宇宙円盤大戦争感想
そんでもって80、90、00年代の単発作品に触れてきたので、70年代の作品で何か単発で独立した作品はないかと考えて探した挙句……ちょっと久しぶりにこの作品を見てみた。一応70年代の作品では珍しい単発もの。この感想で最後にしよう。 http://t.co/3fISyBRwnX
2013-11-04 03:09:06さて、宇宙円盤大戦争。グレンダイザーのプロトタイプで、実際にルビーナの話で大まかな話もリメイクされている訳であって……ただこの作品単独で見てみるとどうなるのかなぁと考えながら見てた。
2013-11-04 03:12:47関係ないけど、マジンガーアンソロジーでグレンダイザー対ガッタイガーのようなマンガがあったのはちょっと嬉しかった覚えがある。確か地球を旅立った後のガッタイガーがグレンダイザーと出会い、仲間の必要性に気付く感じの内容だったような。
2013-11-04 03:13:47その宇宙円盤大戦争は後にグレンダイザーとして活かされるフォーマットとはいえ、まずマジンガーZに近い色をした作品ではないかと思う。その件はデュークの性格と、(牧場ではなく)牧野ひかるさんの造形と、その親父さんの中の存在が大きいかもしれない。
2013-11-04 03:15:30こちらのデュークはナイーブな過去を秘めながらもグレンダイザー以上に快活なキャラクターとして描かれていて、こちらのひかるさんは中の人が二代目こと松島みのりさんの演じるお転婆。デュークを「大介さん」ではなく「大介君」と言って、デュークも「さやかさん」……ならぬ「ひかるさん」と呼ぶ。
2013-11-04 03:16:48ついでにひかるの親父さんは大竹宏さんと中の人がボスの人。息子共々トラブルメーカーを演じる役回りもボスにそっくりかもしれない。UFOマニアの設定はグレンの団兵衛さんに繋がるけど外見は随分と異なってひょろ長の人になっていたり。
2013-11-04 03:17:57このデューク、ひかる、彼の親父さんが、いわゆる甲児、さやか、ボスの関係になっていた所はちょっと面白いかもしれない。グレンには何気にさやかのようなヒロインがいない事にもふと気付く。比較的性格の近いマリアはデュークからは勿論、甲児からも妹と見なされていた所があった故かもしれない。
2013-11-04 03:20:30そんでもってこの宇宙円盤大戦争は意外とタツノコっぽい匂いを感じさせる。原案としてクレジットされるサクール・バーンとの方は実はダイナミック側や東映側の変名ではなく、タツノコ系の鳥海尽三さんの変名だったとの書籍があった訳だが、サクール・バーンさんの正体は誰か明確に分からない。
2013-11-04 03:22:32それはそうとタツノコっぽい匂いを感じさせた点は、デューク・フリードがスーパーヒーローとして武器を駆使するアクションが挿入されたり、敵メカについてもキャシャーンのロボット軍団を彷彿させる量産型の敵メカだったりした所かもしれない。 http://t.co/OIGYa6MHSq
2013-11-04 03:24:19また、テロンナのお供として登場したパンサーロボットはブライキング・ボスのワルガーダーに近いペットじゃないかとも思ったり。全く関係ないがこっちの世界のブラッキー隊長の中の人がブライキング・ボス http://t.co/6rfyMgthKu
2013-11-04 03:25:45ネーミングもロボイザーやガッタイガー、クイーン・バーン(女王の円盤?)と何となくタツノコチックな名前が付けられているかのような。宇宙円盤大戦争はタツノコ色を持つ東映ロボットアニメといった雰囲気が漂う作品なのかもしれない。
2013-11-04 03:27:02また、この作品の凄い所は30分ほどでドラマをしっかり片付けてロボットアニメを展開してしまっている所だと思う。構成に関して殆ど無駄がないのが凄い。
2013-11-04 03:28:22ゼロからの新作で始まり、デュークが狙われている背景とテロンナとの悲恋ものを展開させながら、追い詰められた時に登場するロボイザーとガッタイガーのアクションを満遍なく描いて、テロンナの悲恋の決着と旅立ちで見事に締め。
2013-11-04 03:30:43正直ロボットアニメの第1話として必要な事を満遍なく書いて、その一方で濃いドラマ回の側面も併せ持つような絶妙なさじ加減だと思う。個人的には「ボトムズ・ファインダー」と並ぶコンパクトに内容が詰めこまれた傑作短編の1つではないかとの認識。
2013-11-04 03:32:07前半でデュークが地球の日常を謳歌する一方で、ガッタイガーの存在から逃げようとして、一方で仇の娘テロンナから自分を愛する想いと日常を過ごし続ける事で揺れ動き続けている所とか、後半の戦闘シーンを描くときに必要なドラマを上手く用意しているかのよう。
2013-11-04 03:35:54後半で日常の仲間を守る為に日常での姿を捨て去った変身シーン、ロボイザー、ガッタイガーが円盤部隊を一方的に倒していく姿勢にカタルシスを感じ、そこから敵わない事を承知で立ち向かうテロン・バーンから一気に別のカタルシスへスイッチが入っていくかのような。
2013-11-04 03:37:25ヤーバン側が熱線ミサイル、核兵器誘爆装置といったトンデモな切り札を抱えながら、熱線ミサイルをテロンナが身を持って阻止して、そこから誘爆装置の存在に触れられるとテロンナの仇としてスペイザースピンの体当たりでクイーン・バーンごと真っ二つにしてしまう事でカタルシスがピークになるかの様。
2013-11-04 03:38:45あと、宇宙円盤大戦争のドラマはテロンナとの悲恋。この悲恋の見せ方はマジンガーZで描かれたミネルバXの回やエリカとの交流、ガイキングのエメルダとの交流など同じ芹川さんが担当された演出だけに似通っている所が結構あるのが楽しい。
2013-11-04 03:40:26この悲恋の対象となるゲストヒロインがテロンナならば、番組のレギュラーヒロインのような立場のキャラがひかるさん。そのひかるさんがさやかに勝るとも劣らないジャジャ馬でツンデレぷりが見られる所も芹川さんらしい演出かと思う。
2013-11-04 03:42:00テロンナへの嫉妬は見られなかったが、デュークのおかちめんこ発言と共に激しい口論を繰り広げたり、デュークとの別れの際に「行きたければ何処へも行きなさいよ!」と強がって、飛び立った後にしおらしくなって彼の後を追う姿とか、芹川さんが描く"素直になれない勝気な女性"なんだなぁと思ったり。
2013-11-04 03:43:20また、愛する相手の為に致命傷を負ってまで危機を救おうとする際、"髪飾りがちぎれ落ちて肌から血の色が失われながらも"相手を救おうとする描写についてはテロンナとマジンガーのゲストヒロイン・エリカとほぼ同じ演出が用いられている所が面白い。 http://t.co/SyAOFCIO26
2013-11-04 03:46:53偶然にもテロンナとエリカは同じ小原乃梨子さん。小原乃梨子さんはこの手の作品でメインヒロインを演じた事はないが、この2作の他にもルビーナやガイキングの方のエリカ等主人公との悲恋を交わしたゲストヒロインへの登板率が結構高かった。恋する大人の女性が向いていたのかもしれない。
2013-11-04 03:48:06テロンナは後のルビーナでもあって中の人も同じだけれど、テロンナは化粧が濃くて嫉妬深い人物って印象はある。
2013-11-04 03:50:03そんな訳で宇宙円盤大戦争についてちょっと振り返ってみた。テロンナがやや自分勝手な点を除けばこの作品がかなり好きだったりする。1つの短編作品としてもしっかりまとまっているのでグレンダイザーのプロトタイプと片付けられるだけではもったいないものがある。
2013-11-04 03:51:09