#全部覆面同題 のお題推理からの皆様のSS
- fukumenBuddy_SS
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くっだらないことでバニーとケンカした。あいつが行きたがってたテーマパークで。涙にキラキラのライトが反射する。思わず舐めた。「なに、してるんですか」「甘いかと思って」「え?」「泣き虫神様の涙は甘いんだって」「は?」「そういうのがあるの」だからごめん、泣くな。 #全部覆面同題
2013-10-24 00:37:37「ん?甘くない…というかしょっぱいですよ、これ」「真夏の塩分補給にゃこれがいいんだよ。これからまだ気温は上がるし、まだまだ待機状態は続きそうだしさぁ」「そうですね…事件が解決したら甘い方をお願いします。貴方との甘い夜を、ね」 #全部覆面同題
2013-10-24 01:02:58へばりついた包装を不器用な手付きで丁寧に剥がして行く。しんとしたオフィスにあなたの影が伸びた。「捨てんな、もったねぇ。ほぉら取れた」ぼくの口に指ごと押し込んで満足げ。なにするんです、まったく。「だっ!」べたついた指、綺麗にしてあげますよ。 #全部覆面同題
2013-10-24 01:38:22(アニエスのマスク姿なんて初めて見たぞ、おい。なんか企んでるのか??)(せせ拙者、聞いたことあります!きっとそれです!あ、これ!これをあげれば助かるそうです!)「ア、アニエスさん!こここれで命だけは…!」「ちょっと折紙!私、口裂け女じゃないわよ!」 #全部覆面同題
2013-10-24 01:45:10旅の途中で貰ったひとかけら。陽に透かして覗くと世界は夕焼け色だった。なんてあの人を思い出してしまう色だ。いやそうじゃない、きっと何を見ても記憶のトリガーになる。ため息混じりに舐めてみると甘い。ぽいと口に投げ入れ彼の人生を全部含んだ気になってみる。 #全部覆面同題
2013-10-24 02:57:02咬まないで、とは言ったけれど。そんな真剣な顔して舌のうえでころがして、ときどき上目遣いで僕を見るのもやめて。お願い。 #全部覆面同題
2013-10-24 08:05:34『お前…ホント、ハンサムだよな』『好き…だよ』『俺のバニーちゃん』虎徹さんからの甘い言葉を反芻して舌の上で転がして、噛み砕いて僕の中に取り込む。そしてお返しとばかりに口移しに“それ”を渡せば、甘く蕩ける貴方。──あぁ、何て幸せ。 #全部覆面同題
2013-10-24 10:01:41「貴方がそれにちゃん付けするから、僕のイメージが台無しです!」そう言ってバニーは憎々しげに机に転がった〈それ〉を指差した。どうやら収録中に口を滑らせて笑われたらしい。「でもお前は動物にさん付けするだろ?」「猫さんはいいんです!」「なんだそれ、可愛いな」あ、本音が。 #全部覆面同題
2013-10-24 12:13:31「おーおー、今日も大漁だなぁ。バニーちゃん」「羨ましいでしょう?」にこにこしながら、バニーはライダースのポケットから丁寧な手付きでそれを取り出す。「今日もみなさん、お元気そうでしたよ」「そりゃ何より」「はい、虎徹さんの分です」こんな田舎にここまで馴染むとはなぁ。 #全部覆面同題
2013-10-24 12:36:15カラフルで宝石のようにキラキラで。シトラス、ストロベリー、レモン、味は様々。どれも優しく甘く僕の中でとろける。貴方がいつも僕にくれるから、恋もそうだと思ってた。口に放り込んで思いきり噛み砕く。破片が舌を傷つけ拡がる血の味。なんだ。こっちの方がずっと恋に近い。 #全部覆面同題
2013-10-24 17:23:01カッと音がして真っ二つ。「お前の分」口に放り込んでふと笑う。「こんな物まで分け合う仲になるなんて」「不満か?」「いいえ」落盤事故の救助活動中、ミイラ取りがミイラに。暗闇の中でかりりと音がする。能力発動可能時間まで、あと五分。 #全部覆面同題
2013-10-24 21:14:20「みてな」泣きじゃくる少女の前に彼は何もない手を差し出した。開いて、閉じて、また開く。手からあふれる色とりどりの甘い宝石に、小さな瞳が輝いた。普段の彼から想像もつかない素敵な魔法だ。俺もやるだろ?と得意気な顔に思わず苦笑が零れる。全く。これだから彼には敵わない。 #全部覆面同題
2013-10-24 21:52:12「なあどんな味すんの?」明らかに挑発する瞳。望むままに唇を重ね、含んでいたものを舌で押し入れた…までは良かったが勢い余って彼の喉まで行ってしまい、噎せて吐き出したものは僕の前歯に思い切り当たり、暫く二人でもんどり打った。原因はぬらりと光り床の上に貼り付いていた #全部覆面同題
2013-10-24 23:30:45缶入りの思い出。その名をどこか舌っ足らずな発音で呼び、語る表情は本当に好きだったのだと思わせる「ーでも最近はもう探さなくてもいいよなって」「何故です?」「見つけたから」「何を」「お前を」…不意打ちだった #全部覆面同題
2013-10-25 00:32:29舌が抜かれて彼の顔を見るときには、僕の口内はレモン味。別に彼とのキスが初めてだったわけでも、僕のファーストキスだったわけでも、もちろんない。「ねぇ、まだレモンの味が残っているんですけど」彼の袖を引っ張ると、彼は笑って、僕の瞳のようなきらきら光る緑を口に放り込んだ。 #全部覆面同題
2013-10-26 07:31:35「なあバニー」喋る貴方の口から香るのは、マウスウォッシュのケミカルな香りじゃなくて、安っぽくて甘いオレンジの香り。「オレンジじゃなくてミカンだ」なんて抗議するから、オレンジとどう違うのか確かめるため、口の中にさっき齧った欠片が残ってないか舌で探してみることにした。 #全部覆面同題
2013-10-27 22:52:05赤、緑、青、白、黄色に橙… 様々な色が、クルクル巻かれて大きな渦に。色々な味、色々なカラーがある。 ヒーローもさ、色々な能力、色々なイメージカラーだよな。 なぁ、バニー。俺が戻ったら、渦に戻してもらえるかな…? えぇ、戻れますよ。虎徹さん。 #全部覆面同題
2013-10-29 14:33:271時間炒めると聞いて耳を疑った。「この色になるまでな」ぺ、と出された舌の上に琥珀の玉。「お前好きだろ。すぐだよすぐ」普段は短気な癖に、ああもう。「どの色ですって?もっとよく見せて」抱きしめて口をこじ開けて舌で奪い取って。その日のカレーは少し焦げ臭くて幸せの味がした。#全部覆面同題
2013-10-31 04:09:57バニ、失礼バーナビー君の親戚の方ですか?「僕です。10歳と少し年をとったはずだから、同い年くらいかな、貴方と」どうして‥NEXTか「いいえ。青いのを食べると年をとり赤で若返る。有名だと聞きましたが」でもそれは「一度呼んでみたかったんです、同級生ならいいよね、虎徹」 #全部覆面同題
2013-11-02 01:30:05雨の日は少しだけ貴方が静かだ。窓越しに、ぽつりぽつりと落ちる雫を見てる。「雨は苦手?」と問えは「いや、緑が濃くなって好きだよ。お前の瞳みたいな新緑のグリーンで…どっか甘そうだよなぁ」と。僕の眼をみてトロリと微笑んだ。雨に包まれて、世界に二人だけの部屋で。 #全部覆面同題
2013-11-02 11:21:26舐り転がし啜り囓る。かりかりと剥ぎとり、さえずるように、水音。 …ああもう、行儀が悪いな。 「…おじさん、口に何か飼ってるんですか」 「へぁ?」 「…いえ」 緩んだ口に。 不意に。おとなしくさせる方法を思いついたなんて。 「独り言です」 どうかしてる。 #全部覆面同題
2013-11-02 11:26:15