葉にするとどうしても好きを伝えられないんだよねぇ」 船の姿だったら、もっと伝えられないんだけど。 それでも私は、私がこの姿で生まれてきて良かったと思ってる。 だって、こんなにも君と触れ合えるんだもの。 君に想いを伝えられるんだもの。
2013-10-20 22:37:17【99.2%】「大井っち。……あたしは、君が大好きです」 「……私も、私もよ北上さん。どんなに言葉を重ねても、この気持ちは伝えきれないと思うけど、でも……」 「大井っち」「北上さん……」誰も見ていない闇の中で、「「愛してます」」唇が重なった。
2013-10-20 22:39:21【99.3%】「ん」 大井っちの唇は、冷たくて、やわらかい。 でも……唇だけじゃだめなんだ。 「んんっ」 舌で大井っちの唇をこじ開ける。 もっと深く、深く。君と繋がりあいたい。 残された時間はほとんど無いんだから。
2013-10-20 22:42:21【99.4%】やがて深海を切り裂く魚雷の音が聞こえてくる。 史実では存在しなかった重雷装巡洋艦である私の最後を看取るのも魚雷だなんて、不思議よね。 まるでスローモーションみたいに、私達の身体をまとめて貫く。 少しずつ、意識が闇に溶けていく。
2013-10-20 22:44:35【99.6%】 『 緊 急 ダ メ コ ン 発 動 ! !』 HPを回復しました 燃料と弾薬を補給しました
2013-10-20 22:47:33【99.7%】「北上さん!?」「大井っち、やったよ!」私と大井っちの身体が完全に修復される。口移しで渡した女神様が間に合った。 きっと、奇跡かなんかだ。「でも、水圧ですぐ動けなくなっちゃうから、大井っちコレ」
2013-10-20 22:50:08【99.8%】私も潜水仕様じゃなくなったから、急がないといけない。 「大井っち魚雷装填されてるよね。弾頭外してコレつけて」 ゴーヤが言ってたっけ。魚雷は、いつも正しい方向に私たちを導いてくれるって。 ホント、その通りだと思う。 魚雷と出会わなければ今の私達は今頃海の藻屑だった。
2013-10-20 22:51:34【99.9%】 「あたしと大井っち、あわせて80発の93式酸素魚雷! 行くよ!!」 放たれた魚雷はまっすぐ上へ。 魚雷から伸びるワイヤーに引っ張られて少しずつ私達も持ち上げられる。 だんだんと明るくなってくる。 夜明け、だったんだね。
2013-10-20 22:53:51【101%】「えぇ、ホントに行っちゃうの!?」「だってさー。もう私達の船籍この鎮守府にないんでしょ? それにさ、てーとく良き旅をって言ってたじゃん」「うぐ」「私も聞いてたわ」「ほら大井っちも言ってるし」「クマも聞いてたクマよ」「なのです」「あなたたちまで……」
2013-10-20 23:27:22【101.1%】「わかりましたわかりました! わかりましたよーだ。二人とも一ヶ月くらいハネムーンなりなんなり、好きに行って来ちゃえば良いのよ」こそっと姉さんが耳打ちする。「提督、ほら、パーティーの準備をしてたクマから……」「あー……うん。提督ー。ちゃんと帰ってくるからさ」
2013-10-20 23:30:31【101.2%】「北上さんは勝手に鎮守府内の装備を持ち出した罰で、大井さんは……みんなに心配かけた罰で、二人とも一ヶ月の懲戒停職としますっ!」「艦娘って職業だったんだ……」「それと偶然、なんか色々チケット落としちゃう。ペアチケットとか、色々」
2013-10-20 23:42:08【101.3%】「動物園の入場券なら貰いたいクマね。ゆっくりのんびりしたいクマー」「遊園地のチケットは電が雷と行くからもらうのです」「Yah-man, このライブのチケットは俺が貰うぜ」「あなた達……もうっ、これは二人にあげるんだから!」「あーいいよ。どうせ全部は行けないんだし」
2013-10-20 23:48:39【101.4%】「じゃあ、そろそろ行くねー。あっという間の一ヶ月だと思うし。ねー大井っち」「ええ、北上さんと一緒ならどこでも良いわ」 二人で鎮守府の入り口に立つ。みんなが見送ってくれてる。 「「行ってきまーす」」 さぁ、君と二人でどこにいこうか?
2013-10-20 23:52:51【101.8%】「おおお大井っち、ここ、休憩ってなんか違うんじゃないの……!? 確かに安いけど、安いけど!」「ちがくないわ! 北上さんと私なら違くない!」ずるずるとひきずられてく私。
2013-10-22 01:11:14【102.9%】「はぁー」二人で朝ごはん。お赤飯。大井っちはにこにこ微笑んで私が食べてるのを見てる。「てーとくがあんなとこのチケットまで持ってたなんてねー」あははとごまかし笑いするけど視線が恥ずかしい。「ごめんねぇ、私ばっかり。よくわかんなくてさ」「でも良かった?」「……うん」
2013-10-22 07:10:05【103.5%】なんかちょっと悔しい。だってさー、絶対に私の方が上手だと思ってたのになー。本で読んだのじゃダメなんだねぇ。「ん~」大井っちを良くしてあげるにはもっともっと練習するしかないのかなぁ。でも大井っちで練習するっていうのもなんかおかしい感じだし。どうすればいいんだにゃー。
2013-10-23 00:42:53【103.8%】はい、スーパー北上さみットの時間だよ。どうすれば大井っちが喜んでくれるか真剣に考えよう。「いや、でも別に他の方法でだって大井っち喜んでくれるだろうし」「でもでも、やっぱりそういうことするなら対等な関係でいたいじゃん?」「いいからやっちゃいましょー」ダメだ私。
2013-10-23 22:38:41【104%】いきなり寒くなってブルブル震えてたら大井っちがそっと上着をかけてくれて、なんにも言わないで手を繋いでてくれた。言わなくても伝わるって、ちょっとくすぐったいかな。ちっちゃなことって言っちゃえばそうなんだけど、すごく、嬉しいよね。
2013-10-24 16:36:13【104.7%】映像で学ぶというか、ツイッターで学ぶっていうか。ちょっと覗いて見てドキドキしてるよ。こーゆーのも、あ、ありなのかなぁ。後学のために参考に……ならない、かも
2013-10-24 22:09:40