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さて、ひと段落ついたのでいよいよデトネイター・オーガンの視聴感想について述べていこうかと思う。
2013-11-04 20:06:30![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
前々から興味があった事は確かだが、唯一の視聴手段のはずのDVDがプレミアになってしまっていたために、見たくても見れず昨日も見たいがどうしようもないとまで書いていた訳だが、たまたま足を運んだ先でまだ手の届く値段で置かれていたので思わず買ってしまった。
2013-11-04 20:07:55![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
それで見てしまった訳だが……これは凄い!と感心せざるを得ない作品だった。昨日暗めのバリさんの作風とは相性が合わないのかと嘆いていたのだけれども、この作品のおかげで考えが結構改まったような気がする。
2013-11-04 20:09:06![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
評価するならばストーリー、メカ、作画5、キャラ4と大体95点のAランクくらい。バリさんの監督作品ではダントツに面白かった。バリさん好きならこれは是非見よう!と思わず薦めたくなってしまうが、視聴方法が少しハードルが高い所は惜しい。
2013-11-04 20:10:36![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
デトネイター・オーガンで感じられた事としては、"上手くシリアスな話が纏められている"所ではないかと思う。3話(時間とすれば実質6話)程で無駄な所を極力書かず、しっかりとした話が出来上がっている所が良かった。
2013-11-04 20:12:40![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
これに関してはその……今の所見た他のシリアス路線の作品は、どうも余計なテーマやシリアスとは思えない変なおふざけとか入れているような所があり、そこで作風として違和感が生じてしまうし、余計なテーマで訳の分からない事になってしまっている例が殆どだと思う。
2013-11-04 20:14:28![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
オーガンに関しては"進化した過去の人類から現代の人類を守るために組織を裏切ったオーガンの心に触れながら冷めた主人公トモルが何かを守るための戦いと共に活力を得ていく"物語一本ですっきりしている。それ以外は特に余計なテーマがある訳でもない。
2013-11-04 20:16:12![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
だから短い尺の中で迷走することも空中分解することもなかった感じ。柿沼さんはあまりよく知らないがインタビューで"本当のオリジナルOVAは最初から特定の人を相手にしている訳で、だから徹底したインディーズ志向みたいのがないと"と述べられていたのが面白い。
2013-11-04 20:19:01![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ついでにオーガンの脚本に関しては、最初から小説3巻分の設定とストーリーを用意してからアニメの脚本に取り組まれたそうで、既に出来上がったものを全3話の尺にあうようにストーリーや設定をピックアップしてまとめられていた話も面白かった。珍しい試みだとちょっと驚いた。
2013-11-04 20:21:05![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
そういう意味でオーガンの話は(一般には公開されていないけど)原作とリアルタイムの時期でコミカライズするかのように、ツボを抑えたダイジェストを作る感覚でOVA全3話が作られたのかも。全3巻で収める為に止むを得ず没にした話もあったそうな。
2013-11-04 20:22:57![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ダイジェスト感覚と作られたOVAのオーガンは起承転結がしっかり作られている。第1話でトモルとオーガンの出逢いと初陣、第2話でオーガンの使命と向き合う事でのトモルの自覚と、オーガンの上官、パートナーとの戦いと最終決戦への準備、第3話で最終決戦といった感じ。
2013-11-04 20:24:53![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
特に第2話がかなりテーマが凝縮されているが、初陣から最終決戦まで破綻なく繋がっている。"オーガンそのものが戦線を逆転させる切り札"として扱われた点と、トモルが戦士として自覚するエピソードに加えて、オーガンと関係のあるキャラクターとのバトルを纏めて書いて違和感なく最終決戦へ繋がる。
2013-11-04 20:27:21![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
またダイジェスト感覚で纏められた話にも"誰かを守る人の心"についてのテーマもブレがない。トモル達の舞台シティ5が機械化が進められた未来の時代であり、イバリューターも機械のソリッドアーマーを体代わりとして強化された人類だったり、機械化されることで失われていく心に共通点があると思う。
2013-11-04 20:30:28![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
またトモルが20世紀の頃の時代に少し憧れる懐古主義との設定も、それがやがて決して便利ではなかった20世紀の頃に活気のあった人の心をうらやましく思っていた故に無気力になっていたと繋がる見せ方も上手い。
2013-11-04 20:32:21![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
実はトモルのキャラについてその趣味以外はごく普通の学生って感じも珍しい。変に熱くも内気でも自分勝手でも真面目でもないごく普通の学生だが、その普通な性格がかえって余計なイメージを与えなかった事に成功しているかと思う。
2013-11-04 20:33:37![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
この癖のない主人公についてもちょっと視聴する際に助かった所だと思っていたりする。単純に誰かを守る為に目覚めていくトモルの成長劇が伝わるので余計な所を感じにくい。
2013-11-04 20:36:02![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
また周囲のキャラクターもトモルが"誰かを守る為の心"のドラマに関して効果的に動いている。特にトモルが合身するきっかけとなり以降も守る為の心を教え続けたヒロイン未知は勿論のこと、バードマン部隊のリーダー陽子も姉御肌らしいノリで誰かを守る為に何時か戦う時が来ると優しく教えてくれる。
2013-11-04 20:37:39![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
また、第1、3話のちょっとした日常に登場した友人ノックのキャラも日常にいる友人としてそれ以上でも、それ以下でもない描かれ方だった所も何気ないポイントだと思う。1話と3話で彼に対してトモルの態度が微妙に違う所が面白く、またトモルがオーガンとしての正体を彼に伝えなかった所もまた良い。
2013-11-04 20:39:57![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
自分がオーガンであろうとなかろうとしても、彼の存在は自分が守るべき日常の人々の代表のように描かれていたのではないかと。何気ない日常の話相手でもトモルの態度を変える事で、日常の人々に対しての認識の違いと共にトモルの成長が描けていたかなと。
2013-11-04 20:41:47![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
イバリューダー側も同じ人類が進化した相手として心のアプローチもしっかりしていた。オーガンのパートナーリーブがオーガンが守ろうとした心のあり方について見出し、身を呈して彼の危機を救う所も、オーガンと一体化したトモルが改めて誰かの為に戦う事の尊さを認識させる良い役割を果たしていた。
2013-11-04 20:44:05![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ラスボスのゾアも力こそ全ての信条でタカ派のような姿を見せるけど、それも200年以上人間側から救いの手が差し伸べられなかった悲しみの裏返しと姿勢が表れていて、イバリューダーもまた心を断ちきれなかった所があったのかもしれない。
2013-11-04 20:45:54![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
イバリューダーが心を捨て切れなかった件は、イバリューダー側の総帥のミークがソリッドアーマーの姿ではなく、生身の体でカプセルの中で眠っている所から、"心を持った生身の人間"へ捨てきれない感情があったと思わせる。彼女の存在がやがてイバリューダーに心を持たせる事が出来ると見えたのかも。
2013-11-04 20:48:08![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
結果としてはイバリューダーとシティ5に代表される未来の地球と機械化された時代の中で、オーガンがそれを否定する訳でもなく、そこから人間の心をよびさまさせる結果につながったラストが安心して胸をなでおろすことが出来たかと。
2013-11-04 20:49:02![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
といったところだろうか。オーガンはストーリーやキャラクターのドラマが最初から何をやるかブレがなく、短い尺の中で最低限の事をやった訳だけれどそれで全然オッケー。かといって遊び心がない……訳ではなく、そこでメカ関係のシーンになると思う。
2013-11-04 20:50:30![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
メカアクションでバリさんの本領発揮!と言える。オーガンはロボットではなく一種のヒーローかもしれないがそれは些細な違い(おい)として、3話共々楽しく画面を見させてもらった事には変わりはなかった。
2013-11-04 20:56:21