ナイス・クッキング・アット・ザ・ヤクザ・キッチン

日本語版公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ソファに身を深々と沈めたまま、その男は腕を組み、ジェイクの努力を嘲笑うかのように太い眉を上げて彼を凝視していた。しかもその頭部には、ガスグレネード攻撃を予想していたかのように、いつの間にかガスマスクが……いや、バラクラバめいた頭巾とサイバーメンポが装着されているではないか! 25

2013-11-11 01:22:02
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【ナイス・クッキング・アット・ザ・ヤクザ・キッチン】後編

2013-11-12 22:30:26
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

BRATATATATA!LAN直結拳銃から恐るべき勢いで重金属弾が吐き出され、クローンヤクザ三人の頭部をあやまたず破壊!「グワーッ!」「アバーッ!」「ダッテメッグワーッ!」ワザマエ!その横では神経ガスで気絶したクローンヤクザ3人が鉄板で額を焼かれている。ナイスクッキング! 23

2013-11-12 22:31:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ジェイクはテーブルの下から素早く身を起こす。すでにクローンヤクザ6人は無力化。あとはレジから素子を奪い脱出するだけだ。しかし次の瞬間、店内を瞬時にスキャニングした彼のサイバネアイは、ある違和感に気付いた。……ジュー・ウェアの男である! 24

2013-11-12 22:31:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ソファに身を深々と沈めたまま、その男は腕を組み、ジェイクの努力を嘲笑うかのように太い眉を上げて彼を凝視していた。しかもその頭部には、ガスグレネード攻撃を予想していたかのように、いつの間にかガスマスクが……いや、バラクラバめいた頭巾とサイバーメンポが装着されているではないか! 25

2013-11-12 22:31:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

まさか……ニンジャ?その疑念が脳内で言語化されるより速く、彼は論理トリガを引いた。重金属弾の連射!高級革張りソファが破壊され、後ろに据えられたネオントリイが砕け散る。だがジュー・ウェアの男は何処へ?血飛沫も痙攣する死体も見当たらない。直後にサイバネアイが発した警告は……右! 26

2013-11-12 22:37:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(((ハヤイ過ぎる!最新鋭のサイバネ者でもこの瞬発力は……!)))サイバネアイの誤作動か。疑う暇は無し。トレス情報を信じLAN直結拳銃と上半身を右へ高速旋回!BRATATATA!カウンターの酒瓶やグラスが次々割れる!だが「イヤーッ!」敵は紙一重の側転で全弾を回避!メイジン! 27

2013-11-12 22:43:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ジェイクは敵が鋭角ターンから蛇行突進してくる姿を辛うじて捕捉。論理トリガを引き続ける。当たらない。なら至近距離で頭を吹き飛ばしてやる。彼は常に前向きに検討する。ついに敵の顔が銃口のワン・インチ距離まで接近!だが……KLICKKLICK!「ガー、前後している……!」弾切れだ! 28

2013-11-12 22:52:53
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハッハッハッハ!」ニンジャは彼の弾切れを予測していたかのようにその位置でぴたりと止まり、ジェイクを睨んで笑った。「ハ…ハハハハハ……!」ジェイクもニンジャと睨み合い、笑った。「イヤーッ!」突如、ニンジャの痛烈な右カラテフック!「グワーッ!」「イヤーッ!」左!「グワーッ!」 29

2013-11-12 22:57:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ジェイクはたった2発で打ちのめされ、ブザマに後ずさってコートハンガーごと転倒した。顔面は血塗れだ。頭の中でニューロンと内蔵UNIXがカリカリと悲鳴を上げる。しかし相手はそれ以上打ち込まず、ジェイクを睨め下ろし、立ち上がるのを待った。右手を前に突き出す挑発的な手招きポーズで。 30

2013-11-12 23:06:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ジェイクは血を吐き捨て、頭を振ってから立ち上がる。そして呼吸を整えカラテを構えた。「ワオ!カラテ!」ニンジャは眉を上げてジェイクを嘲笑った。そして両手で手招きする。「イヤーッ!」怒りに燃えるジェイクは二連続のカラテストレート!ケリキック!バックスピンキックの連撃を繰り出す! 31

2013-11-12 23:14:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

だが敵は全攻撃を紙一重で回避!さらに側頭部を狙ったバックスピンキックを軽々と受け止めた!サイバネ強化された踵を、素手でいとも容易く!「ハッハッハッハ!」ニンジャは彼を睨み笑う。ジェイクは片脚で飛び跳ねながら唾を吐きかけた。直後「イヤーッ!」ニンジャの痛烈な拳!「グワーッ!」 32

2013-11-12 23:21:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ジェイクはたった1発で打ちのめされ、ブザマに後ずさってコートハンガーごと転倒した。顔面は血塗れだ。頭の中でニューロンと内蔵UNIXがカリカリと悲鳴を上げる。しかし相手はそれ以上打ち込まず、ジェイクを睨め下ろし、立ち上がるのを待った。右手を前に突き出す挑発的な手招きポーズで。 33

2013-11-12 23:22:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ジェイクは再び立ち上がり、カラテを挑んだ。彼は幼少の頃から格闘技に親しんでいた。密入国後はネオ・ロポンギの殺人カラテ・ドージョーで1ヶ月間の集中トレーニングすら受けた。並のブラックベルトが相手なら、互角以上に戦える。だがこいつは「イヤーッ!」まるで「グワーッ!」ニンジャだ。 34

2013-11-12 23:25:42
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「まだ無駄なあがきと解らんか!俺はニンジャだ!」「グワーッ……ニ……ニンジャ……ナンデ…」ジェイクは髪を掴まれ、屠殺待ちの牛めいてカウンターへと引きずられる。ニンジャは鉄板の上に油を引きながら言った。「ヤクザキッチンの警備を任され退屈していたので、貴様と遊んでやったのだ!」 35

2013-11-12 23:33:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「貴方!俺の周りで前後しないでください……!」「いい度胸だ」ニンジャはジェイクの顔を引っぱり、熱された鉄板のワン・インチ距離まで近づけた。汗と血が垂れ、その熱がジェイクに跳ね返る。「アイエエエエエ!」たまらず悲鳴を上げると、ニンジャは目を細め、彼の顔を再び鉄板から遠ざけた。 36

2013-11-12 23:42:42
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「いいか、これから貴様にたっぷりとインタビューしてやる」ニンジャは背筋が凍るほど残忍な口調で言う。ジェイクはすぐ横で突っ伏して顔面を焼かれるクローンヤクザたちを見た。肉と樹脂の焼ける嫌な臭いが鼻孔を責め苛む。インガオホー!「ま、待ってくれ……!」「イヤーッ!」「グワーッ!」 37

2013-11-12 23:47:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ジェイクは頭を横に向けられ、左耳から鉄板に叩き付けられた!ナイスクッキング!「アイエエエエエエエ!」激痛と高熱がジェイクを責め苛む!この時ほど左耳をサイバネ化していない事を悔やんだ事は無かった!暴れ抵抗しようとするが、万力めいたニンジャ筋力で押さえつけられもはや為す術無し! 38

2013-11-12 23:52:51
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ニンジャはジェイクの頭を持ち上げる。「ハァーッ!ハァーッ!ハァーッ!」押し付けられたのは僅か1秒間だが、ジェイクのニューロンにはそれが数分間のようにも感じられた。「マイッタカ!この拷問に耐え切った奴はいない!さあ、貴様を送り込んだ組織の名前を言え!」 39

2013-11-12 23:57:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「本当に知らないんだ……何なんだここは……俺が聞きたいくらいだ…」「ハッハッハッハッハ!これはしたり!まさか貴様は、ここが何かも知らずに足を踏み込んだのか?そしてグレネードを爆発させた?フゥーム、そうとは思えんなあ……」「ま、待ってくれ……!」「イヤーッ!」「グワーッ!」  40

2013-11-13 00:00:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アイエエエエエエ!」「ハッハッハッハッハ!今のは2秒だ。どこまで耐えられるかな……」「ま、待ってくれ……!」ニンジャが有無を言わさずジェイクを焼こうとしたその時!「来客ドスエ」電子マイコ音声が鳴り、ヤクザコートにヤクザサングラスの客3人が一糸乱れぬ行進で店内に入ってきた。 41

2013-11-13 00:05:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ベンチレーション装置の作動により、既に神経ガスは消え去っている。黒尽くめの男たちは異常殺戮現場を前にしても眉一つ動かさず、ニンジャの命令を待つように、扉の前で整列して後ろに手を組んだ。「……またクローンヤクザか……俺の頭が狂っちまったのか……?」ジェイクはうわ言めいて言う。 42

2013-11-13 00:08:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「貴様、本当に何も知らずにここへ?……ならばサンズ・リバーの渡し賃代わりに教えてくれる!ここは我らアマクダリ・セクトがネオサイタマ各所に隠し持つ、クローンヤクザ・アウトポスト……通称ヤクザキッチンのひとつだ!」「ヤクザ……キッチン…だと…」「違法飲食店に偽装しているのだ!」 43

2013-11-13 00:13:19