南相馬市の放射線測定2013秋活動報告(nakaguma3さん)

特定非営利活動法人 チェルノブイリ救援・中部 http://www.chernobyl-chubu-jp.org/
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中熊 弘隆 @nakaguma3

【南相馬市の放射線測定2013秋活動報告①】 チェルノブイリ救援中部による南相馬市での放射線測定活動は六期目を迎えた。この間、11次の測定隊を派遣し、年二回ずつ最新の測定結果を反映させた汚染マップを作成、公表してきた。今回、第12次隊への参加の機会を得たので、以下報告する。

2013-10-22 23:14:39
中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告②】 10/18~10/21の活動期間中、昨年四月から「避難指示解除準備区域」に指定されている原発20㎞圏内の原町区、小高区、そして、今年四月から同区域に指定された浪江町の一部を測定対象とした活動を行った。(写真の日付は全て2013の誤り

2013-10-22 23:15:12
中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告③】 初めに、継続的な測定活動の意義を確認するために、南相馬市内の空間線量率分布の変化を見てみたい。第一期(2011年春)の分布図では年間追加線量率が1m㏜未満と1~2m㏜の合計(AとB)は27%である。 http://t.co/k1DkG7Gfrf

2013-10-22 23:16:28
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中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告④】 しかし、今年春の分布図では、次の写真のように全体の72%に達している。多雨で地形が複雑な日本では放射性物質は多様な動きをする。我々の活動は、その動きを悉に観察し、住民に正確な情報を提供することにある。 http://t.co/JdkkcaZCWf

2013-10-22 23:17:25
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中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告⑤】 こうした変化は、継続的な測定活動抜きには決して得られないデータなのだ。南相馬市は、昨年たった一回だけ全市を測定し、1㎞メッシュ(チェル救は500mメッシュ)の大雑把なマップを作成後、測定活動をやめてしまった。「汚染を可視化したくない」との理由から。

2013-10-22 23:17:54
中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告⑥】 しかし、この地域の復興は、放射能に目を背けることなく、正面から向き合う事なしにはあり得ないと言うことを今回の活動で改めて感じたのである。以下、少し長くなるが、常磐自動車道建設現場の驚愕すべき現実も含め、現地の状況を報告する。

2013-10-22 23:18:31
中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告⑦】 第5期のマップを見ると、沿岸部から人口の多い原町中心部は線量は低く、間部は依然高いことが分かる。2011年当時と比較して全体としては空間で1/2、地表面で1/3~1/4程度まで減衰している。 http://t.co/2G39SfqMg7

2013-10-22 23:22:13
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中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告⑧】 平地部の線量は下がったとはいえ、少し山沿いに行けば年間追加線量率が5~10m㏜の地域が広がっている。セシウム134が半減期を迎え、今後、放射能の自然減衰は緩やかになる。いくつもの小河川には、大雨の度に上流から大量の放射性物質が流れてくる。安心はできない。

2013-10-22 23:22:46
中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告⑩】 チェル救が運営する放射能測定センター・南相馬の事務所に測定スタッフが到着するのと相前後して、ある地元住民が大きなビニール袋いっぱいの松茸を持参してきた。線量を計って欲しいとのことだ。測定センターでは2台の食品ベクレル計を使って無料で測定を行っている。

2013-10-22 23:23:34
中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告⑪】 僕は、試しに袋の上に線量計を置いてみた。線量計は0.48~0.55μSv/hの間を行き来している。半日かけての測定の結果は、セシウム合計値21800㏃/kg。この松茸は、高倉ダム周辺で採取したものらしい。 http://t.co/m7EEhgqoBd

2013-10-22 23:24:35
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中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告⑫】 この付近の過去の土壌調査データを見ると12831㏃/kgとある。松茸は土壌線量の2倍近くを濃縮した可能性がある。写真のように淡水魚の汚染も深刻である。特に多年魚のイワナやヤマメ(山女魚)の汚染は深刻である。 http://t.co/LAc8ofOnml

2013-10-22 23:25:28
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中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告⑬】 さて、今回、僕の班に割り当てられた測定地は、測定初日が20㎞圏内の 原町区の小高寄り、二日目が小高区山間部の浪江町と隣接する高線量地帯である。常磐自動車道の工事現場も測定した。つづく。

2013-10-22 23:26:41
中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告⑭】 測定作業は毎回地元ボランティアを含めて、総勢20名が二人ずつ10班に分かれ二日間行う。これを2週続けて実施し(延べ80名)、1期分の最新マップを完成させる。今回は、第6期12次隊の測定作業で、僕としては前回の11次隊に続き、今年二回目の参加となる。

2013-10-23 16:08:24
中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告⑮】 僕の班の担当地域は20㎞圏内の原町区と、浪江町に隣接する小高区山間部である。20㎞圏内の原町区の沿岸部と小高区中心部の状況は、既にこの春Facebook上で報告したが、線量、街の様子共に大きな違いはなかったのでここでは概略に留める。

2013-10-23 16:08:49
中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告⑯】 南相馬市でも、原発から20㎞圏内の原町区の一部と小高区は、昨年4月から「避難指示解除準備区域」に指定され、午前9時から午後4時までの時間制限はあってないようなもので、住民は自由に立ち入ることができる。ライフラインは中心部を中心に復旧が始まっている。

2013-10-23 16:09:12
中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告⑰】 地震や津波の瓦礫の撤去は殆ど終わっているが、地盤沈下の激しい沿岸部には、未だ津波で破壊された家屋が在しているのも春と変わらない。空間線量は、沿岸部で0.12~0.15μSv/h、小高区中心部で0.15~0.22μSv/hと、30㎞圏内と比べ若干高い。

2013-10-23 16:10:45
中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告⑱】 小高区の特徴は、海岸線と山間部の距離が短く、海から離れるにつれ急激に線量が上がる点にある。今回僕の班が測定した浪江町に隣接する山間部は特に線量が高い一帯で、空間0.6~2.0μSv/h、地表面1.0~4.0μSv/h。民家の雨樋下は7~15μSv/h。

2013-10-23 16:13:38
中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告⑲】 幹線道路沿いは、住民が頻繁に草刈りや震災の瓦礫の片付けに来ていると思われる民家が多いがようだが、少し奥に入ると、草に覆われ荒廃が進んだ民家が増える。道路脇の苔の上では15~20μSv/h。 http://t.co/RG28skYHPc

2013-10-23 16:14:52
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中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告⑳】 測定日は午後から雨になり、民家近くの測定ポイントまで草をかき分け、ずぶ濡れになりながら進まねばならないケースが何度となくあった。細い山道を進んでいると、急に視界が開けた。常磐自動車道の工事現場が次の測定ポイントである。

2013-10-23 16:15:25
中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告㉑】 工事車両用と思われる砂利道を上り、工事現場を見渡せるポイントに着いた。最近の工事と思われ、真新しい砂利が厚く敷き詰められている。さぞかし低かろうと、早速地表1㎝に線量計を設置した。ところが2.40μSv/hhttp://t.co/C87I5ghAcY

2013-10-23 16:16:50
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中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告㉒】 ポイントを移動させても変わらない。この現場で使用されている砂利は、最初から汚染されている可能性が高い。空間線量は1.27μSv/h。写真は浪江町方面を写したものである。この先には双葉-浪江の工事区間がある。 http://t.co/KF5cieODyc

2013-10-23 16:19:13
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中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告㉓】 ―狂気の常磐自動車道建設― 今回の測定活動の期間中、地元の新聞やTV局は常磐自動車道建設工事の再開を喜ぶ報道をしていた。宿のTVには双葉-浪江の工事現場の様子が現場脇に設置されたモニタリングポストと共に映し出された。表示されている線量は33μSv/h。

2013-10-23 16:19:31
中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告㉔】 飯館村では、空間が4~5μSv/hあるところで、地表は30μSv/hだった。空間が30あれば地表近くは100~200μSv/hの線量があるのではないか。地元紙によると、30μSv/hを超える工事現場では、作業時間に制限を持たせて工事を進めるという。

2013-10-23 16:20:05
中熊 弘隆 @nakaguma3

【2013秋活動報告㉕】 この道路が完成した暁には、一般国民の利用に供しようというのか? 正に狂気としか言いようがない。道路が完成すれば、「復興」が加速すると言うが、このような気違い染みた事業の先にある「復興」とは一体何なのだ。福島は何処に向かおうとしているのだろう。つづく

2013-10-23 16:20:41