茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1075回「伝説の、スタッフ笑い」

脳科学者・茂木健一郎さんの10月26日の連続ツイート。 本日は、きのう思い出したこと。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1075回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、きのう思い出したこと。

2013-10-26 07:30:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

です(1)昨日、現場で小松純也さん(フジテレビ−>スカパーJSAT)とご一緒して、小松さんが、ぼくが大して面白くないことを言っても、時折スカーンと気持ちの良い笑い声をスタジオに響かせてくださっていたので、「あっ」と思い出したことがあって、それで帰りながらそのことを転がしていた。

2013-10-26 07:33:15
茂木健一郎 @kenichiromogi

です(2)小松純也さんは、NHKの有吉伸人さん(@nobip14 )と京都大学の「卒塔婆小町」で先輩後輩の関係。ダウンタウンや、タモリさんなどと、多くの伝説番組をつくってきた。その小松さんがスタジオでいわゆる「スタッフ笑い」を率先してやっていらっしゃるのを見て、そのことを考えた。

2013-10-26 07:35:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

です(3)テレビ番組に、laugh track(笑いの音声トラック)を入れることを思いついたのは、アメリカのテレビプロデューサー、チャールズ・ダグラスだったと言われている。ユーモアあふれるトークや、コメディのドラマに、laugh trackを入れることでより視聴体験が促進される。

2013-10-26 07:37:16
茂木健一郎 @kenichiromogi

です(4)laugh trackが効果的であるということは、つまり、「笑い」が社会的な事象であることを示す。他の人が笑っていると、つい、つられて笑ってしまう。共同現象としての笑い。その後、laugh trackが映像界に広がって、テレビのいわば標準的な技法になったのは周知の通り。

2013-10-26 07:38:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

です(5)その後、laugh trackに対する見直しもあった。ぼくの知る限り、イギリスのコメディではある時期から意識的にlaugh trackが避けられるようになった。The Office (2001-2003) では、一切laugh trackがない。ひんやりとした感触。

2013-10-26 07:39:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

です(6)イギリスのコメディ界では、laugh trackは、古い技法と見なされ、Extras(2005-2007)の中でも、Stephen FryがRicky Gervaisに、君のコメディはlaugh trackを使っていて、ダサイね、みたいなことを言うシーンがある。

2013-10-26 07:41:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

です(7)このような笑い声に関する技法の中で、「スタッフ笑い」は、おそらく日本独自のテクニックではないかと思われる。スタジオの聴衆の笑いを録音するという手法はあるが、スタッフが、自覚的に、タイミングを見計らって、さっと笑いの「演奏」をする手法は、おそらく日本だけ。

2013-10-26 07:42:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

です(8)私の記憶では、「スタッフ笑い」は、1980年代のフジテレビのバラエティ番組(例えば、「オレたちひょうきん族」あたりから目立つようになってきたのではないかと思うのだけども、詳しい方補足ください。ただ笑えばいいというものではなく、タイミングや声のクオリアが肝心となる。

2013-10-26 07:44:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

です(9)かつて、伝説のスタッフ笑いに遭遇した。その人は、スタジオのモニターの横に座って、私たち出演者を見ながら、ねらいすましたタイミングで「わはははは」と見事にバリトンで笑った。あれは誰だったのだろう。倉本美津留さん(@kuramotomitsuru)に似た、若いADだった。

2013-10-26 07:47:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1075回「伝説の、スタッフ笑い」でした。

2013-10-26 07:47:56